近年、企業には社員が主体的にキャリアを形成できる環境づくりが求められている。しかし、具体的なロールモデルが提示されることは多くない。社員が理想の未来を描き、意欲的に将来の目標を語るケースは稀と言えるだろう。こうした現状に対し、東京エレクトロン株式会社はAIと社内データを駆使したアプローチで解決策を示した。同社は、社内の職務情報や多様なキャリアパスを体系化し、「ありたい姿」から逆算して必要なスキルや学習を特定できるプラットフォーム「Seeker」を開発。社員が自らキャリアパスを描くことを可能にし、学習意欲の喚起やエンゲージメント向上に貢献した。この取り組みは高く評価され、第14回 日本HRチャレンジ大賞で大賞を受賞するに至った。本記事では、プロジェクトを主導した同社人事本部 人材開発グループ シニアスペシャリスト 嶋谷康太郎氏と同 グループリーダーの持田裕貴氏にお話を伺い、取り組みのキーとなる「Seeker」の具体的内容や開発背景のほか、現場へ周知するうえでのポイントや取り組みを浸透させるうえでの工夫など、その全容に迫った。

第14回 日本HRチャレンジ大賞『大賞』

東京エレクトロン株式会社/東京エレクトロンFE株式会社

Seeker:AIを駆使しチャレンジ意欲を喚起。スキル獲得促進でビジネスに貢献!

各組織の職務内容や活躍に必要なスキル、多様なキャリアパスのパターンなどの体系的なキャリア情報の整理とAI活用により、社員が将来実現したい姿からバックキャストしてキャリアパスを描くことを可能にした革新的な取り組み。自社のキャリア情報と学習コンテンツ情報をAIに読み込ませることで、各社員の「実現したい姿」に応じて、必要なスキルとそのスキルを獲得するための学習コンテンツを回答。システムを活用している社員は、組織サーベイの「学習機会」「キャリア機会」に関するスコアが大幅に改善するなど、エンゲージメント向上にも寄与する総合的に優れた取り組みであると高く評価されました。

プロフィール

  • 嶋谷 康太郎 氏

    嶋谷 康太郎 氏

    東京エレクトロン株式会社
    人事本部 人材開発グループ シニアスペシャリスト

    家電メーカーにて、セールス・マーケティングや海外(ロシア)での新規開拓業務を経験。その後、人事に転向し、人材開発や人事基幹システムの機能ローンチ業務に従事。2023年に入社。マーケティングや現場で培った知見を活かして、キャリアやスキルに関する施策の企画立案・実行、および関連システムの企画を担当している。

  • 持田 裕貴 氏

    持田 裕貴 氏

    東京エレクトロン株式会社
    人事本部 人材開発グループ グループリーダー

    事業会社・コンサルティングファームにて、M&Aや企業再編、経営支援を主としたクロスボーダー案件に従事。2020年に入社後、人事実務のほか、コーポレート領域における複数の横断プロジェクトをリード。2024年より現職にて、エンゲージメント向上と人・組織のパフォーマンス最大化を推進。次世代リーダーおよびDX人材の育成、TEL Value等の企業理念の浸透、ならびにスキル・キャリア形成支援に注力している。

東京エレクトロンによるAIを活用した「キャリア設計」と「スキル獲得」の連動施策――社員の主体的キャリア形成につなげる自社プラットフォーム「Seeker」の全貌に迫る

AIを活用した「キャリア」と「学習」をつなぐプラットフォーム「Seeker」とは

――まずは今回受賞された「Seeker(シーカー)」の取り組み概要について教えてください。

嶋谷氏:
「Seeker」は社員が「ありたい姿」を描き、その実現に必要なスキルの獲得を支援するWebアプリケーションです。社内にはキャリアや学習、スキルなどに関する情報が点在しており、扱いにくい状態となっていました。これらを統合し、キャリアの検討からスキルの習得までをワンストップで提供するプラットフォームとして内製で開発したのです。現在は、サービスの保守・メンテナンスを担うグループ企業の東京エレクトロンFEと、米国現地法人の東京エレクトロンアメリカで先行導入されています。
東京エレクトロンによるAIを活用した「キャリア設計」と「スキル獲得」の連動施策――社員の主体的キャリア形成につなげる自社プラットフォーム「Seeker」の全貌に迫る

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