このような最新の就活動向を把握し、企業の効果的な採用戦略に有用な情報を発信すべく、HR総研と「就活会議」(就活会議株式会社)では、27卒学生を対象に2026年3月初旬時点の「就職活動」と「就職意識」に関するアンケートを実施した。前回の「就職活動」に関する第一報に続いて、本レポートでは、第二報として主に「就職意識」に関する調査結果について報告する。
「仕事と会社の魅力」を重視。理系は「仕事内容重視」が約半数、文系は安定性にも関心
まず、27卒学生が志望企業を選択する上で「最も重視する魅力」について見てみる。
文系学生では、「仕事の魅力」と「会社の魅力」がともに39%と約4割で、最も重視される項目となっている。これらに「雇用の魅力」(15%)が続いており、仕事内容そのものに加え、企業の雰囲気や知名度、安定性なども含めた「会社」としての魅力を重視する傾向が見られる。一方、理系学生では、「仕事の魅力」が49%と約半数を占め、文系学生より10ポイント高い結果となっている。「会社の魅力」は33%で文系学生を下回っており、理系学生では企業ブランドや企業イメージ以上に、自身の専門性や研究内容を生かせる仕事内容を重視する傾向がうかがえる。その他の「雇用の魅力」、「社会的責任の魅力」、「採用活動の魅力」は1割程度以下で、比較的優先順位が低くなっている(図表1-1)。
全体として、文系学生は「仕事」と「会社」の双方をバランスよく重視する一方、理系学生では「仕事の魅力」をより重視する傾向が明確に表れる結果となっている。
【図表1-1】文理別 入社志望の企業を選択する上で最も重視する魅力

次に、文系・理系ともに上位に挙がる「仕事の魅力」と「会社の魅力」について、より詳細な魅力の重視ポイントを見てみる。
「仕事の魅力」については、文系学生では、「仕事が面白そう」が37%と4割近くで最も高く、これに次いで「スキルが身につく」(19%)、「若いうちから活躍できる」と「勤務地を選べる」(ともに15%)などとなっている。仕事内容そのものへの興味・関心に加え、成長機会や働き方も重視する傾向が見られる。一方、理系学生でも「仕事が面白そう」が40%で最も高く、文系学生と同様に仕事内容そのものを重視する姿勢がうかがえる。また、理系学生では「希望する職種につける」が24%と文系学生(9%)を大きく上回っている点が特徴的である。自身の専門性や研究内容と直結する職種への配属を重視する傾向が強く表れている。一方、「若いうちから活躍できる」は理系学生では僅か2%にとどまり文系学生より13ポイントも低く、顕著な差が見られる結果となっている(図表1-2)。
【図表1-2】文理別 「仕事の魅力」であなたが最も重視するもの

続いて、「会社の魅力」の中で最も重視するものについて見てみる。
文系学生では、「安定している」が46%と突出して高く、約半数を占める結果となっている。これに「経営者・ビジョンに共感」(16%)、「製品・サービスイメージが良い」(14%)、「成長性が高い」(13%)などが続いており、企業の安定性を重視しつつ、企業理念やブランドイメージにも一定の関心を寄せていることがうかがえる。一方、理系学生でも「安定している」が33%と3割程度で最も高いものの、文系学生より13ポイント低くなっている。その代わりに、「技術力・サービスが優れている」が31%と文系学生(9%)を大きく上回っており、企業の技術的優位性や研究開発力を重視する傾向が強く見られる。また、「経営者・ビジョンに共感」や「成長性が高い」、「製品・サービスイメージが良い」は1割前後となっている(図表1-3)。
【図表1-3】文理別 「会社の魅力」であなたが最も重視するもの

27卒学生の大手企業志向は依然高水準。特に理系・上位大学層で顕著に
27卒学生が入社を志望する企業の規模について見てみる。
まず文理別に見ると、文系学生では、「できれば大手企業に行きたい」が42%で最も高く、これに「絶対大手企業に行きたい」(28%)が続いており、これらを合計すると「大手企業志向」(以下同じ)の割合は70%に上っている。一方、理系学生では、「絶対大手企業に行きたい」が43%で最も高く、文系学生(28%)を15ポイントも上回る結果となっている。「できれば大手企業に行きたい」も40%となっており、「大手企業志向」は83%と8割以上に上っている。したがって、理系学生では大手企業志向が特に強い傾向がうかがえる。一方、「中堅企業に行きたい」や「中小企業に行きたい」は文系・理系ともに1割前後以下にとどまっており、27卒学生全体として大手企業を志向する傾向が強いことが分かる(図表2-1)。
【図表2-1】文理別 入社を志望する企業の規模

大学区分別に見ると、旧帝大クラスでは「絶対大手企業に行きたい」が52%と過半数を占め、最も高い結果となっている。また「大手企業志向」は92%と9割以上に上る。上位国公立大でも「絶対大手企業に行きたい」と「できれば大手企業に行きたい」がともに48%で「大手企業志向」は96%にも上っており、大手企業志向の強さが際立っている。一方、中堅私立大やその他私立大では、「企業規模は問わない」がそれぞれ18%、26%と比較的高くなっているほか、「中堅企業に行きたい」や「中小企業に行きたい」も他の大学群より高い傾向が見られる。特にその他私立大では、「絶対大手企業に行きたい」は18%にとどまり、「できれば大手企業に行きたい」も26%となっており、大学区分によって企業規模に対する志向性に違いが見られる結果となっている(図表2-2)。
【図表2-2】大学区分別 入社を志望する企業の企業規模

このように、学生の多くが大企業を志望していることを踏まえ、フリーコメントで寄せられた「大企業を志望する理由」を確認した。多く挙げられているものを主な意見として以下に抜粋して紹介する(図表2-3)。
【図表2-3】文理別 大企業を志望する理由(一部抜粋)
| 大企業を志望する理由 | 文理区分 | 大学区分 |
|---|---|---|
| 研修など、若手の育成環境が整っているから | 文系 | 旧帝大クラス |
| 多様な価値観があり、優秀な人材が揃っているから | 文系 | 旧帝大クラス |
| 転職を考えると、新卒では大手に進んだ方が有利だと思うから | 文系 | 旧帝大クラス |
| 安定しているから | 文系 | 早慶大クラス |
| ベンチャーから大手には行けないから | 文系 | 上位国公立大 |
| 生涯年収や福利厚生などが違うから | 文系 | 上位国公立大 |
| 新卒という人生に1回しかないチャンスを大手に使いたいから | 文系 | 上位私立大 |
| 安定していると感じるから。教育制度や社員のサポート体制があるから | 文系 | 上位私立大 |
| やりたいことの規模感が、大手の方が実現しやすいため | 文系 | その他国公立大 |
| 大規模なところで働いて、早い段階で知識などを身につけたい。自分の市場価値が高まるから | 文系 | 中堅私立大 |
| 給料が良いため | 文系 | その他私立大 |
| 収入、福利厚生 | 理系 | 旧帝大クラス |
| 自分の自信になるから | 理系 | 旧帝大クラス |
| 大企業では、入社後同じ企業のなかで自分のやりたい仕事を見つけやすいと考えているから | 理系 | 旧帝大クラス |
| 安定した地盤があるからこそ、目の前の業務に本気で取り組むことができると考えているから | 理系 | 旧帝大クラス |
| 自分の将来設計として | 理系 | 旧帝大クラス |
| ワークライフバランスが取れるから | 理系 | 早慶大クラス |
| 人数というよりは、プライム上場企業に行きたいと考えていて、それは大企業がほとんどであるため | 理系 | 上位私立大 |
| ネームバリューがあるから | 理系 | その他国公立大 |
| 半導体企業を志望しており、資金力がある大手でないと世界と戦っていけないため | 理系 | 中堅私立大 |
| 安定していて、社会的信頼があるから。 長期的に働きたいし、もし転職する際にも有利だから | 理系 | その他私立大 |
転職容認派は文理ともに過半数。理系・国公立大では定着志向が比較的高め
続いて、27卒学生の今後の就業における転職・起業への意識について見てみる。
まず文理別に見ると、文系学生では、「最初の会社で定年まで働きたい」が40%で最も高く、これに次いで「3回くらいまでなら転職してもよい」(33%)、「回数にこだわらず、転職してもよい」(23%)などとなっている。一方、理系学生では、「最初の会社で定年まで働きたい」が46%と文系学生より6ポイント高く半数近くに上っており、長期的に同じ企業で働く意向が比較的強い傾向が見られる。ただし、転職容認派である「3回くらいまでなら転職してもよい」と「回数にこだわらず、転職してもよい」を合計すると、文系学生では56%、理系学生でも52%でいずれも過半数に上っている。したがって、理系学生の方が定着志向はやや強いものの、文系・理系ともに過半数が転職を前向きに捉えていることがうかがえる。一方、「いずれは起業したい」は文系学生で4%、理系学生で2%にとどまり、起業志向は低いことが分かる(図表3-1)。
【図表3-1】文理別 今後の就業における転職・起業への意識

大学区分別に見ると、上位国公立大では「最初の会社で定年まで働きたい」が59%と6割程度で最も高く、他大学群と比べても定着志向の強さが際立っている。これに次いで、その他国公立大(49%)、旧帝大クラス(46%)が半数近くとなっており、国公立大の学生の方が私立大の学生より定着志向が強い傾向にあることもうかがえる。一方、その他私立大では、「回数にこだわらず、転職してもよい」が45%と最も高く、「最初の会社で定年まで働きたい」(34%)を上回っている点が特徴的である。また、早慶大クラスでは、「3回くらいまでなら転職してもよい」が38%と4割近くに上り比較的高い割合であるほか、「いずれは起業したい」も8%と他大学群より高くなっている。したがって、キャリア形成において、多様な選択肢を前向きに捉える傾向がうかがえる結果となっている(図表3-2)。
【図表3-2】大学区分別 今後の就業における転職・起業への意識

この先は、会員の方だけがご覧いただけます。会員の方はログインを、会員でない方は無料会員登録をお願いします。
【調査概要】
アンケート名称:【HR総研×就活会議】2027年卒学生の就職活動動向調査(3月)
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)、就活会議株式会社
調査期間:2026年3月5~16日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:「就活会議」会員で2027年入社に向けて就職活動をした方、している方
有効回答:283件
※HR総研では、人事の皆様の業務改善や経営に貢献する調査を実施しております。本レポート内容は、会員の皆様の活動に役立てるために引用、参照いただけます。その場合、下記要項にてお願いいたします。
1)出典の明記:「ProFuture株式会社/HR総研」
2)当調査のURL記載、またはリンク設定
3)HR総研へのご連絡
・会社名、部署・役職、氏名、連絡先
・引用元名称(調査レポートURL) と引用項目(図表No)
・目的
Eメール:souken@hrpro.co.jp
※HR総研では、当調査に関わる集計データのご提供(有償)を行っております。
詳細につきましては、上記メールアドレスまでお問合せください。
- 1
