多くの特例子会社では、障がいのない社員がマネジメント職に就いているが、株式会社OSBSでは、障がいのある社員も組織運営のけん引役になってもらいたいと、管理職に積極的に登用している。その基盤にあるのが、同社が2022年4月から推進する「育成×評価×支援×デジタル」の4本柱から成る独自の人材育成モデルだ。スキル向上や自己理解、障がい受容の機会を提供するだけでなく、適正配置と成長支援型評価を連動させることで、昇進や専門職へのキャリア形成を実現させている。さらに自社開発のAIツールを活用したメンタルヘルス対策も行うことで、社員が成長し活躍できる仕組みを整えている。その結果、リーダー昇格率は2年で13%から29%に向上し、職場定着率も向上するなど、目に見える成果が表れている。本記事では、その人材育成モデルの概要や実施背景、取り組みに際しての苦労や課題、成果について、管理部人材開発課ディレクターの坂本 亜里紗 氏と総務経理課マネジャーの氏家 真澄 氏にお話を伺った。

第14回 日本HRチャレンジ大賞『人材育成部門優秀賞』

株式会社OSBS

障がい者雇用のNEXTステージ~育成×評価×支援×デジタルで変える活躍のカタチ~


障がい者がリーダー職や管理職として活躍できる環境を「育成×評価×支援×デジタル」の4本柱で構築。適正配置と成長支援型評価により多様なキャリアパスを開拓するとともに、AI課長「DEBORA」を活用したメンタル不調の早期発見なども実現。これらの取り組みによりリーダー昇格率が13%から29%へと向上し、職場定着率も改善。障がい者の主体的キャリア形成と持続可能な雇用モデルの確立を通じて、DEI推進に寄与する優れた取り組みであると高く評価されました。

プロフィール

  • 坂本 亜里紗 氏

    坂本 亜里紗 氏

    株式会社OSBS
    管理部 人材開発課 ディレクター

    臨床心理士・公認心理師。学生NPOでの路上生活者支援活動の経験から、障がい福祉業界に飛び込み、約10年、障がい者の心理支援や支援者育成に従事。2021年9月に産業保健スタッフとしてOSBSへ入社後、「自律的に学び、成長し続ける人財の育成」「仕事を通した、従業員のWell-Beingの実現」を部門のミッションに掲げて社内教育部門として企業内学校「M'sUps」を立ち上げた。人材開発部門の責任者として社員育成を推進するほか、大学の非常勤講師として若年層のダイバーシティ教育に取り組む。

  • 氏家 真澄 氏

    氏家 真澄 氏

    株式会社OSBS
    管理部 総務経理課 マネジャー

    BREXA Holdings(旧:アウトソーシンググループ)のグループ会社に入社後、人材サービス領域の総務部門にて約7年間バックオフィス業務に従事。2018年4月にOSBSへ転籍。グループにおけるシェアードサービス部門の拠点責任者、エリア責任者として、障がい者雇用の推進、社員育成、バックオフィス業務の拡大に携わりながら社内の課題に対し、人事制度を企画・立案。現在は、管理部 総務経理課の責任者としてマネジメント、さらなる課題改善を目指して人事企画業務に取り組む。

障がい者のリーダー昇格率13%から29%へ――OSBSの「育成×評価×支援×デジタル」の4本柱によるDEI推進

「育成」を起点に「評価」・「支援」・「デジタル」を連動

――まずは今回の「障がい者雇用のNEXTステージ~育成×評価×支援×デジタルで変える活躍のカタチ~」の概要について、教えていただけますでしょうか。

坂本氏:
はじめに、旧・株式会社アウトソーシング(現・株式会社BREXA Next)の特例子会社として設立され、現在は株式会社BREXA Holdings傘下で事業を展開しています。障がいのある方の就労を支える、就労の場所を広げるだけでなく、障がいのある方が働きやすい社会にすることがミッションだと思っています。そのためにも、特例子会社としては国内でNo.1と言われる会社になりたいと思っています。

その基盤となるのが「育成×評価×支援×デジタル」の4本柱に基づく当社独自の人材育成モデルです。具体的な取り組み内容としては、「教育・研修による長期的なキャリア支援」、「成長支援型評価の活用」、「包括的な支援体制の実施」、「デジタルツールの導入と運用」などを行っています。私は主に教育・研修を通じた育成を、氏家が人事制度の構築を担当しています。

――取り組みを開始されたきっかけが気になります。

坂本氏:
まずスタートしたのが、育成でした。私が当社に入社した2021年秋、当時気になったことが二点ありました。一つが、社員数が増えているのに役職者の人数が足りないということ。もう一つは、採用した後の育成がほとんど行われていなかったことです。障害者雇用において往々にしてあるのが、就職は決まったけれど、ずっと同じ給与で、同じ業務を続けていくという働き方です。しかし、当社ではそういった働き方はさせたくない。成長して、できることが増えたら正当に認められる仕組みを整えたいなと。そういった背景があるなかで、私自身、前職で人と人との関わりの中で人が育つ姿を数多く見て来たので、この会社でも社員が新たな気づきを得られる場を作れないかと考えました。それで、2022年初めに会社に教育・研修の仕組みを提案したのが、すべてのきっかけです。
「AI課長」や「成長支援型評価」の連携で障がい者のキャリアを支援――OSBSの「育成×評価×支援×デジタル」の4本柱によるDEI推進

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