私たちの仕事は、毎回はじめての課題に対峙して価値を創出しています。例えばジャンルで言っても、クラシックコンサートからVtuberまでかなり振れ幅があります。それぞれ正解がないものにアプローチしていくわけなので、実際に経験したことをきちんと振り返って内省して、次の知恵に変えていかなければなりません。いわゆる、経験学習サイクルのような内省習慣が非常に大事だと思っています。
当社は創業7年になるのですが、経営側の2名と全社員一人ずつの2on1を創業期からずっと実施しています。その場では、「その月の主要な業務の棚卸し、得られた学び、顕在化した課題」を言語化する内省の支援をしています。ただ、これは少ない人数だからこそ実施できる取り組みでした。規模が拡大していくなかで、そろそろ同じように時間を割くことが難しくなってきているのが実情です。内省は当社の人材開発の要と位置付けているため、持続性を意識した運営体制をいかに再構築していくかが当面の大きな課題となっています。
2035年の長期ビジョンに向けた人材戦略の策定を進めています。事業戦略に寄り添った人材戦略をつくること、これがまさに人事課題であり、これから力を入れていかないといけません。
採用面で言うと、エンジニアの新卒採用市場はIT人材の不足を背景に、各社の需要が高まりレッドオーシャンになってきています。近年は起業やインターンシップの参加に積極的な学生も増えているので、学生の動向をふまえながら、いかにニーズを捉えた採用ができるか。当社は現在70名ほどを新卒エンジニアとして採用していますので、量だけでなく質も担保しないといけない。そのあたりが採用の課題になっていますね。
育成については、社員がロイヤリティを持ちながら活躍してもらう状態を目指しているところです。その他にも、事業拡大や生成AIの台頭によって、採用基準や評価制度の見直しといった課題にも直面しています。
大きく2つの課題があります。1つ目は「採用」です。これから事業を力強く推進していくためには優秀人材の獲得が欠かせません。もう1つは、「リーダーシップ開発とミドルマネジメント強化」になります。私たちは、物流問題をデータの力で変えていこうとしています。そのような変革推進に向けて、社員一人ひとりがリーダーシップを発揮しなければなりません。今、一人ひとりのリーダーシップの発芽を促し、組織全体を活力に満ちたものに変えていこうという人事スローガンを掲げ、取り組んでいるところです。組織全体の活性化のカギとなるのが、経営とメンバーをつなぐミドルマネジメントの強化です。
当社は2012年4月に住友信託銀行と中央三井信託銀行が合併して誕生したのですが、合併時につくった人事制度を多少マイナーチェンジは行ってきましたが、コロナ禍以降の働き方の変化、社員の価値観の多様化、労働市場における流動性の高まりなど当時からの変化を踏まえると、早急に人事制度・運営を未来適合化していかないといけないのが最大の課題と捉えています。
もう1つは、経営戦略と人的資本戦略をどうつないでいくか。人的資本戦略が財務面、非財務面においてどう影響していくのか、これまで以上に社内外で説明が求められています。ただ、これは企業価値向上という投資家や会社の目線の取り組みです。つまり、経営計画を実現する人的資本を揃え、人事運営を通じてそれをしっかり資源化するという、投資家や経営から人事部門に託されているミッションと言えます。
一方で、社員目線で捉えた際には、例えば、個々人のキャリア自律やエンゲージメント向上を推進していかないといけません。ですので、投資家・会社と社員目線の双方で経営戦略と人的資本戦略をいかにアラインさせていくかも重要な課題です。
私たちは、ソフトウエアエンジニアと、アルゴリズムエンジニアというAIアルゴリズムに特化した職種の新卒採用を行っています。アルゴリズムエンジニアは、ターゲットのAI研究をしている学生からは、AIに強い会社ということもあって、知名度は比較的あります。
一方、ソフトウエアエンジニアは、学生からの知名度や認知度が不足していると感じています。当社はBtoBで、かつAIに特化した事業内容なので、学生にはなかなか馴染みのない会社かもしれません。そういう意味では、ソフトウエアエンジニアのターゲット学生に対してもいかに知名度、認知度を上げていくかは当社の人事課題となっています。
人事課題は大きく2つあると思っています。
1つは「採用」です。この人事課題は、スタートアップにおいて一丁目一番地だと思っています。会社のフェーズとしては、プロダクトを一気に増やして事業をマルチに展開していこうとしています。新しい事業も立ち上げていくなかで、これまでいなかったような人材も積極的に迎え入れようとしています。一方で、既存事業を様々な業界・規模のお客様に使っていただけるように拡大していくことも重要です。今後の事業成長を実現していくには、量と質を両立した採用活動が欠かせないので、当社の主な人事課題の1つです。
もう1つは、「ミドルマネジメントの強化支援」です。プロダクトの数が増えていくなかで、プロダクト単位、事業単位で組織は分かれていきます。あるいは、その事業がターゲットとしている業界ごとに組織が分かれていく。つまり、組織体制の変化と細分化が、進んでいきます。
新たな人材を増やしながら組織の細分化を同時に進めていくので、普通に考えると経営層の考えが届きにくくなったり、コミュニケーションコストが増えていきます。また、組織拡大の中で、新しく入った人が安定的に立ち上がることができるオンボーディング体制の整備の重要性も高まっていきます。これらに対して重要な役割を果たすのがマネージャーだと考えています。ですので、マネージャーがマネジメントの役割をしっかり発揮できるように、人事として支援をしていく必要があります。
当社は指数関数的に成長させていくのが基本の組織です。去年から今年にかけて約2倍の組織となり、そのような中で各ファクションのKGIを達成していかないといけないので、それを実現できる人材採用が大きな課題となっています。当社の事業は少し特殊で純粋なアカデミックでもなく、ビジネスでもありません。アカデミアの知を社会実装することで、きちんと社会にとっていい変化を起こしていくのがミッションです。ですので、単純にただ事業を大きくしていけばいいというわけではありません。会社が求める職種のスキル面ももちろん大事ですが、カルチャーフィットの面でなかなかマッチする人材がいないというのも悩みです。
当行は定年が延長され65歳まで働くことができます。社内の平均年齢も高くなっていますので、「シニア人財」の活躍の場をいかに広げるかが、喫緊の人事課題です。他社に比べると恵まれていますが、60歳で役職定年を迎えた時に給与も下がるので、モチベーションも下がります。一方で、少子高齢化や労働力不足を考えると定年が延びていく可能性が高いですよね。そう考えた時に、先ずは50歳から65歳までの間も高いマインドを持って仕事に励んでもらう必要があります。
現在、シニア活躍に向けた人事施策の議論を活発に交わしているところですが、一番はやはりシニア人財のマインドを変えないといけない。まだまだ年功序列や終身雇用で染みついた仕事の進め方や考え方が残っています。働き方やキャリアの考え方も変化してきていますので、キャリアオーナーとして今後の働き方を考える場を作らないといけない。
我々人事も、高いポジションで役職定年を迎えたから、処遇するという発想でいてはいけません。役職定年を迎えた時に何ができるか、どう会社に貢献できるか、どんな影響力を若手・中堅社員に与えられるか。これらを総合的に見て報酬を決定する。ジョブ型に近い仕組みを導入しようと考えているところです。
エンゲージメントスコアを見ても、50代や60代が低いという結果が出ています。これらの世代と会社との関係性を強化する必要があります。若手や中堅社員からは、「我々が一生懸命やっているのに、なぜシニアの人は仕事をしないのか」といった不満が出て、社内の色んな方面に影響が及びかねません。シニア人財が活躍する、活躍できるようにすることが喫緊の大きな課題です。
ビジネスの文脈で言うと、競合にどこで勝っていくか。私たちは乗合代理店を販売チャネルにした会社ですので、商品力で他社に勝つ必要があります。会社としての商品開発力を高めていくには、そのような専門性の高い人材の獲得と、個々が能力を発揮できる組織をつくっていかなければならないので、これらが主な人事課題です。
また、AI/デジタル領域は、まだ伸びしろが大きいですので、拡大していくための組織、人員体制を整えていかないといけません。今後、中長期的にビジネスグロースさせていく重点施策ですので、そのための人材採用と育成も人事課題と言えます。