「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」をパーパスに掲げる株式会社MIXIは、2026年4月に新人事制度を導入した。最大の特徴は、報酬・評価・働き方を「トータルリワード」として一体で捉え直した点にある。同社はこれまで、手厚い福利厚生や柔軟な働き方を提供してきた一方で、評価のメリハリが機能せず、市場競争力のある高い報酬を十分に提示しきれていないなど構造的な課題を抱えていた。今回、制度改定のプロジェクトをけん引した同社 人事本部 本部長 杉村 元規氏と人事本部 人事戦略部 部長 加藤 里紗氏に、制度の概要や改定のきっかけのほか、導入までの苦労やプロジェクトを進める中での従業員や経営層との関わり方などを伺った。

プロフィール

  • 杉村 元規 氏

    杉村 元規 氏

    株式会社MIXI
    人事本部 本部長

    新卒で外資系総合人材サービスに入社し法人営業を担当。 2社目に、設立1年目のSI企業に入社し、人事業務全般に従事。 その後、2018年12月ミクシィ(現:MIXI)入社。2019年7月、人材・組織開発グループのマネージャーに就任。 2021年11月、人事企画部(現:人事戦略部)部長に就任。2022年2月、人材採用部部長を兼務。2025年6月より、人事本部本部長(現任)。

  • 加藤 里紗 氏

    加藤 里紗 氏

    株式会社MIXI
    人事本部 人事戦略部 部長

    前職では人事部で労務・新卒採用・育成業務を経験し、総合企画室では組織力強化や要員計画などに従事。2020年にミクシィ(現MIXI)に入社し、人事戦略部で人事制度の見直しや評価制度の運用、経営人材の強化、サクセッションプランニングなどに取り組み、2025年4月に部長に就任。

MIXIが新たに導入した「報酬・評価・働き⽅」を⼀体で⾒直す人事制度――従業員を迷わせない「Valuesの体現」や「評価基準とフィードバック」

なぜ「報酬・評価・働き⽅」を⼀体で⾒直す新人事制度を導入したのか

――貴社は2026年4月に新人事制度を導入されましたが、まずはその概要について教えてください。

杉村氏:
前提としてお伝えしたいのは、今回の制度改定が「人・組織のありたい姿」から逆算された取り組みである点です。当社は「心もつながるコミュニケーションサービスを複数創出し続ける会社」であるために、「発明・夢中・誠実を体現する人材」と「共に価値を創り続けるチーム」の2つを人材ポリシーとして定めています。今回の報酬・評価・働き⽅を⼀体で⾒直す「新人事制度」は、その姿に近づくために設計されており、個別最適で設計されていた制度を3つの柱として再整理しました。

1つ目は、市場競争力のある報酬水準の実現です。外部の優秀な人材から選ばれ続ける企業であるために、報酬レベルを抜本的に見直しました。具体的には、報酬レンジの下限を一般社員層で約20%、上級管理職層では約50%引き上げる、大幅な報酬テーブルの改定に踏み切っています。全体の報酬レンジを見直したうえで、特にマネージャー層以上については、より高い役割や成果に見合う処遇となるよう設計しました。ただし、改定時点で全社員の給与を一律に引き上げるものではなく、成長や成果、役割拡大に応じて段階的に適正化していきます。

2つ目は、評価や福利厚生を通した活躍と成長の支援です。そして、3つ目は、個人のパフォーマンス最大化と組織成果創出の両立を図る、働き方の再整理です。オフィスワークとリモートワークを融合した働き方「マーブルワークスタイル」やフルフレックスなどの柔軟な働き方と、チームとしての連携強化を統合的に考え直しました。制度の設計自体は2025年9月末に完了し、その後、社内導入の準備を進めました。2026年1月には全社員向けの説明会を実施し、同年4月に正式導入を迎えています。

――そもそも、なぜ一体で人事制度を見直したのでしょうか。

杉村氏:
会社として何を良しとするのか。そのメッセージを明確にすることが核心です。当社のValues「発明・夢中・誠実」の体現と、組織成果への貢献を評価の軸に据えました。そして、社員一人ひとりの主体性と挑戦を後押ししていくのが大きな背景としてあります。
MIXIが新たに導入した「報酬・評価・働き⽅」を⼀体で⾒直す人事制度――従業員を迷わせない「Valuesの体現」や「評価基準とフィードバック」

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