連載「人事大解剖~他社の人事のリアルを知る~」は、リレーインタビュー形式で、業務において大事にしている考えや日常の悩み、気になっているHRのキーワードなどを紐解きながら、人事のリアルに迫っていく。正解がないと言われる時代だからこそ、多くの人事の視点や考えを通じて、業務や課題解決のヒントをお届けする。人事リレーの輪13人目は株式会社サイバーエージェントでエンジニアの人事を統括する、技術人事本部長 峰岸 啓人氏が登場。同社は「新しい力とインターネットで日本の閉塞感を打破する」をパーパスに掲げ、新しい未来のテレビ「ABEMA」をはじめとするメディア&IP事業、ゲーム事業、インターネット広告事業などを手がけ業界をリードしている。インタビューの中では、事業や組織が拡大するなかでの人事としての苦悩のほか、一人の人事として大事にしている考え方やオススメの人事関連書籍などが語られた。

※下部の「目次」より気になる項目がありましたら、ぜひそちらからも参照のうえご覧ください。
「信頼」される人事であり続けるために――サイバーエージェント 峰岸 啓人氏【人事リレーの輪13人目】

Q1:これまでのキャリアは?

【人事リレーの輪13人目】
株式会社サイバーエージェント 技術人事本部長
峰岸 啓人氏



新卒で2012年に株式会社サイバーエージェントに入社しました。最初のキャリアはエンジニアからスタートして、メディアサービス開発や運用、新規開発をしていました。そこから、WebフロントエンドエンジニアやiOSエンジニアなど技術系としての職種の幅を広げていき、入社から4年が経過したタイミングで、エンジニア採用を担当する人事へキャリアチェンジしました。

2019年には、開発組織の強化に向けて、エンジニアだけの人事部門が立ち上がりました。もともと新卒採用は、職種関係なく一つの部署が管轄していたものを、職種ごとに縦割りにして、育成とあわせて持つことになったのです。人事としてのキャリアは、採用からスタートして、育成や制度設計にも携わり、今に至るという流れです。

Q2:今の人事としての役割・ミッションは?

約1,200名規模のエンジニア組織の人事部門を統括していまして、機能としては、新卒採用と育成の2つに分かれています。新卒採用においては、エンジニア職における新卒採用の戦略立案、インターンシップやイベントの設計・運用、採用活動、入社後の研修および育成までを一貫して行っています。

育成については「キャリアエージェント」と「リスキリングセンター」の2軸で推進しています。「キャリアエージェント」では、エンジニアの活躍支援を目的に、キャリア相談やチャレンジ機会の創出、育成サポートなどを行っています。「リスキリングセンター」では変わりゆく技術トレンドに対応したエンジニアの学び推進、キャリアアップ支援を行っています。近年では生成AIネイティブ’な組織を目指して、2025年末までに全エンジニアの9割がAIを駆使できる開発組織となるための研修プログラムを社内で実施しています。

Q3:今抱えている主な人事課題は?

採用面で言うと、エンジニアの新卒採用市場はIT人材の不足を背景に、各社の需要が高まりレッドオーシャンになってきています。近年は起業やインターンシップの参加に積極的な学生も増えているので、学生の動向をふまえながら、いかにニーズを捉えた採用ができるか。当社は現在70名ほどを新卒エンジニアとして採用していますので、量だけでなく質も担保しないといけない。そのあたりが採用の課題になっていますね。

育成については、社員がロイヤリティを持ちながら活躍してもらう状態を目指しているところです。その他にも、事業拡大や生成AIの台頭によって、採用基準や評価制度の見直しといった課題にも直面しています。

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