プロフィール

大嶋 悠也 氏
合同会社DMM.com
組織管理本部 本部長/人事部 部長
株式会社ネオキャリアにて財務経理部に約3年間在籍。2018年にDMM.comの社長室へ入社し、評価制度の運用やエンジニア採用を担当。その後、人事部へ異動し、新卒・中途採用、HRBP、育成組織、子会社管理などの実務および組織マネジメントを担当。2022年3月より人事部長、ならびに組織管理本部 副本部長を兼務。2025年より、組織管理本部 本部長に就任。
人事・組織マネジメントに関する考えや実践をnoteで発信中。

なぜ「日本一変化に強い人事組織」を目指そうとしたのか
――まずは、貴社がなぜ「日本一変化に強い人事組織」を目指すに至ったのか。その背景や経緯からお聞かせください。そもそもの始まりは私が人事部長を拝命した2022年、コーポレート役員から「3年で日本一の人事部にしてほしい」と言われたことがきっかけです。DMMは現在、動画配信、電子書籍、アニメ、ゲーム、AI、FX、農業、ハードウェア、教育、ヘルスケアなど、17の領域・60以上の事業を展開しており、規模やジャンルに関係なく、未来を感じるビジネスがあれば、「ひとまず何でもやってみる」というカルチャーが根付いています。
そうした中、人事部長に着任し、これだけの事業を全部見なければならないのかと、改めて圧倒されたと同時に、次々に決まっていく億単位の意思決定に対して、人事としての強いスタンスが問われると、その責任の大きさを感じました。複雑に絡み合った生態系のような事業体を複雑なまま捉えながら、すべてを的確に把握し、また変化に柔軟に対応しながら、総合的な意思決定スタンスが持てる人事にならないといけない。そうした想いから、「変化に強い人事組織を作っていこう」というメッセージを人事のメンバーに発信した次第です。
――人事部長に着任されてからの人事組織は、これまでとまた違って見えたのではないでしょうか。
2022年頃は、新規事業の立ち上げと撤退が頻繁に起こっている時期でした。新たな挑戦が次々と生まれる一方、軌道に乗らない事業は速やかに見切りをつけていかなければなりません。しかし、人事のメンバーは、事業の立ち上げや拡大に伴う採用業務に関してはスキルが磨かれていましたが、事業の撤退や再編に伴う対応に関しては、私以外に経験者がほとんどいませんでした。この経験不足が特に問題となったのは、DMMという組織の特性が関係しています。DMMは、特定の事業がやりたくて入ってくる中途採用によって構成されている組織です。そのため事業が撤退する局面では、その事業への愛着やロイヤリティの高い社員ほど退職を決断してしまいます。その結果、退職に伴う手続きの対応が増え、経験の少ない人事メンバーへの負荷も高まっていました。
加えて、社員一人ひとりのキャリアと向き合い、継続的にフォローする体制も十分とは言えませんでした。本来であれば事業が撤退するにしても、優秀な人材をやすやす手放すのではなく、DMMの中で別のキャリアの可能性を提示し、新たな活躍の場を作ることができるはずで、それこそが事業を網羅的に把握している人事の腕の見せどころだと思うんです。事業の変化が前提となる環境だからこそ、個人のキャリアとしっかり向き合わなければならない。そうした介在価値を高めることも大きな課題であると感じました。
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この後、下記のトピックで、インタビューが続きます。
●意図的に摩擦を起こし、組織のエネルギーに変える
●変化に強くなるには
●人事から変化を示すことが、現場を動かす原動力になる
