『最高の企業文化を育む「少数」の法則』(ジョン・カッツェンバック、ジェームズ・トーマス、グレッチェン・アンダーソン著)は、企業文化をどう育むかという点だけでなく、コミュニティをどう捉えるかという観点を非常に鋭く提示してくれる本です。
この書籍を読んだ後、何人かとディスカッションを行いましたが、文化の作り方はアメリカの大統領選挙に近いイメージを持ちました。大統領選では、「アメリカ・ファースト」のようなメインメッセージを全土に向けて訴えかけつつ、実際には州ごとの票をどう獲得するかという局地戦になりますよね。会社においてもサブカルチャーやサブコミュニティが存在し、そこから生まれる小さな火種や熱量が延焼していくことが、組織文化を育むうえで重要だと感じています。もちろん、上から大号令をかけたり、強制的にルールを整備したりする方法も、ある側面では有効でしょう。しかし、それだけでは人の心は動きません。文化というものは、人々が自然と「これを信じたい」「これこそが自分たちのアイデンティティだ」と思えるところに土台があります。小さなコミュニティを丁寧に見つめ、その中にあるオーガニックなエネルギーを刺激して延焼させていく過程こそが、企業文化の成長において大変重要だと気づかせてくれる良書で、私自身とても気に入っています。
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『最高の企業文化を育む「少数」の法則』(ジョン・カッツェンバック、ジェームズ・トーマス、グレッチェン・アンダーソン著)』
『企業価値経営 第2版』(伊藤 邦雄 著)は、人的資本経営を進めていくうえで大事な要素が詰まっています。フレームワークをもとに、基本から応用、実践までを理解できる3部構成となっていて、わかりやすく、「伊藤レポート」を作成されたご本人が著者ということもあって納得感や説得力というのがあります。JTBグループでも人的資本経営を推進していかないといけないですから、本書を参考にさせていただいています。
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『企業価値経営 第2版』(伊藤 邦雄 著)
人事の方におすすめしたい書籍は、『1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え』(エリック・シュミット 著/ジョナサン・ローゼンバーグ 著/アラン・イーグル 著/櫻井 祐子 訳)です。
私が人事マネージャーになった際に読んだ本になるのですが、当時の私は、サイバーエージェントのリーダーシップというのは、みんなをアグレッシブに率いていくイメージを持っていました。
ただ、私はそういうタイプではないことを日々感じていました。どんなリーダー像を持てばいいのか悩んでいる中で、「愛を持って接する」というワードが本書の中で出てきて、非常に感銘を受けたのです。自分に近い考え、タイプだなと思うと同時に、アップルやグーグル、アマゾンなど、そうそうたる企業の裏には経営者が慕うビル・キャンベルというコーチの支援によって成果を築きあげているんだと衝撃を受けました。リーダーシップには色んな形があり、自分が誰かを目指すというより、自分が目指したい、良いと思ったリーダーシップを発揮したいと本を読んでマインドが変わりましたね。リーダーシップについて悩んでいる人事の方にはおすすめかもしれません。
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『1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え』(エリック・シュミット 著/ジョナサン・ローゼンバーグ 著/アラン・イーグル 著/櫻井 祐子 訳)
『組織の盛衰:何が企業の命運を決めるのか』(堺屋 太一 著)です。本書では、急激に成長、成功を収め、その後急激に衰退したモデルケースとして、「豊臣家」「帝国陸海軍」「日本石炭産業」の3つを取り上げています。組織の命運を分けた要素を構造的に解き明かし、また組織の二面性の話にも触れられているので、組織開発を考えるうえで大変興味深く、印象に残った一冊ですね。
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『組織の盛衰:何が企業の命運を決めるのか』(堺屋 太一 著)
『リデザイン・ワーク 新しい働き方』 (リンダ・グラットン 著/池村 千秋 翻訳)です。当社も在宅勤務を取り入れたりしていますが、世の中、コロナ禍を経て働き方が大きく多様化してきています。そのような中で、本書は近年見られる新しい働き方のデザイン、ヒントを解説していて、体系的に新たな働き方、それに伴う価値観の変化を理解できるので、人事のみなさんにおすすめです。
書籍の中では、生産性を高めていくうえで大事な要素として、「活力」「集中」「連携」「協力」の4つを挙げていまして、フレームワークと共にわかりやすく示されています。働き方改革と言うと、労働時間を短くしたり、働き方の自由度を増やしたりという手段が目的になってしまいがちですが、本来は働き方を通じて生産性を向上させるのが目的です。それゆえ、労働時間は短くなったけど、パフォーマンスはどうなのか、みたいな話も聞いたことがあると思います。新しい働き方を捉えるうえで、柔軟性が増すというのは一見聞こえはいいのですが、それによって緩くなっていないか。選択肢を広げた分、「ゆるホワイト」みたいな問題も出てきていますよね。この本は、私を立ち止まらせてくれて、パフォーマンス向上、組織力向上の観点から新しい働き方をアプローチすることの大切さを本質的にしっかり解説されているので、すごく参考にしています。
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『リデザイン・ワーク 新しい働き方』 (リンダ・グラットン 著/池村 千秋 翻訳)
『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』(小野 壮彦 著)は、採用担当として改めて納得するところもあれば、新しい発見もあり良い本だなと思っています。
普段採用業務をしていると、目の前の候補者対応やオペレーションに忙殺されてしまう場面も多々あると思います。この本は、データに基づいた客観的な視点や人の心理、さらには統計学的なアプローチについての内容が書かれているため、一歩引いて自社の採用をアップデートする手助けになります。
特にエンジニア採用においては、技術力だけでなく、カルチャーフィットや問題解決能力といった定性的な要素を見極めることも重要です。そうした目に見えない要素をどのように評価し、判断していくべきかについて、「認知バイアスの影響」や「本質を見抜く実践メソッド」について書かれています。気になった方はぜひ読んでみてください。
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『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』(小野 壮彦 著)
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(アービンジャー・インスティチュート 著、金森重樹 監修、冨永 星 訳)です。
人間関係の課題を紐解いていく本なのですが、度々読み返して自分の行いを正しています。組織における人間関係に悩んだ時に、すごく気づきを得られるので、人事やマネージャーにおすすめの書籍です。「自分の小さな箱から脱出する」というのがタイトルになっているのですが、人間関係が崩れる、不満を持つ起点というのは、相手の行為や発言に対する違和感や嫌悪感からです。その原因を探る際に、よく陥りがちなのが、その相手に目線を向けた課題解決の方法を考えることです。
ただ、もうその時点で、実は自分自身が「箱」に入っていると教えてくれるのがこの本です。この「箱」というのは、自分にバイアスをかけてしまったりする比喩表現で、実は自分の思考や行動に対する違和感を他人に転嫁してしまっているということです。自分がその箱から出ることを一歩目にしないと、人間関係は好転しない。自分の行動が起点で相手の反応を呼び起こしていないか、というように自分にまずは目線を向ける重要性を教えてくれた本です。
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『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(アービンジャー・インスティチュート 著、金森重樹 監修、冨永 星 訳)
『ルフィの仲間力 『ONE PIECE』流、周りの人を味方に変える法』(安田 雪 著)です。基本的に私はこの書籍の考えをもとに、人事の仕事に取り組んでいます。仲間に対する信頼やオープンマインドの重要性が書籍に示されているのですが、つまり、良いチームをつくる秘訣なんですね。組織って色んな人が集まっているじゃないですか。例えば、ゼロイチで考えるのは得意なんですが、仕組みの構築は苦手な人もいれば、仕組みの構築は得意でもゼロイチで考えるのが苦手な人もいる。だからこそ、自分はこれが不得意で、これが得意というのをお互い共有して、助け合う。そのように補完しながらうまくワークしていくと、5人のチームが倍の10人並みのパフォーマンスを発揮することもあるんです。チームラボに在籍していたときもそれを実践したことがあって、本当に良いチームが当時つくれたんですね。
そういう意味では、書籍を読んで自己開示の重要性や弱みをしっかり見せていく必要性を学びました。実際ルフィの海賊団を見ていると、強い個が集まっていますが、時に弱みをお互い見せながら結果的に良いチームになっていますよね。漫画を扱ったエピソードにはなりますが、組織やチームで動いていく上では、とても参考になる書籍です。
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『ルフィの仲間力 『ONE PIECE』流、周りの人を味方に変える法』(安田 雪 著)
「ダイバーシティ推進」の一環で社内向けセミナーやトークセッションを積極的に開催しているのですが、そこでアーティストのスプツニ子!さんに登壇いただく機会がありました。その際に、一冊の書籍を紹介いただきました。それが『多様性の科学』(マシュー・サイド 著)です。読まれている人も多いと思いますが。
女性活躍を考える際に、ついつい自分たち男性目線で考えてしまいがちなんですね。この本は色んな実例やデータをもとに、多様な視点を入れていく重要性というのを改めて思い知らされましたので、ダイバーシティに取り組む人事の方に推したい書籍です。
エピソードが1つありまして、女性社員の発案で、本社のフロアに「Mommy Room」という搾乳ができる施設をつくったんですね。当時、当行にはそのような施設がなく、育休から復帰した社員はトイレで搾乳を行っていたなんてことがあったようです。1on1の中で分かった話なのですが。不安や不便という女性社員からの声もあって、設置したのですが、これは女性目線でないとわからないわけです。安心して職場復帰して働ける環境の視点が足りていなかったわけですよ。女性が活躍できるような職場づくりの観点を男性が全て持てているかというとそうではないですしね。『多様性の科学』を読んでいて気づかされ、非常に勉強になりました。
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『多様性の科学』(マシュー・サイド 著)
『ゼロから考えるリーダーシップ』(髙橋 潔 著)です。リーダーシップは海外の事例が大体多いのですが、髙橋先生は日本人にどう適用させていくかという観点で、理論を嚙み砕きながらわかりやすく伝えています。当社のリーダーシップ研修でも社員におすすめの書籍として紹介していますので、ぜひリーダーシップ開発に悩まれている人事の方などに手に取ってほしい書籍です。
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『ゼロから考えるリーダーシップ』(髙橋 潔 著)
もう1つは、私の著書『仕事ができる人が習慣にしていること ハイパフォーマーが大切にする5つの力と52の習慣』(樋口 知比呂 著)です。ビジネスの現場で成果を上げ続ける「仕事ができる人」に共通する習慣や考え方を、私自身の経験と数多くの研究・調査・実例をもとに体系化した一冊です。日々の小さな行動が積み重なって大きな成果を生む――その原理を「思考力」「行動力」「人間力」「改善力」「継続力」という5つの力に整理し、実践的にまとめました。若手から経営層、そして管理職の部下指導まで幅広い層の方々に役立てていただける内容です。
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『仕事ができる人が習慣にしていること ハイパフォーマーが大切にする5つの力と52の習慣』(樋口 知比呂 著)