HR総研(ProFuture株式会社)が2026年1〜2月に実施した「社内コミュニケーションに関するアンケート」(有効回答239件)によると、自社において「コミュニケーションの課題がある」と答えた企業は大企業で64%、中小企業でも58%に上る。過半数の人事担当者が、自社のコミュニケーションに問題を感じているのが現実だ。本記事は、調査結果をダイジェストで紹介する。詳細データと考察はHRプロ本編レポートにて公開中、無料会員登録で全文閲覧が可能だ。
HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2026 結果レポート
最大の課題は「部門間」のコミュニケーション【図表3-2】
課題を感じる関係性として最も多く挙がったのが「部門間」だ。大企業69%、中堅企業71%、中小企業62%と、規模を問わず6〜7割の企業が部門間コミュニケーションを最大の課題と認識している。この傾向は2025年の同調査でも同様で、「構造的な課題」として毎年上位に挙がり続けている。本記事では、図表は割愛するがコミュニケーション不全が引き起こす業務障害としては「情報共有の迅速化」と「部門間・事業所間の連携」が上位に並んだ(詳細は本調査を参照)。
チームの動きが遅れるだけにとどまらず、モチベーション低下や離職リスクにまで波及する可能性も示されている。
【図表3-2:企業規模別/社内コミュニケーションに課題がある関係性】

コミュニケーションが「活発」な企業とそうでない企業は何が違うのか?【図表1-2】
社内コミュニケーションが「活発」と答えた企業では、従業員エンゲージメントが「高い」と答えた割合が49%。一方、「活発でない」企業ではわずか9%にとどまり、実に58ポイントの差がある。コミュニケーションの質がエンゲージメントに直結することを、数字がはっきり示している。活発な企業群のもう一つの特徴が「継続性」だ。活性化に向けた取り組みを5年以上続けている企業が43%に上るのに対し、活発でない企業群では「1年未満」が47%と半数近くを占める(図表などの詳細は本調査で確認できる)。社内コミュニケーションの改善は短期の施策で劇的に変わるものではなく、地道に積み上げていくものだとわかる。
【図表1-2:コミュニケーション状態別/エンゲージメントの高さ(58ポイント差)】

コミュニケーションが活発な企業は「部門の壁」も薄い【図表4-1】
社内コミュニケーションの状態は、部署横断のコラボレーションにも直接影響する。コミュニケーションが「活発」な企業群では、部署横断コラボレーションが「活発」(「非常に活発」+「ある程度は活発」の合計)と答えた割合が61%に上る。一方、「活発でない」企業群ではコラボレーションも「活発でない」が88%と約9割に達する。「部門の壁を壊す施策」より先に「社内全体のコミュニケーションの土台を整えること」が、根本的な解決に近い可能性がある。個別施策の前に、文化・習慣づくりを優先すべきだというメッセージが、データから静かに伝わってくる。
【図表4-1:社内コミュニケーション状態別/部署横断のコラボレーションの活発度】

ツールの「組み合わせ方」が鍵を握る【図表2-2】
コミュニケーション手段の使い方にも、活発な企業とそうでない企業の間には明確な差が出ている。活発な企業群では「対面」75%、「対面会議」74%に加え、「オンライン会議」67%、「チャットツール」66%と、複数の手段を組み合わせて日常的なやり取りを支えている。一方、活発でない企業群では同項目がいずれも4割台にとどまり、手段の活用自体が限定的だ。注目すべきはチャットとメールの逆転現象。活発な企業ではチャット(66%)がメール(59%)を上回るのに対し、そうでない企業ではメールが優位だ。リアルタイムな情報共有を支えるインフラの差が、コミュニケーション文化そのものを分けていると言えそうだ。
【図表2-2:コミュニケーション状態別/頻度の高いコミュニケーション手段】

1on1・部門連携、成功のカギとは。リモートワークと対面での出社で状況は変わるのか?
本調査の続きでは、部門連携や1on1施策の具体的な成功要因についても詳細なデータが公開されている。「何から手をつければいいか」「どの施策が実際に効いているのか」を探りたい人事担当者にとって、そのまま使える示唆が詰まっている。部門連携と1on1、それぞれの成功のカギをぜひ確かめてほしい。会員登録(無料)により全文レポートの閲覧が可能だ。自社のコミュニケーション施策の振り返りと、次の一手を考える際にぜひ活用してほしい。
