企業におけるウェルビーイング推進は、ここ数年で「一部の先進企業のテーマ」から「多くの企業が向き合う経営課題」へと着実に変化している。 HR総研が2025年10月に実施した「ウェルビーイングとAI時代の働き方に関するアンケート【ウェルビーイング編】」(有効回答215件)では、推進状況や目的、成果実感などの最新動向が明らかになった。 本ニュースでは、その中から「企業規模別の実施状況(図表1-3)」「推進の目的(図表2-1・2-2)」「成果と課題(図表6-1)」に焦点を当ててダイジェストで紹介する。
ウェルビーイング推進はなぜ広がるのか ――「働きがい」と「幸福感」を高める施策の現在地【HR総研調査・ダイジェスト版】

大企業で実施7割、中堅・中小も拡大【図表1-3】

ウェルビーイング実現に向けた取り組み状況を企業規模別に見ると、1,001名以上の大企業では「実施している」が67%と7割に迫り、「実施に向けて準備・検討中」も含めた「前向き企業」は91%に達している。 中堅企業・中小企業では実施率こそ27%・18%と大企業に比べて低いものの、「前向き企業」の割合はそれぞれ62%、54%と年々上昇しており、中堅企業では前回調査から14ポイント増と導入意欲の伸びが顕著である。 この結果から、ウェルビーイング推進は大企業が先行しつつも、中堅・中小企業でも段階的に取り組みが広がり、企業規模を問わず重要テーマ化しつつあることが読み取れる。

【図表1-3:「ウェルビーイング」の実現に向けた取組みの実施状況(企業規模別) 経年変化】

ウェルビーイング推進はなぜ広がるのか ――「働きがい」と「幸福感」を高める施策の現在地【HR総研調査・ダイジェスト版】

目的は「エンゲージメント」「モチベーション」「幸福感」【図表2‐1】

企業がウェルビーイング推進に取り組む目的として最も多いのは「社員のエンゲージメントの向上」で63%、次いで「社員のモチベーションの向上」が62%と、いずれも6割超となっている。 さらに「企業価値の向上」と「社員の幸福感の向上」もそれぞれ58%と高く、社員の主体的な働きがいと幸福感の向上を通じて、企業価値向上へとつなげたいという狙いがうかがえる。 健康管理にとどまらず、「幸福感」や「働きがい」までを包括的に扱う点が、従来の健康経営との違いとしても示されている。

【図表2‐1:ウェルビーイング推進の目的】

ウェルビーイング推進はなぜ広がるのか ――「働きがい」と「幸福感」を高める施策の現在地【HR総研調査・ダイジェスト版】

施策の中心は「健康経営」「働き方」「コミュニケーション」【図表2-2】

こうした目的を実現するための具体的施策としては、「健康経営の推進」が52%で最も多く、過半数の企業が社員の健康管理・生活習慣改善に注力している。 続いて「長時間労働の是正」「多様な働き方の推進」がいずれも50%、「社内コミュニケーション活性化」が48%と、働きやすい環境づくりや人間関係・情報共有の質向上に関わる施策が上位を占める。 心身の健康だけでなく、働き方や組織コミュニケーションを包括的に整えることで、身体・心理・社会のウェルビーイングを高めようとする傾向が見て取れる。

【図表2-2:ウェルビーイング実現に向けた実施施策】

ウェルビーイング推進はなぜ広がるのか ――「働きがい」と「幸福感」を高める施策の現在地【HR総研調査・ダイジェスト版】

成果実感の一方で、「浸透」と「経営層の理解」に課題も【図表6-1】

ウェルビーイング推進の成果として企業が挙げるものには、「社員のエンゲージメント向上」「モチベーション向上」「離職防止」「企業イメージ向上」などが含まれ、多くの企業で一定の効果が実感されている。 しかし同時に、「施策が十分に社内に浸透していない」「経営層・管理職の理解・コミットメントにばらつきがある」といった課題も浮き彫りになっている。 HR総研は、ウェルビーイングを一過性の施策に終わらせず、経営戦略・人材戦略と結び付けて推進するうえでは、「経営層の理解と関与」が不可欠であると指摘している。
ウェルビーイング推進はなぜ広がるのか ――「働きがい」と「幸福感」を高める施策の現在地【HR総研調査・ダイジェスト版】

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本ニュースで紹介したのは、「ウェルビーイング推進の広がり」と「目的・施策・成果」の一部である。 HRプロ本編のHR総研レポートでは、企業規模別やエンゲージメント水準別に見た傾向、経営層の関与度合い、AI・HRテック活用との関係など、さらに詳細な分析が掲載されている。 自社のウェルビーイング推進の現状を点検し、経営・人事・現場を巻き込んだ次の一手を検討するうえでも、ぜひ会員登録(無料)のうえ全文レポートを参照してほしい。

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