社内コミュニケーションに課題を感じつつも、どのような取組みがあるのか、どのような効果が得られるのかなどの疑問も多く、対策が後回しになっている企業も少なくないのではないだろうか。
HR総研では、社内コミュニケーションの実態を明らかにし、コミュニケーション促進のために効果がある施策は何かを探るアンケートを実施した。その結果を以下に報告する。

社内コミュニケーションが「活発」な企業は半数程度、エンゲージメントや継続期間との関係は?

まず、現在の社内コミュニケーションの状態について確認する。
その結果、いずれの企業規模でも「ある程度は活発」が最も多くなっている。企業規模別の傾向を見ると、「非常に活発」と「ある程度は活発」を合計した「活発」(以下同じ)とする割合は、従業員数1,001名以上の大企業で50%、301~1,000名の中堅企業で45%、300名以下の中小企業で41%となり、企業規模にかかわらず4~5割程度となっている。一方、「あまり活発でない」と「まったく活発でない」を合計した「活発でない」(以下同じ)の割合は、大企業で16%、中堅企業で20%、中小企業では32%となっており、企業規模が小さいほど社内コミュニケーションが活発でないと感じる割合が高い傾向が見られている。また、「どちらとも言えない」とする回答も3割前後に上っており、基本的には「活発」とする企業の方が「活発でない」より多いものの、必ずしも「活発」とまではいえない企業が多数派であることがうかがえる(図表1-1)。

【図表1-1】企業規模別 現在の社内コミュニケーションの状態

HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2026 結果レポート

次に、この社内コミュニケーションの状態を「活発」、「どちらともいえない」、「活発でない」の3段階に分け、これらの状態による従業員エンゲージメントの高さの違いを確認する。
その結果、社内コミュニケーションが「活発」とする企業群では、従業員エンゲージメントが「非常に高い」と「やや高い」を合計した「高い」(以下同じ)の割合が49%と半数近くに上っている。一方、「どちらとも言えない」とする企業群では16%、「活発でない」とする企業群ではわずか9%にとどまっている。逆に、エンゲージメントが「やや低い」と「非常に低い」を合計した「低い」(以下同じ)の割合を見ると、「活発でない」企業群では68%と7割近くに上り、「活発」とする企業群(10%)と比較すると58ポイントもの差で顕著に高い結果となっている(図表1-2)。
このように、社内コミュニケーションの状態と従業員エンゲージメントの高さには明確な関係が見られ、社内コミュニケーションが活発な企業ほど従業員エンゲージメントも高い傾向がうかがえる。

【図表1-2】社内コミュニケーション状態別 エンゲージメントの高さ

HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2026 結果レポート

さらに、社内コミュニケーション活性化に向けた取り組みの継続期間について、社内コミュニケーションの状態別に確認すると、社内コミュニケーションが「活発」とする企業群では、「10年以上」が28%と最も多く、「5年以上」(「5~8年未満」~「10年以上」の合計、以下同じ)の割合は43%と4割以上に上っている。一方、「どちらとも言えない」とする企業群では「1年未満」が32%と最多で、「5年以上」は23%にとどまっている。また、「活発でない」とする企業群では「1年未満」が47%と半数近くを占め、「5年以上」は15%と1割台にとどまる結果となっている(図表1-3)。
このことから、社内コミュニケーションが活発な企業ほど、活性化に向けた取り組みを長期的に継続している傾向が見られている。社内コミュニケーションの改善は短期間で効果が現れるものではなく、継続的な取り組みを通じて徐々に成果につながっていくことが示唆される。

【図表1-3】社内コミュニケーション状態別 活性化に向けた取り組みの継続期間

HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2026 結果レポート

社内コミュニケーションが活発な企業ほど、多様なコミュニケーション手段を活用

次に、社内コミュニケーションの状態と現在の出社率の関係について確認する。
出社率が「90%以上」と「100%(全員出社)」を合計した「高い出社率」(以下同じ)の割合について、社内コミュニケーションが「活発でない」とする企業群では42%で、他の企業群より高い傾向が見られている。なかでも「100%(全員出社)」の割合は「活発でない」企業群では32%と3割を超えており、他の企業群の2割未満に比べて顕著に高い割合であることが分かる。一方、「10%未満」や「0%(全員がフルリモートワーク)」を合計した「低い出社率」(以下同じ)の割合についても、「活発」とする企業群では11%であるのに対して「活発でない」企業群では25%と、こちらも顕著に高い割合となっている。
この結果から、社内コミュニケーションが活発な企業ほど、出社とリモートワークそれぞれに偏らず、適切なバランスを維持している傾向が見られる。出社による対面でのコミュニケーション機会の確保とともに、リモートワーク下でも活発にコミュニケーションを取りやすい環境整備が求められているのだろう(図表2-1)。

【図表2-1】社内コミュニケーション状態別 社員の「現在の出社率」

HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2026 結果レポート

次に、社内コミュニケーションの状態別に、頻度の高いコミュニケーション手段について確認する。

その結果、社内コミュニケーションが「活発」とする企業群では、「対面」が75%で最も高く、次いで「対面での会議・ミーティング」が74%となり、上位2つは7割以上に上る。さらに「オンライン会議ツール」が67%、「チャットツール」が66%などと7割近くとなっており、対面とオンライン双方の手段を幅広く活用していることが分かる。一方、社内コミュニケーションが「活発でない」とする企業群では、「対面」が66%と7割近くであるのに対し、「対面での会議・ミーティング」は53%、「オンライン会議ツール」は44%、「チャットツール」は42%と4割程度にとどまり、いずれも「活発」とする企業群より顕著に低い割合となっている。また、「チャットツール」に関しては、「活発」とする企業群では66%で「メール」(59%)より高い割合となっているのに対し、「どちらとも言えない」企業群および「活発でない」企業群では「メール」の方が「チャットツール」より高い割合となっている(図表2-2)。
このように、社内コミュニケーションが活発な企業ほど、対面での会話や会議だけでなく、オンライン会議ツールやチャットツールなども積極的に活用しており、複数のコミュニケーション手段を組み合わせながら、日常的な意思疎通を図っている様子がうかがえる。一方、社内コミュニケーションが活発でない企業では、対面・オンラインのいずれの手段についても利用割合が相対的に低く、コミュニケーション手段の活用自体が限定的となっている可能性がある。

【図表2-2】社内コミュニケーション状態別 頻度の高いコミュニケーション手段

HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2026 結果レポート

社内コミュニケーションに課題がある企業は半数以上、「部門間」が最大の課題

ここからは、社内コミュニケーションに関する自社の課題について確認する。
まず、社内コミュニケーションに課題の有無について企業規模別に見てみると、「大いにあると思う」と「ややあると思う」を合計した「課題がある」(以下同じ)の割合は、大企業で64%、中堅企業で47%、中小企業で58%となり、いずれの企業規模でも半数前後から6割以上の企業が社内コミュニケーションに課題があると認識していることが分かる。特に、大企業では「課題がある」が6割を超えており、組織規模の拡大に伴い社内コミュニケーションの難しさを感じている企業が多い様子がうかがえる。一方、「あまりないと思う」と「全くないと思う」を合計した「課題がない」(以下同じ)の割合は、大企業で11%、中堅企業で12%、中小企業で12%といずれの企業規模でも1割程度にとどまっている。社内コミュニケーションの課題については多くの企業が明確な評価を持ち、改善の余地を感じている状況がうかがえる(図表3-1)。

【図表3-1】企業規模別 社内コミュニケーションに課題の有無

HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2026 結果レポート

次に、社内コミュニケーションに課題がある関係性について、企業規模別に確認する。
その結果、いずれの企業規模でも最も割合が高いのは「部門間」で、大企業では69%、中堅企業では71%、中小企業でも62%と6~7割に上っている。「部門間」の課題は、2025年に実施した同調査においても最も多くの企業が課題を感じる関係性となっており、例年共通して上位に挙がる項目であることから、多くの企業にとって部門間のコミュニケーションが構造的な課題となっていることがうかがえる。これに次いで割合が高いのは「経営層と社員」で、大企業では49%、中堅企業では71%、中小企業では67%となっており、特に中堅・中小企業では、経営層と社員の間のコミュニケーションに課題を感じる割合が高い傾向が見られている。また、「事業所間」は大企業で44%と比較的高い割合となっており、事業所や拠点が多い企業ほど物理的距離によるコミュニケーション課題が生じやすい可能性がある。一方、「部署内のメンバー同士」や「部署内の上司と部下」など部署内の関係性についても3~4割程度の回答があり、組織内のさまざまな関係性でコミュニケーション課題が生じていることがうかがえる(図表3-2)。

【図表3-2】企業規模別 社内コミュニケーションに課題がある関係性

HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2026 結果レポート

さらに、社内コミュニケーション不全により最も解決したい業務障害について確認する。
企業規模別に見ると、大企業では「迅速な情報共有」が22%で最も高く、次いで「部門間・事業所間の連携」が16%、「部署内のチームビルディング」が11%などとなっている。中堅企業では「部門間・事業所間の連携」、「業務へのモチベーション維持向上」、「離職防止」が同率で17%と最多となり、次いで「情報共有」と「部署内のチームビルディング」がともに13%などとなっている。中小企業では大企業と同様に「迅速な情報共有」が16%で最も高く、次いで「部門間・事業所間の連携」と「目指す方向の統一」がともに12%などとなっている。
このように、社内コミュニケーションの課題が業務に及ぼす影響としては、企業規模に関わらず「情報共有」や「部門間連携」に関する課題が上位に挙がっており、組織内の情報伝達や部門間の協働が円滑に進まないことが主要な障害となるとともに、モチベーションの維持やリテンションにも悪影響を与え得ることがうかがえる。社内コミュニケーションの改善に向けては、単なるコミュニケーション機会の増加だけでなく、部署や組織の壁を越えた情報共有や連携をどのように促進していくかが重要な課題となっているといえるだろう(図表3-3)。

【図表3-3】企業規模別 最も解決したい社内コミュニケーション不全による業務障害

HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2026 結果レポート

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研】「社内コミュニケーション」に関するアンケート(2026年)
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2026年1月28日~2月6日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者・担当者
有効回答:239件

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