
ホップ・ステップ・ジャンプの3段階で、「OJT」と「OFF-JT」の効果的な循環を
まず、厚生労働省「働きがいのある職場づくりのための支援ハンドブック(以下、厚労省資料)」では、次のような『働きがい向上に必要な6つの取組』を掲げています。(1)働きがいの現状を確認する
(2)柔軟・多様・快適な労働環境を整備する
(3)仕事の意味や面白さを見出せるよう働きかける
(4)従業員と組織の方向性を一致させる
(5)納得感ある評価や処遇を導入する
(6)能力・キャリア開発を充実させる
今回は「(6)能力・キャリア開発を充実させる」を取り上げます。厚労省資料では「OJT」と「OFF-JT」との関係性について、次のように記載されています。
その他に、厚労省資料では「能力・キャリア開発を充実させる」取り組みとして、次のような取り組みを紹介しています。
●中長期的な視点でキャリアを充実させるための支援
●自発的に受講する教育プログラムや資格取得への金銭的補助、あるいは就業上の配慮
●中間管理職への研修(効果的なOJTやキャリア相談を実施するため)
●手あげ制度や社内公募制度の導入
ホップ:「OJT」で従業員の業務課題を共有する
厚労省資料で表現されている「困りごと」、「つまずき」が、対象となる従業員の業務課題といえます。業務課題を従業員と指導者とで共有し、指導者が適切にアドバイスすること(OJT)が大切です。「OJT」の場合、アドバイスすることへ意識が傾きがちですが、『業務課題を共有すること』への意識を高めていきましょう。アドバイスすることだけに意識が傾きすぎると、方法論ばかりに囚われすぎることにもなりかねず、従業員自らの力で解決することへ結びつきにくくなってしまいます。業務を適切に遂行する上でのアドバイスは当然必要ですが、まずは『業務課題を共有すること』を大事にして、「習得すべき知識は何か」、「向上すべき技術は何か」、「克服すべきことは何か」、「目標とすべきことは何か」といったことの共有を「OJT」で心がけていきましょう。
ステップ:「OFF-JT」で、課題への気づきを促進する
業務課題を明確にした上で、厚労省資料で表現されている「共通的な内容や、日々の業務のみで身につけることが難しい内容」について、研修(OFF-JT)で実施することになります。「OFF-JT」の場合、知識・技術を学ぶことが基本ですが、ぜひ『気づき』を大切にしていきましょう。業務を適切に遂行する上での知識・技術を身につけるための学びは当然必要ですが、学ぶという意識が強すぎると過度な義務感や受け身の姿勢にもつながり、従業員自らが課題を解決する主体性が生まれにくくなるおそれがあります。
「OFF-JT」により、「講師のどのような言葉が、心に響いたのか」、「受講者同士の会話で、何が刺激となったのか」といったこと。それが従業員の『気づき』です。『気づき』が生まれることにより、業務に対する従業員の好奇心・探究心を引き出すことにもつながり、それが従業員の主体性の源となっていきます。
ジャンプ:「更なるOJT」で、課題を自己解決できるように伴走する
従業員に『気づき』が生まれることで、「業務課題」だけでなく『気づき』を従業員と指導者が共有することができます。その場面が「更なるOJT」といえます。「更なるOJT」により、課題を “克服する” という視点から、課題に “挑戦する” という視点へと進化していきます。従業員の挑戦する姿勢を礎に、課題を自らの力で解決できるように伴走することが指導者の役割といえます。指導者の言葉により、更なる『気づき』が生まれることで、従業員は自主性が生まれ、能力・キャリアを自らの力で開発していきます。
その開発を体現した代表例が「自己啓発」ともいえます。自己啓発などを通じて、従業員同士が刺激し合える職場風土ができれば、互いの “働きがい” を引き出す効果も生まれていきます。
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