2025年10月17日、東京都人事委員会は、小池百合子知事と都議会に対して「令和7年度 職員の給与に関する報告と勧告」を提出しました。この中で、2025年度の都職員の月給については、平均1万3580円(3.24%)の引き上げを勧告しており、引き上げ額が3%を超えるのは平成3年度の3.70%以来、実に34年ぶりとのこと。併せて、行政職(大卒程度)の初任給も1万6500円引き上げて24万2000円としています。
この背景には、賃上げや初任給引き上げが続く民間との格差を是正し、人材確保につなげたい狙いがあるようです。民間のボーナスに相当する特別給についても、民間の支給割合が職員の年間支給月数を上回るとして、0.05カ月分引き上げて4.90カ月としています。過去の特別給の実績を見ると、バブルが完全に弾ける直前期には5.45カ月という年度もありましたし、さらにさかのぼると昭和49年(1974年)度には5.546カ月+6万6400円ということもあったようです。
なお、今回の公民比較に当たっては、国の見直し状況を踏まえて、比較対象となる都内の民間企業規模について、これまでの「50人以上」から「100人以上」への見直しを実施したようです。人事委員会の勧告はそのまま実施されるのが常であり、今回の引き上げ分は今年4月分以降の給与にさかのぼって適用されるとのこと。近年は、採用における公務員人気が低迷してきているほか、若年層の早期離職も増加傾向と言われていますので、公務員の採用においても待遇改善は喫緊の課題となっているようですね。

就活後半はほとんどの就活サイトで活用度低下
今回は、HR総研が就活口コミサイト「就活会議」と共同で、2026年卒業予定の同サイト会員学生を対象に実施した「2026年新卒学生の就職活動動向調査(6月)」(調査期間:2025年6月3~17日、有効回答:487件)の結果から、活用した就活サイトのほか、個別企業のセミナー・説明会参加や面接の状況などを紹介します。ぜひ参考にしてください。※以下、同調査結果の割合(%)は、小数点以下を四捨五入して整数で表示しています。
まず、2026年卒学生が就職活動で活用した就活サイト(複数回答)について、就職活動前半(2024年6月~2025年2月)と後半(2025年3~6月)に分けて確認してみます。
就職活動前半で活用した就活サイトの上位10サイトを文系・理系別に見ると、文系では「マイナビ」がトップで74%と、ほぼ4人のうち3人が活用しています[図表1]。
次いで、就活口コミサイトの「ONE CAREER」と「就活会議」がそれぞれ67%、66%と僅差で続きます。どちらも3人のうち2人が活用している割合になります。4位「OpenWork」(44%)、5位「リクナビ」(40%)と続きますが、3位とは20ポイント以上の開きがあります。ともに歴史のある総合型就職ナビである「マイナビ」「リクナビ」ですが、その活用度には34ポイントもの差がついており、かつて最盛期には9割以上の学生に活用されていた「リクナビ」が今や4割程度に低迷している実態を目の当たりにすると、時代が大きく変わったことを感じざるを得ません。また、逆求人サイトの「OfferBox」(31%)が6位にランクインするなど、さまざまなタイプの就活サイトが学生に活用されている様子がうかがえます。
一方、理系では、「就活会議」(67%)が「マイナビ」「ONE CAREER」(いずれも67%)を僅差で押さえてトップとなっています。これら3サイトは3人に2人が活用している割合となっており、4位以下を20ポイント以上引き離しています。理系では、「マイナビ」の活用度が文系と比べて7ポイントほど低くなっており、「ONE CAREER」と同率で並んでいます。
また、理系では、「LabBase」(34%)や「TECH OFFER」(26%)、「アカリク」(16%)といった、理系学生に特化した就活サイトの活用が進んでおり、上位10サイト中、これら3サイトがランクインしています。理系学生を採用する企業においては、理系学生特化型の就活サイトの利用は有効だといえるでしょう。
![[図表1]文理別 2024年6月~2025年2月に活用した就活サイトTOP10(複数回答)](https://img.hrpro.co.jp/images/tokushu/hr_tokushu_photo_4500_1_2E9VX2.png)
「リクナビ」も12ポイント低下し、28%と3割未満となっています。前半と比べてほぼすべてのサイトで学生の活用割合が低下していることから、2025年3月以降は既に内定を取得し、就職活動を実質的に終了した学生が少なくないことをうかがわせます。
理系ではこの傾向がより顕著に現れ、トップの「就活会議」が50%と半数であったものの、2位「ONE CAREER」、3位「マイナビ」ですら、それぞれ44%、40%と4割台に低下し、「リクナビ」は19%と2割にも満たない状況となっています。文系以上に、理系の就職活動が早く進捗(しんちょく)していることを如実に物語っています。
数年前までは、就職活動前半では従来からの総合型就職ナビが活用され、後半からは応募企業の選考状況の口コミ情報を目当てに口コミサイトが活用されるという構図がありました。しかし、就活サイトの活用方法自体に大きな変化が見られます。その一つが、口コミサイトに前年のエントリーシート情報などが掲載されるようになったため、以前より口コミサイトの活用が大きく前倒しされている点です。皆さんご承知おきのとおり、年々就職活動(採用活動)の前倒しが進んでいることから、内定取得時期がどんどん早くなってきています。その結果、政府主導の就活ルールで企業の説明会が解禁となる3月1日時点で、既に大半の学生が内定を取得しており、後半は就活サイトの利用が不要となる学生が続出しているというわけです。就職ナビのプレエントリー機能の解禁を3月1日にする意味はもはや皆無といってよいでしょう。
![[図表2]文理別 2025年3月~2025年6月に活用した就活サイトTOP10(複数回答)](https://img.hrpro.co.jp/images/tokushu/hr_tokushu_photo_4500_2_54A9BU.png)