2025年6月13日の年金制度改正法の成立で確定した「社会保険のさらなる適用拡大」。経営者及び人事部門の皆さんにとっては、頭の痛い経営課題がまたひとつ増えたといえるのではないだろうか。このような企業環境の変化を踏まえ、前回のコラムでは社会保険の加入対象の拡大における「賃金要件の撤廃」の仕組みを解説した。今回は「企業規模要件の撤廃」について見ていこう。

【社会保険がさらなる適用拡大へ:2】「年金制度改正法」による“企業規模要件の撤廃”で小規模企業のパートにまで加入義務が

10年かけて完全撤廃される「企業規模要件」で小規模企業も社会保険加入の対象に

短時間労働者が厚生年金などに加入を義務付けられる制度は、歴史が比較的浅い。初めて設けられたのは、今から10年ほど前の2016年10月1日。当時は「被保険者数501人以上」の民間企業などを対象に、その他の要件も充足すると加入が強制される仕組みであった。

このように被保険者数を基準とする加入要件を「企業規模要件」と呼ぶ。また、ここでいう被保険者数とは、具体的には厚生年金の被保険者数を意味している。

その後、短時間労働者の「企業規模要件」は6年後の2022年10月1日から「被保険者数101 人以上」の企業に、さらに2年後の2024年10月1日からは「被保険者数51 人以上」の企業に拡大され、現在に至っている。つまり、制度創設後は2度の改正によって、より小規模な企業の短時間労働者にまで社会保険加入の網が拡大されてきたわけだ。
【短時間労働者の社会保険加入】これまでの「企業希望要件」の変遷

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