日常の中で、無意識に相手を不快に思わせてしまうことは誰にでも起こりうるものです。そのことに気が付けば改善できるのですが、改善できなければ相手に深い傷を負わせることにもなりかねません。このような “アンコンシャス・バイアス” に陥らないために、自分自身とどのように向き合っていけばよいのか。 “触れる” をキーワードに、そのポイントを解説します。

「自分の価値観」に惑わされない。アンコンシャス・バイアスに陥らないための内省のポイントと3つの “触れる” アプローチ

自分に問いかけるため、たくさんの “触れる” がポイントに

政府広報オンライン「誰にでもありうる無意識の思い込み “アンコンシャス・バイアス” 」では、次のように、アンコンシャス・バイアスを減らす3つのポイントを掲げています。

(1)「べき」「普通は…」に注意!
(2)相手の「サイン」を見逃さない
(3)常に自分に問いかける


今回は “(3)常に自分に問いかける” について取り上げます。その内容について、政府広報オンラインでは、次のように掲載されています。

先にも説明したとおり、アンコンシャス・バイアスを完全に払拭するのは難しいです。だからこそ、常に自身の言動を振り返り、問いかけることが大切です。違和感のあったことをメモしていけば、自分の考え方や物の見方の傾向がつかめるかもしれません。

“常に自分に問いかける” ためには、自分自身に向き合うこと、つまりは内省することが必要です。しかし、自分自身の価値観に頼っただけでは、問いかけ自体 “アンコンシャス・バイアス” に基づいた内省となってしまいます。自分自身の価値観を刺激すること、何かに “触れる” ことで、自らが俯瞰的な立場で内省することへつながります。

ここからは、3つの “触れる” について解説します。

たくさんの “社会課題” に触れる

まずは、現在、社会ではどのようなことがニュースとなっているのか、何が問題となっているかに触れましょう。留意すべきは、自らの専門分野の社会課題だけではなく、たくさんの分野の社会課題に触れることです。

例えば、こどもに関わる仕事に就いていたとします。その場合、こどもの社会課題だけに関心を持ってしまうと、こども分野の視点だけになってしまいます。そのような思考が日常化すると “アンコンシャス・バイアス” へ陥りやすくなります。

保育・教育だけでなく、環境・経済・社会保険・高齢化など、すべての社会課題は、こどもの今だけでなく、将来にもつながります。それは、こどもに限ったことではなく、すべての社会課題は、すべての分野につながっているのです。

専門分野に偏るだけでなく、たくさんの “社会課題” に触れていきましょう。

たくさんの “人” に触れる

次に、特定の人だけでなく、人間関係を拡げましょう。留意すべきは、気の合う人だけに触れるのではなく、違う価値観を持っているたくさんの人に触れることです。

例えば、気の合う人とだけ仕事をしていたとします。一緒に働くことでストレスが軽減され、仕事も効率的に進むかもしれません。また、共通の話題で、日常会話も弾むかもしれません。しかし、そのような場面が日常化すると “アンコンシャス・バイアス” へ陥りやすくなります。

気の合う人との価値観で占められてしまえばしまうほど、違う価値観を受け入れることが難しくなります。気の合う人との当たり前が、違う価値観の人の当たり前とは限らないからです。

仕事の場面だけに限らず、普段からたくさんの “人” に会い、たくさんの価値観に触れていきましょう。

たくさんの “仕事” に触れる

そして、自らの仕事だけに価値を見出すのではなく、さまざまな仕事の価値を尊重しましょう。留意すべきは、自らの仕事の責務を果たすだけでなく、他者の仕事への尊重を失わないよう、たくさんの仕事に触れることです。

例えば、営業の仕事をしていたとします。常に成果に追われ、東奔西走する中で、他部署から締め切りを迫られると不快に感じることもあるかもしれません。不快に感じることは感情ですので、無理に抑え込むことではありません。

しかし、その感情を他部署へ向けてしまうと、「他部署にいるような人は、営業などできない」等のような “アンコンシャス・バイアス” へ陥りやすくなります。営業の仕事であれば、労務・簿記等を学ぶことで、他部署の仕事を知ることにもつながります。

自らの仕事だけでなく、他者の仕事に関心を抱き、たくさんの “仕事” に触れていきましょう。



このような “触れる” という考えは、一人ひとりの従業員の意識高揚だけでなく、従業員研修・人事異動などの会社の仕組みによって構築するともできます。 “アンコンシャス・バイアス” が少しでも軽減できれば、それは “すべての人たちが働きやすい環境” へとつながっていきます。
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