「組織改善だけでは、離職防止にならないのでは…」 個人のエンゲージメントを高める行動特性=ジョブ・クラフティングに着目。

近年、組織の離職率や企業業績に影響する要素として“エンゲージメント”が世界的にも注目を集めている。我が国に
おいても、経済産業省が推進する健康経営優良法人認定制度の選定・認定基準において、エンゲージメントサーベ
イが、推奨する取組事例として挙げられている。

“エンゲージメント”は、さまざまに定義されているが、共通して「仕事に関連するポジティブで充実した心理状態」を表す。従業員のエンゲージメントが高い状態であると、企業業績や生産性の向上、延いてはストレス状態の改善にもつながると考えられており、人材マネジメントの重要なカギとして、多くの企業がエンゲージメントに注目している。

これまでのエンゲージメントサーベイでは、サーベイ実施後、従業員のエンゲージメント状態が高いか低いか、その要因は何か、組織ごとに問題点を抽出し組織改善に役立てるのが一般的であった。この一連の取り組みはもちろん有効ではあるが、20 年以上アセスメントツールを開発してきたヒューマネージでは、「エンゲージメントを高めるには、組織改善のアプローチしかないのか?」「組織開発のみならず、人材開発を通じて、個々人のエンゲージメント特性を高めることはできないのか」という議論があった。ヒューマネージは、2010 年に、業界で初めて、個々人のジョブ・エンゲージメントタイプに着目したエンゲージメント適性検査『T4』をリリースした後も、同社の顧問である川上 真史氏(ビジネス・ブレークスルー大学大学院 教授)、種市 康太郎氏(桜美林大学 リベラルアーツ学群 領域長(人文)、教授(臨床心理学))らと共同で、個人のエンゲージメント開発に関する調査研究を続け、その結果、 個人が「自らの仕事を面白くする」特性である“ジョブ・クラフティング”に着目、その尺度の開発に成功し、このたび、業界初、“ジョブ・クラフティング”を科学的に測定することができるエンゲージメントサーベイ『Qraft』の開発に至った。

“自ら創意工夫をすること”が、個人のエンゲージメントを向上させる。
「働く人」と「組織」が、ともにエンゲージメントを高めあう組織へ
ヒューマネージの研究では、 “ジョブ・クラフティング”の高い人材ほど、ストレス状態が良好となり、エンゲージメント状態も高まることが判明している。また、“ジョブ・クラフティング”は行動特性であるため、個人によって開発が可能であることも明らかになっている。

従来のエンゲージメントサーベイでは、従業員のエンゲージメント状態に加え、組織資源、組織風土という組織特性を測定するものが主であった。ヒューマネージがリリースする『Qraft』では、これら組織特性に加え、“ジョブ・クラフティング”という個人の行動特性と、個人がエンゲージしやすい仕事のタイプ(ジョブ・エンゲージメントタイプ)も測定。組織として取り組むべき課題が明らかになると同時に、一人ひとりのエンゲージメントを高めるカギがわかるものとなっており、「個人」と「組織」のそれぞれが、エンゲージメントの向上に取り組み、高め合う組織づくりにつながる。


ヒューマネージでは、これまで、成果創出能力である“コンピテンシー”、ストレス対処力である“コーピング”を業界で初めて人材採用領域に導入し、未来の人材マネジメントに必要な概念として浸透させてきた。ヒューマネージは“ジョブ・クラフティング”を“コンピテンシー”“コーピング”に続く第 3 の概念として世の中に発信し、人材の「定着」、その先の「活躍」を支援していく。

エンゲージメントサーベイ『Qraft』 概要
受検料:2,000 円/名(ボリュームディスカウントあり。初期導入費あり)
受検方式:WEB 方式、マークシート方式

監修者:
川上 真史氏(ビジネス・ブレークスルー大学 経営学部 専任教授。専門:産業心理学、社会科学。産業能率大学総
合研究所研究員、ヘイ・コンサルティンググループ・コンサルタント、タワーズワトソン・ディレクターを経て、現職。数多くの大手企業の人材マネジメント戦略、人事制度改革のコンサルテングに従事。)

種市康太郎氏(桜美林大学 リベラルアーツ学群 領域長 教授。専門:臨床心理学、産業精神保健、産業ストレス研
究。企業従業員のメンタルヘルス対策が専門であり、ストレス調査については 20 年以上前から各企業での調査・個
人面接・集団分析結果の報告・結果に基づく研修を実施。第 27 回日本産業ストレス学会において「奨励賞」を受
賞。)