~“早期からの働きかけ”“多彩な人材の採用”を期待するも、 “採用担当者の業務負荷増大”“内定承諾後辞退”に大きな懸念~

「通年採用」を実施している、または実施予定の企業は、既に 1 割超。
特に、就職人気企業では、「通年採用」の実施率が高い。
2018 年秋の経団連会長の会見に端を発した、いわゆる就活スケジュールの廃止をめぐる一連の動きから、「通年採
用」というキーワードが注目を集めている。「通年採用」について、来る 2021 年卒の新卒採用ではどうなるか、企業の
採用担当者向けにアンケート調査を実施したところ、以下の結果が得られた。
新卒採用で「通年採用」を実施している企業、実施する予定の企業を合わせると、13.3%と既に 1 割を超えている。
これに、検討中の企業を合わせると 49.3%となり、約半数の企業が「通年採用」に前向きな姿勢を見せている。

「通年採用」拡大に期待する効果を訊くと、以下の結果となった。“早期から学生に働きかけができる(認知向上の施
策含む)”(37.1%)がトップ。“留学生、既卒生など多彩な人材を採用できる”(25.2%)をおさえて、“メリットは感じていない”(29.9%)が第 2 位に入っていることが目を引く。

「通年採用」拡大に感じている懸念を訊くと、以下の結果となった。4分の 3以上が“採用担当者の業務負荷が増える”
ことを挙げ(75.3%)、“内定辞退/内定承諾後辞退が増える”が続く(66.2%)。「通年採用」が拡大すると、複数年の入
社年度の学生に対する働きかけを並行して行なわなければならず、採用担当者の業務負荷は増える。また、人気企業が通年で採用活動を行なっている状況では、学生の入社意思がいつまでも固まらず、
内定辞退/内定承諾後辞退が増えることが予想される。
この 2 点が、多くの企業の懸念となっている。なお、“学生の学業に支障が出る”を挙げる
企業も 3 割を超えた(31.3%)。
特に、応募人数の多いいわゆる“就職人気企業”では、「通年採用」に前向きな企業が多い。既に実施している企業、実施する予定の企業を合わせると 34.2%。検討中の企業を合わせると 6 割を超える。