株式会社リクルートマネジメントソリューションズは2026年6月22日、「新入社員意識調査2026」の結果と分析を発表した。本記事は同日開催された発表会の内容をもとにお届けする。調査は今年4月に入社した26卒の新入社員を対象に2種類実施されており、調査1は公開型新入社員導入研修の受講者683名(平均年齢22.5歳、大卒以上77.6%、300名未満企業比率67.1%)、調査2はインハウス型新入社員導入研修「F-BT」の受講者3,041名(5,000名以上企業比率41.5%)を対象としている。規模の異なる企業に属する新入社員の意識をあわせて把握できる点が今回の特徴だ。

結果では、「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」を大切にしたいと答えた割合が34.3%と調査開始以来の最高値を記録した一方、「何があってもあきらめずにやりきること」は13.3%と過去最低となった。挑戦意欲は高まりながらも、粘り強さは相対的に薄れるという相反する傾向が同時に浮かび上がった。今年4月に入社した社員について、自社ではどのような傾向があっただろうか。

【26卒入社】「挑戦」は過去最高、粘り強さは過去最低。新入社員の意識調査に見える成長志向の変化

3人に1人が回答した「挑戦意欲」は過去最高。他方「粘り強さ」は過去最低に

「働いていくうえで大切にしたいこと」で最も多かったのは、「社会人としてのルール・マナーを身につけること」(53.6%)だった。この項目は3年連続でトップとなっており、新入社員がまず土台となる行動規範を重視していることがうかがえる。一方で、「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」(34.3%)は過去最高となり、変化に向き合いながら経験を積もうとする意識の広がりが見える。

その一方で、「周囲(職場・顧客)との良好な関係を築くこと」(32.9%)や「何があってもあきらめずにやりきること」(13.3%)は調査開始以来の最低値となっており、挑戦意欲の高まりと引き換えに、粘り強さや対人関係の維持への意識は相対的に低下している可能性がある。挑戦を奨励するだけでなく、実践後のフォローの重要性が示唆される結果といえる。
【26卒入社】「挑戦」は過去最高、粘り強さは過去最低。新入社員の意識調査に見える成長志向の変化

基本行動は不変、AI時代ゆえか「創造」の上昇率に注目


新入社員時代に身につけるべきこととしては、「社会人としての基本行動(報告・連絡・相談、PDCAなど)」が52.1%で過半数を占めた。「業務に必要な専門知識やスキル」は4.5%、「セルフコントロール力(体調管理、モチベーション維持など)」は3.1%にとどまり、報連相やPDCAといった基礎的な行動様式が変わらず重視されている。
【26卒入社】「挑戦」は過去最高、粘り強さは過去最低。新入社員の意識調査に見える成長志向の変化
今回の発表会では、働く意欲(モチベーション)の源泉として「成長」が突出している一方、「創造」の上昇率が最大となっていることも注目点として示された。AIの台頭により「自分にしかできないこと」への意識が芽生えている可能性があり、育成においても創造性や主体的な発想を引き出す関わり方が重要になりそうだ。
【26卒入社】「挑戦」は過去最高、粘り強さは過去最低。新入社員の意識調査に見える成長志向の変化

不安は「仕事についていけるか」、経済的不安は低下

仕事・職場生活をするうえでの不安では、「仕事についていけるか」が64.6%で例年同様トップだった。次いで「上司とうまくやっていけるか」(42.9%)、「先輩・同僚とうまくやっていけるか」(36.8%)が続き、仕事内容と人間関係の両面に不安を抱えている様子が分かる。一方で「十分な収入が得られるか」(8.1%)や「雇用が継続されるか」(2.7%)は低く、経済面よりも成長面の不安が前面に出ている。

発表会では、この背景として初任給の引き上げや転職市場の活況により収入・雇用の不安が相対的に和らいでいる一方、AIの急速な進化を背景に「自分の能力が通用するのか」という焦りが強まっているとの分析が示された。「今の仕事が次にどう役立つか」を説明することが、若手の不安解消と意欲維持の鍵になるという。
【26卒入社】「挑戦」は過去最高、粘り強さは過去最低。新入社員の意識調査に見える成長志向の変化
発表会の結論として示されたのは、「安心と成長が両立する支援設計」の必要性だ。26卒の新入社員は「挑戦したい」という意欲を持ちながら、「仕事についていけるか」という不安を同時に抱えている。上司への期待では「一人一人に丁寧に指導する」が初めてトップとなり、「言うべきことは厳しく指導する」も3年連続で上昇しており、丁寧さと的確なフィードバックの両立が求められている。

育成の実務では、上司任せのOJTから脱却し、職場全体で新入社員を育てる「職場ぐるみの育成」や、アセスメントツールを活用した個別対応が有効とされた。配属直後のOJTや1on1の内容を振り返り、今年の新入社員の様子と照らし合わせてみてほしい。挑戦意欲を活かすも殺すも、受け入れ側の設計次第だ。

出典:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「新入社員意識調査2026」(2026年6月22日発表)

HRプロ会員なら、会員限定の記事や『HR総研』調査報告/そのほか多数のコンテンツが無料で利用可能!
<<メールアドレスだけの無料会員登録をする>>

この記事にリアクションをお願いします!