本記事では、HRプロ編集部が、HR総研が実施した「2025年度新入社員のエンゲージメント合同調査」(入社約1年が経過した新入社員844名対象)の結果から、若手社員のリアルな心理と「この会社で働き続けたい」と思える組織の条件をダイジェストでまとめた。企業規模別・業種別の詳細データや、残留意図をキャリア段階別に分析した考察など、より深い洞察はHRプロ本編レポートで公開中だ。
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満足度と定着意欲は比例しない? ドライなキャリア観【図表3-1】
調査結果の中でまず注目すべきは、会社や仕事に対する「満足度」と、「この会社に留まりたい」という「残留意図」の間に見られるギャップである。データを見ると、「結果変数」6項目の中で最も高いのは「満足度」(3.85)。会社や上司、仕事全般に対する満足度は高い水準にある。一方で、最もスコアが低かったのは「残留意図(定着意欲)」(3.29)だった。今の環境や仕事には満足しているが、将来的な転職の可能性は常に視野に入れている。そんな姿が浮かび上がる。「不満がないから定着するだろう」という従来の考え方は、もはや通用しない。
なお本編では、この「残留意図」の個人差が他項目より大きいことや、企業規模・業種別の詳しい比較データも公開されている。自社の立ち位置を数値で確認したい方は、ぜひ本編を参照してほしい。
【図表3-1:「結果変数」項目別スコアの平均値】

定着のエンジンとネック、両者を分けるもの【図表6-2】
では、どうすれば彼らの定着意欲を高められるのか。データ分析から、会社全体への愛着(組織エンゲージメント)を後押しする要因と、逆に足を引っ張る要因の両方が明らかになった。エンジンとなっているのが「会社からの支援」と、職場内の「信頼・互恵」である。「信頼・互恵」とは、要するに困ったときにはお互いに助け合える(互恵)、自分の貢献が周囲から認められ、安心して背中を預けられる(信頼)という、血の通った関係性を指す。今の若手はドライだから人間関係もあっさりしている方がいいのでは、と思うかもしれないが、データが示す現実は逆だ。将来のキャリアにシビアな目線を持つZ世代だからこそ、いざという時に自分を守ってくれる「会社からの配慮」や「職場での助け合い」を、組織に留まるための重要な拠り所として評価しているのだ。
一方、足かせ(ネック)となっているのが「処遇(給与や待遇)」への納得感の低さだ。しかし、上司による日常的な対話を通じた「仕事の意義付け」がこのネックを補う鍵になることも分かっている。処遇への不満があっても、自分の仕事の社会的意義や会社への貢献度を深く理解できている層は、エンゲージメントの低下が抑えられる傾向が見て取れるのだ。予算や大掛かりな制度改革がなくても、日々の声かけや助け合えるチームづくりから、定着の好循環は生み出せる。
【図表6-2:組織エンゲージメント向上へのエンジンとネック】

自社のマネジメントを点検するためのヒントに
各要因が組織エンゲージメントにどれほど影響するのか、その優先順位や重回帰分析の詳細は本編レポートで確認できる。HR総研:2025年度新入社員のエンゲージメント合同調査 結果レポート~満足していても留まるとは限らない、新入社員定着のためのポイントとは?~
ここで紹介したのは調査結果のほんの一部だ。本編レポートでは、企業規模別・業種別の詳細な傾向、残留意図とキャリア年数の関係、重回帰分析による各要因の影響度など、自社の若手定着施策に直結する分析が満載されている。特に、規定要因からエンゲージメント、残留意図へとつながる相関関係を可視化した図解や、企業規模・業種ごとの数値比較は、自社の現状を客観的に把握するうえで参考になるはずだ。若手定着施策のアップデートを検討している人事担当者は、ぜひ本編で全データを確認してほしい。
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【調査概要】
アンケート名称:【HR総研】2025年度新入社員のエンゲージメント合同調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2026年2月3日~27日
調査方法:参加申込した企業の新入社員が、各企業専用URLから『エンゲージメントコンパス』にアクセスして回答
調査対象:参加申込した企業に2025年4月より新卒入社された新入社員の方
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