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管理職就任前に感じる「壁」、ロールモデルとの接点にも課題
森永製菓が2025年5月29日~6月13日に正規従業員を対象として実施した社内アンケートでは、キャリア意識や将来展望、昇格意欲について年代や性別による違いが見られたという。特に管理職就任前では、女性は男性と比べて管理職へのハードルを高く認識する傾向が確認されている。一方、就任後の管理職継続意欲については男女差が見られず、職務にやりがいを感じ、前向きに捉える様子もうかがえたとのことだ。また、20代では昇進・昇格意欲に大きな男女差がないものの、30代以降になると「管理職になることをあきらめた経験」がある割合は女性のほうが高い傾向にあったといい、その背景として「家庭との両立への不安」や「ロールモデルの不在」が挙げられている。加えて、30~40代の女性は男性と比べ、キャリアについて相談・対話できる機会や、多様なロールモデルとの接点を求める傾向も強かったようだ。
こうした課題認識を踏まえ、森永製菓とエスエス製薬は、社内外それぞれの視点からキャリア形成を支援するメンタリングプログラムを開始。企業の枠を越えた対話によって自身の可能性を広げる「クロスメンタリング」と、自分らしいキャリアの解像度を高める「社内メンタリング」を組み合わせるとしている。

「Gempower PROGRAM」の一環として、企業の枠を越えた対話へ
森永製菓は2026年1月より、ジェンダー平等の実現を目指し、性別にかかわらず誰もが自分らしく目標を描き、挑戦し続けられる組織風土の醸成に向けた「Gempower PROGRAM」を推進している。今回のメンタリングも、その取り組みの一環となる。森永製菓・経営戦略部ダイバーシティ推進室の西澤美保氏は、同社がD&Iの推進を経営戦略の中心に位置づけ、「一人ひとりの個を活かす」というD&Iポリシーのもとで取り組んでいると説明。また今回のプログラムにおける期待として、社外メンターとの対話を通じて新たな視点や価値観に触れて自身の可能性を広げることに加え、社内メンターとの対話によって実際のキャリアや経験にも触れ、自分らしい挑戦をより具体的に描く機会になることを望んでいるという。
社内だけでは接点を持ちにくい異なる企業やバックグラウンドを持つ人材との対話と、自社の実情を踏まえた対話を組み合わせることが、今回の施策のポイントと言えそうだ。
「クロスメンタリング」と「社内メンタリング」を組み合わせて実施
今回のプログラムは、「クロスメンタリング」と「社内メンタリング」の2つを並行して実施される。クロスメンタリングのテーマは、「自分のキャリアの“可能性”を拡張する」。森永製菓のメンティ6名と、エスエス製薬で管理職を務めるメンター6名が参加し、企業の枠を越えた対話を行うという。
一方、森永製菓内で行う社内メンタリングのテーマは、「自分らしいキャリアの“解像度”を高める」。メンティ8名、メンター8名が参加する。

前半では「BeliEVE PROJECT」や森永製菓のD&I施策、今回のプログラムの意義について説明したほか、メンタリングの心構えやトークテーマに応じた具体的な会話スキルを学んだようだ。また、後半ではメンターとメンティが顔合わせを行い、今後の目標や期待について共有したという。
今後は約6ヵ月にわたって月1回、全6回のメンタリングを実施。プログラムには、メンタリング支援の知見を持つ株式会社Mentor Forの監修のもと開発された「BeliEVE Mentoring Program」を活用する予定だ。

参加者からは「異なる視点を刺激に」との声
キックオフワークショップに参加した人からは、企業や立場の異なる相手と対話することへの期待を示す声が寄せられた。参加者の一人は、「お互いの業務内容や背景を把握した上で対話を進められたため、より実践的で深みのあるメンタリングが期待できると感じる」とコメント。また、「仕事や家族など大切にしたい軸において共感できる点が多くあった一方、異なる視点も確認できた。それぞれの違いを刺激に変え、相互に良い影響を与え合えればと思う」との声もあったようだ。
さらに、「共通点と全く異なる個性を互いに共有し、違いがあるからこそどのように支え合えるかについて、実りある意見交換ができた」とする参加者もいたという。
共通点を見つけるだけでなく、異なる経験や価値観そのものを対話の材料にしていることが、参加者のコメントからもうかがえる。

D&I施策を社内だけで完結させない、企業間連携という選択肢
今回の取り組みで注目されるのは、女性従業員のキャリア形成支援を、自社内だけで完結させていない点だ。森永製菓では、まず社内アンケートによって、管理職を目指す上での心理的なハードルやロールモデルとの接点、キャリア対話の機会といった課題を把握。そのうえで、社外メンターとのクロスメンタリングと社内メンタリングを組み合わせた。
社外との対話では、異なる環境や価値観に触れることで自身のキャリアの「可能性」を広げる。一方、社内での対話では、自社で働く人のリアルな経験に触れながら、自分らしいキャリアの「解像度」を高める。双方を組み合わせることで、視野を広げることと、自社でのキャリアを具体的に考えることの両面を支援する設計となっている。
出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP710968_X00C26A8000000/
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