今回は、なぜコクヨが人事領域のサービスに踏み出したのか?その中身と効果は?など気になるポイントを『TEAMUS』の事業構想・構築に携わった同社グローバルワークプレイス事業本部の小野 公輔氏と酒井 希望氏に伺いました。(以下:敬称略)
【出演者プロフィール】

■小野 公輔氏
1997年、新卒でコクヨに入社。ファニチャー事業の法人営業を中心に従事し、2015年よりコーポレート領域のキャリアを重ねる。HRBPタスクフォース、HR部長、ヒューマン&カルチャー本部 本部長を歴任。 2022年よりグローバルワークプレイス事業本部に異動し、現職。コクヨを支える事業部門を牽引している。
コクヨ株式会社
グローバルワークプレイス事業本部 執行役員 副事業本部長

■酒井 希望氏
2006年、新卒でコクヨに入社。営業を経て、その後約20年新規事業に携わる。これまでBCP、リスクマネジメント、コロナをきっかけにしたハイブリッドワーク、人的資本の課題など、さまざまな新規事業や新規プロジェクトに携わり、事業化を成功させる。現在はグローバルワークプレイス事業本部HRCAソリューション部の責任者として活躍。
コクヨ株式会社
グローバルワークプレイス事業本部HRCAソリューション部 部長

チームが一体となり、当事者意識を持って課題解決に挑む
そのキッカケを生む『TEAMUS(チームアス)』
--コクヨでは2025年5月1日より「チームのチカラを引き出し組織の成長を支援するソリューション」と銘打った新サービス『TEAMUS』の提供をスタートさせました。そもそも何がきっかけでHR関連事業へ参入することになったのでしょうか。小野 創業から120年、コクヨは『キャンパスノート』などの文具、オフィスの設計・家具、工事サービスといった領域で皆様の生活や働く現場を支えてきました。しかし世の中の変化が激しい時代にあって、これからさらに100年、必要とされる会社であり続けるには自分たちも変化しなければなりません。社会にどう貢献したいのか、どんな会社になりたいのか、ビジネスをどうトランスフォームしていかなければならないのか……、といった議論が社内で始まりました。

小野 現在の部署に来る前、私は「会社組織と人の関係性をどう作っていくのか」をテーマとする人事系のタスクフォースに参加していました。そこで感じたのは、組織が抱えている課題に対して当事者意識を持ち、その解決をモチベーションとして働くようになれば、仕事は面白くなり、イノベーションも起こるということでした。
つまり組織側の仕掛けとしては、個々の当事者意識をどう引き出すかが大切。そういう気づきを織り込むことも含めて働く環境作りのお手伝いができれば、人事領域で面白い価値を提供できるのではないか。それが『TEAMUS』の起点だったのです。
--『TEAMUS』は名前の通り“チーム”にフォーカスを当てたソリューションとのことですが、そのあらまし、サービスの中身を教えてください。
小野 サーベイと、サーベイの結果をもとに「どんな手を打つか」を現場のチームリーダーやメンバー自身が考えて実践に移す際のアフターフォローからなるチームの成長を支えるソリューションです。
酒井 サーベイの作りとしては、チームメンバー個々が答える形ではあるものの、たとえば「現在のチームは仲間と連携しつつそれぞれ自律的に動くことができていますか?」など、個人ではなくチームの状況に対する問いを徹底して投げかける内容になっています。結果レポートでもチームの状態が可視化され、リーダーを含むチーム全員に対してスコアの読み取り方などを説明することにしています。
というのも、リーダーからメンバーに結果をフィードバックする形式には難しさがあります。伝え方を間違えると、メンバーとの間に溝を広げてしまうのではないか、良いスコアだったとしても、それをリーダーの立場で伝えることが“仲良し感”を演出しているように思われるのではないか、といった難しさです。
大切なのは、チーム全員がサーベイ結果をもとに共通の認識を抱き、これからの行動を考えること。たとえば「コミュニケーションが不足している」という結果が出たとして、それは「リーダーとメンバーとの間でキャリアについての会話が足りていない」のか、「チームの外の人と話すことが重要」なのか、さまざまなパターンがあり得ます。議論を経てチームの目線を統一しないと、いいアウトプットは得られません。私たちのような第三者が結果を開示し、チームの良いところ、悪いところ、今後について、リーダーとメンバーが一緒になって議論していくことが必要だと思うのです。

--スコアの良し悪しより、何を考え、どう行動するかに重きを置き、それをサポートするためのソリューションというわけですね。
酒井 サーベイのスコアは優劣ではなく、チームのコンディションを示すものと考えていただければと思います。何かにトライしなければならない時期には、ある種の設問のスコアが低く出ることもあるでしょう。いわば飛躍に備えてしゃがんでいる状態。それをリーダーやチームメンバーが理解しているなら、スコアが低くても決して悪いことではありません。
そうして現状と課題を認識していただいた上で「じゃあどうするか」と考え、行動に移す。その場面をサポートするために、リーダー向けの1on1やコーチング、ワークショップなど、さまざまなメニューのアフターフォローを提供させていただくことになります。
ただ『TEAMUS』が目指しているのはお客様による自律自走。コクヨが常に介在しなくても回っていくようなアフターフォローを考えています。
小野 チームの現状と課題を共有し、自分たちの問題として捉え、単にスコアアップを目的とするのではなく、自律的な行動に移していただくことが重要。まさに当事者意識の喚起であり、それでこそチームに貢献しようという力も沸き、チームは強くなる。そういう設計が『TEAMUS』の価値だと思います。
協力:コクヨ株式会社
この後、下記のトピックが続きます。
続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。
●サーベイのスコアは優劣ではなく、チームのコンディションを確認するためのもの
●効果的な人事施策や組織編成に必要なチーム内の共通認識
●既存サーベイの課題を克服する『TEAMUS』の特長
●スコアの低下=悪ではない。既存サーベイの価値観をコクヨが変える
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