厚生労働省が、裁量労働制の実態調査を2026年7~8月に実施し、秋ごろに結果を取りまとめる方針だ。あわせて、労働基準監督署による時間外労働の指導の在り方についても見直しの議論が進められている。労働時間規制の運用が今後どう変わるのか、調査結果や議論の行方に注目が集まる。

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労働基準監督署の「残業指導」見直しへ。厚労省、裁量労働制の実態調査で現場を点検

裁量労働制の実態把握へ。制度運用の細部も確認する調査に

今回の調査は、単に裁量労働制を導入しているかどうかを見るものではない。事業場と労働者の双方を対象に、みなし労働時間や健康確保措置、本人同意の運用、制度適用の手続きなど、現場の実態に踏み込んで確認する設計になっている。制度の趣旨どおりに運用されているかを検証する意味合いが強い。

裁量労働制は、働き方の柔軟性を高める制度として期待される一方、残業や長時間労働、健康面への影響が懸念されやすい。とくに、制度上は労働時間の裁量を持つはずでも、実態として業務量や納期の制約が強ければ、労働者の負担が増すおそれがある。今回の調査は、こうした運用上のギャップを可視化する材料になりそうだ。

注目したいのは、調査項目が制度運用の細部に及んでいる点だ。労使委員会や過半数代表との関係、本人への説明や同意・撤回の扱い、健康・福祉確保措置の実施状況などは、制度の適正運用に直結する。人事担当者にとっては、導入の有無だけでなく、記録や説明体制が整っているかを見直すきっかけになる。

今後の制度議論に向け、人事・労務部門に求められる対応とは

また、この動きは裁量労働制単独の問題ではない。政府内では、残業指導の運用見直しやリスキリング強化など、労働時間制度と人材確保を一体で考える議論が進んでいる。働き方改革が定着局面に入る中で、制度の柔軟化と健康確保をどう両立するかが、次の論点になっている。

人事・労務の現場では、今回の調査結果を待つだけでなく、自社の運用を先に点検しておくことが重要だ。適用対象者の業務内容、労働時間の把握方法、健康管理の仕組み、説明・同意のプロセスを確認しておけば、今後の制度議論や行政対応にも備えやすい。裁量労働制は、制度そのものよりも、運用の精度が問われる段階に入っている。

出典:
厚生労働省「裁量労働制実態調査」
厚生労働省「裁量労働制に関する実態調査(案)について」
厚生労働省「労働市場改革分科会」
厚生労働省「時間外労働の上限規制」

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