人的資本経営の推進には、経営と現場をつなぐマネジャーの活躍が欠かせない。一方で、マネジャーへの適切な支援が不足し、現場が機能不全に陥るケースも多くなっている。今回、HR総研と産業能率大学は、共同で「マネジャー支援の実態」を調査した。本講演では、同大の関和之氏と中拂美樹氏が調査の結果・分析の報告を行うとともに、HR総研の寺澤康介をファシリテーターとしてパネルディスカッションを実施。社外HRBPの設置などが提言された。
現代のHR部門に求められる“適切なマネジャー支援”。「HRBP」の設置が人的資本経営を真に機能させるカギに
関 和之 氏
登壇者:

産業能率大学 経営学部 准教授 関 和之 氏

同大学総合研究所で20年余、社会人の人材教育やツールの開発、組織における職場活性化や育成の場づくり、人材マネジメントに関する組織調査などに従事し、2021年度から現職。専門は人的資源管理、組織行動論。教育を通じて、組織において自律し、活躍できる人材の育成に力を注いでいます。
産業能率大学

中拂 美樹 氏
登壇者:

産業能率大学 経営管理研究所 人事・マネジメント研究センター 研究員 中拂 美樹 氏

銀行系コンサルティング会社を経て現職。人事制度の専門家として、同一労働同一賃金の実現や企業再生、年功主義からの脱却など、様々な課題に対応した人事制度の再構築・運用力強化を支援。更に、ジョブ型雇用や働き方改革など、時代のニーズに対応した人事制度のあり方について、セミナーや社内講演を行っています。
産業能率大学 経営管理研究所

寺澤 康介
登壇者:

ProFuture株式会社 代表取締役社長/HR総研 所長 寺澤 康介

1986年慶應義塾大学文学部卒業。同年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役等を経て、2007年採用プロドットコム株式会社(2010年にHRプロ株式会社、2015年4月ProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。8万人以上の会員を持つ日本最大級の人事ポータルサイト「HRプロ」、約1万5千人が参加する日本最大級の人事フォーラム「HRサミット」を運営する。

HR部門による「マネジャー支援の実態」――共同調査の結果・分析の報告

産業能率大学 経営学部 准教授 関 和之氏

世の中の現場マネジャーは「孤軍奮闘」している

現代のHR部門に求められる“適切なマネジャー支援”。「HRBP」の設置が人的資本経営を真に機能させるカギに
課長級の現場マネジャーは、企業の戦略を推進するキーパーソンです。この現場マネジャーの職には、多くの場合、組織の中で優秀な人材が選ばれます。しかし、そうした優秀な人材も、一人で何でもできるわけではありません。「HR部門が主体となり、より積極的な支援を行うべきなのではないか」、「実態はどうなっているのか」。私たちはこうした問題意識を持ち、調査に乗り出しました。

まず「マネジャー」について、組織の中でどのような役割あるいは立場を担っているかという点に言及します。調査の結果、マネジメント業務だけを行うマネジャーはわずか2%にとどまり、実に98%がいわゆる「プレイングマネジャー」であることが明らかになりました。日本企業のマネジャーは、成果達成の重圧に耐えながら、部下への業務指導や育成などを行っています。「マネジャー」というと、成果プレッシャーの中で奮闘している姿が思い浮かぶのではないでしょうか。

では現状、企業ではHR部門からマネジャーへどのような支援が行われ、パフォーマンスにどのような影響を与えているか。マネジャーの「目標達成への支援」、「学習行動への支援」、「役割変化への支援」の3つの観点からポイントを提示します。

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