近年、低成長からの脱却や日本型雇用慣行の見直しを背景に、「ジョブ型雇用」の導入を急ぐ企業が増えている。しかし、そもそも「ジョブ型か、メンバーシップ型か」という論争は的を射ているのか。本書は、日米欧の文献やソニー・富士通・NEC・日立・NTTの事例を比較分析した著者が、国内で繰り返されるこの論争に対し、欧米には日本の語る「ジョブ型」が存在しないという事実を突きつけ、国内の議論のズレを指摘する。

欧米企業の現場で真に重視されているのは職務の固定ではなく、ジョブ同士の「つなぎ目」である連携と協働の設計にある。さらに、AIによって従業員の「協働」がリアルタイムにスコア化されて人事評価に組み込まれていくという、すでに始まりつつある労働環境の変化と組織の課題を客観的に捉えている。

表面的な制度論にとどまらず、自社に真に必要な「協働」の形と、これからの時代における人事戦略の本質を見つめ直すために、人事担当者が今こそ紐解くべき一冊だ。

【書籍基本情報】
書籍名:ジョブ型の真実とAIと協働
著者:山崎 憲
出版社:生産性労働情報センター
書籍発売日:2026年5月13日
ジョブ型の真実とAIと協働,書影

▼内容紹介

いま、日本では「ジョブ型」か「メンバーシップ型」か、という問いが繰り返し語られている。政府や経済界は、低成長などといった問題への処方箋として「ジョブ型」を掲げ、これまでの日本型雇用慣行の見直しを求めてきた。

しかし、そもそも「ジョブ型」とは何か。「メンバーシップ型」とは何のために成立し、どのような役割を果たしてきたのか。そして、AIやデジタル技術の進展は、この論争の意味そのものを、どう変えようとしているのか。

本書は、こうした問いを歴史・政策・現場の実態に即して、考え直すためのものである。(出版社ホームページより)

<出版社編集長より>
本書は、「ジョブ型」と「メンバーシップ型」の雇用形態がなぜ生まれ、どのような役割を担ってきたのかを、日本や諸外国の歴史や事例から、丁寧に紐解いている。

また、AIの進化によって仕事の中身そのものが作り替えられると指摘される中で、組織全体の規律や協働のあり方がどう変わり、それによってどのような問題が生じるのかを問いかけている。(出版社ホームページより/HRプロ編)

目次

はじめに ジョブ型・メンバーシップ型とAI時代の労働をめぐる問題提起
第1章 ジョブ型かメンバーシップ型か
第2章 日本型トータルシステムという衝撃
第3章 ジョブ型人事制度の導入と変容
第4章 AIと連携が変える働き方の未来
第5章 協働の再定義

▼著者プロフィール

【山崎 憲(やまざき けん)】

明治大学経営学部専任教授。博士(経営学)。2026年時点、労務理論学会会長。1967年生まれ。日本労働研究機構(現・労働政策研究・研修機構)に入職。外務省専門調査員(在デトロイト日本国総領事館)、労働政策研究・研修機構主任調査員などを経て、2020年より明治大学経営学部へ着任、のち現職。専門は人事労務管理、人的資源管理論、労使関係論。AIやICTの進展が雇用システムに及ぼす影響、新しい労働組織と社会のあり方などを主な研究テーマとしている。主な著書に『「働くこと」を問い直す』(岩波書店)、『デトロイトウェイの破綻-日米自動車産業の明暗』(旬報社)、共著に『コミュニティ・オーガナイジングの理論と実践』(有斐閣)、『価値創発(EVP)時代の人的資源管理』(ミネルヴァ書房)などがある。


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