企業や行政によるAI・ビッグデータ活用への取り組みが加速する中、希少なAI人材の争奪戦が世界規模で起きています。これに対し海外では、世界中のデータサイエンティストの能力を利用してAI開発を行う「AI開発コンペティション」が定着しつつあります。このAI開発コンペティションを通じた最高精度のAI開発、優秀なAI人材の採用、育成の取り組みについて、国内外の事例を紹介するとともに、世界的な潮流を解説します。

講師


  • 齊藤秀

    齊藤秀氏

    株式会社SIGNATE 代表取締役社長

    オプトCAOを経て現職。幅広い業種のAI開発、データ分析、共同研究、コンサルテーション業務に従事。データサイエンティスト育成及び政府データ活用関連の委員に多数就任。システム生命科学博士。筑波大学人工知能センター客員教授、理化学研究所革新知能統合研究センター客員研究員、国立がん研究センター研究所客員研究員を兼任。


人事が知っておくべきAI人材育成、採用の世界的潮流 ~ オープン型AI戦略とは ~

ライフサイエンスの分野からAI人材育成ビジネスに参入

人事が知っておくべきAI人材育成、採用の世界的潮流 ~ オープン型AI戦略とは ~
SIGNATEの齊藤です。約5年前に、東証一部上場のデジタルマーケティング企業「株式会社オプトホールディング」にてデジタルマーティングにおけるAI・ビッグデータ活用を研究するR&D部門を設立し、ビッグデータやAIの基礎研究を行っていました。ここに来て、AIが社会的にもたらすインパクトが更に大きくなってきたことを受け、2018年4月に分社化を決断。AIの開発からAI人材の採用・育成まで、AI・ビッグデータ活用に関する課題へのソリューションを提供する会社としてSIGNATEを設立しました。
 私のバックグラウンドはライフサイエンスで、遺伝子などのデータを用いたがんの創薬研究に長く携わってきました。ここ十数年は民間企業の一員という立場から、さまざまな企業に対してデータサイエンス分野のコンサルティングを行っています。
 また、私は現在でも複数の研究組織に所属しながら、アカデミック領域での活動も続けています。例えば、筑波大学人工知能科学センターの客員教授や、全国から多くの人材を集めて日本橋に設立された理化学研究所 革新知能統合研究センターの客員研究員、あるいは国立がん研究センターの客員研究員などです。
国は政府データ活用を見据えたデータサイエンティストの人材育成に力を入れていますが、それでもAI人材は、かなり不足しています。これに対して、文部科学省の育成プロジェクトや大学のデータサイエンティストを養成する制度設計の動きがあり、経済産業省でも大規模な自動運転や宇宙分野におけるデータの活用が始まっています。これらの事業やプロジェクト、委員会のメンバーとして、行政視点でのAI活用・データサイエンティスト発掘・育成についても、知見を持っていると言えます。

 産業界へのAI導入はどこまで進んでいるのか、大学ではどの程度AI研究が進んでいるのか、政府はどういう指針でAIを考えているのかということについて、それぞれの立場から知る機会は多いと感じています。
本日は、まず世界のAI人材マーケットのトレンドと、その背景、この先テクノロジーが進み、AI人材マーケットがどのように変化していくか、という未来についてお話します。
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