学生が仕事に求めるのは「やりがい」と「成長」

多くの学生が複数の企業から内定を得ている中で、どのような基準で内定承諾先を決めたのかを選んでもらったところ(複数回答)、最も多く挙がったのが「仕事内容」で、文系で62%と6割、理系では70%と7割に上っています[図表9]。これに次いで「給与・待遇」が文系62%、理系63%と6割を超えています。

文系と理系でやや異なる傾向となっている項目として、文系では「会社の雰囲気」を55%と半数以上が挙げているのに対して、理系では42%と4割にとどまり、それよりも「福利厚生」や「勤務地」など、職務条件に直接関わる項目のほうが高い割合となっている点で、これらの項目は半数程度に上っています。また、「残業時間」を挙げた割合も文系が29%と3割程度だったのに対して、理系は10ポイント低い19%となっています。理系の場合は、深夜にまで及ぶこともある研究室での実験や調査等の経験から、残業に対する受容性の高い学生が多いことが推測されます。逆に、理系のほうが文系よりもポイントが高かった項目は、「成長性」(文系10%、理系16%)、「経営方針」(同5%、13%)、「資本金・売上高」(同3%、8%)となっています。
[図表9] 文理別 入社予定の会社に内定承諾を決めた理由(複数回答)
内定承諾を決めた理由として最も多く挙がっている「仕事内容」について、より具体的に仕事内容のどのようなことを気にしているのかを確認してみました。最も多かったのは、「やりがいがある」で、文系58%、理系53%といずれも半数超となっています[図表10]。次いで「成長できる仕事」(文系54%、理系49%)が文系・理系ともに上位に挙がっていて、多くの学生が共通してこの二つを求めていることが分かります。この背景としては、ホワイト過ぎる職場では若手社員の離職が多いという近時の傾向もあるように、ただ楽なだけの職場では、やりがいや成長を求める若手社員にとっては「自分はこのままでいいのだろうか」という不安が募るものと推察されます。

理系学生の特徴として、「キャリアプランを実現しやすい」が44%(文系30%)と4割超、「専門性が高い」も34%(同24%)と3割超で、いずれも文系より10ポイントも高く、文系と理系で顕著な差が見られます。理系は文系よりも大学で培ってきた専門性を生かした仕事をしたいと考える学生が多いことから、このような違いが出てきているのでしょう。また「裁量が大きい」も、文系の24%に対して、理系は41%と17ポイントも高く、顕著な差が見られます。理系のほうが、マニュアル通りに物事を進めるのではなく、自分の発想・考え方で進めることのできる自由度を求める傾向が強いものと考えられます。
[図表10] 文理別 内定承諾の決め手となる「仕事内容」の詳細(複数回答)

内定承諾するも、4割以上は内定承諾先企業に不安

次に、内定承諾した(する)企業への入社に向けての不安について確認してみましょう。不安が「ある」とする割合は、文系では47%と半数近く、理系でも43%と4割以上となっており、少なくとも4割以上の学生が入社に向けての不安を持っていることが分かります[図表11]
[図表11] 文理別 内定承諾した(する)企業への入社に向けての不安
不安が「ある」と回答した学生を対象に、入社に向けた不安の内容について確認したところ、「仕事で成果が出せるか」が文系・理系ともに最多で、どちらも42%で4割程度となっています[図表12]、次いで文系では「生活環境の変化への対応」が31%(理系25%)、理系では「配属部署が分からない」が32%(文系28%)といずれも3割程度となっています。その他、「職場メンバーに馴染(なじ)めるか」(文系27%、理系26%)、「自分のキャリアプランを実現できるか」(同25%、20%)、「仕事にやりがいを感じられるか」(同22%、23%)は、文系・理系ともに2割台と比較的高くなっています。

文系と理系で違いが見られた項目としては、「給与・福利厚生」は文系27%、理系19%と文系のほうが8ポイント高く、他方「社会人としてのマナーやエチケットの習得」(文系9%、理系15%)、「テレワークでの就業環境」(同5%、12%)は、いずれも理系のほうが6~7ポイント高くなっています。

このような内定者が持つ不安に対しては、内定者フォローを丁寧に行っていく中でできるだけ解消していくことで、内定辞退の防止につながるとともに、内定者の入社に対する意欲を高めていくことが期待できます。
[図表12] 文理別 入社に向けた不安の内容(複数回答)

半数程度はこれから内定辞退連絡

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