敬遠したい業界、「外食」を抜いて「建設、住宅、不動産」がトップ
今度は逆に敬遠したい業界について、どう思っているのかを文系・理系別に確認してみましょう。最も避けたい業界を最大で三つまで選択してもらったところ、文系・理系ともにトップは「建設、住宅、不動産」で、文系20%、理系19%といずれも2割程度の学生が選択しています[図表7]。「建設、住宅、不動産」は、志望業界として文系5位、理系6位にランクしており、敬遠したい業界としてトップに挙げられるのは意外な結果と言えます。文系では、2位に「外食」(18%)、3位に「石油、ゴム、窯業」(16%)、4位「医療、福祉、その他」(16%)、5位「水産、農林、食品」(14%)が続きます。一方、理系では、2位に「人材、教育」(17%)、3位「外食」(15%)、4位「水産、農林、食品」「繊維、アパレル服飾」(いずれも15%)が続きます。
こちらも21卒調査の結果を確認してみると、トップは文系・理系ともに「外食」で2割以上の学生が挙げていました。新型コロナウイルス感染症対策で行動が制限され、業界として危機的状況の中での調査であったことは事実ですが、それ以前から「なんちゃって管理職」「名ばかり管理職」と称された店長の処遇問題などが大きく取り上げられ、毎年敬遠したい業界としてトップの常連となっていたものです。21卒調査では、その前年の調査(文系28%、理系25%)よりもかえってポイントを落としていたくらいです。そのことを考えると、「外食」のイメージは年を経て少しずつ好転してきているようです。
21卒調査では、2位と3位についても文系と理系は全く同じで、それぞれ「地方銀行、信用金庫」、「メガバンク、信託銀行」でした。それが今回の調査では、志望する業界として文系で2位と4位になるなど、たった5年間での学生の意識の変化に驚かせられます。
![[図表7]敬遠したい業界TOP10(複数回答、三つまで)](https://img.hrpro.co.jp/images/tokushu/hr_tokushu_photo_4332_7_AA883G.png)
今年も健在、理系の大手志向
次に、希望する企業規模について、文系と理系の意識の違いを見てみましょう。文系では、「できれば大手企業に行きたい」が49%とほぼ半数を占め、次いで「絶対大手企業に行きたい」が25%となっており、二つを合わせた“大手志向派”は74%と4分の3に達します[図表8]。「中堅企業に行きたい」や「中小企業に行きたい」の大手以外を志向する割合は14%と少数派です。一方、理系では「絶対大手企業に行きたい」が43%で最も多く、「できれば大手企業に行きたい」も42%と同程度を占め、“大手志向派”は85%と文系よりもさらに10ポイント以上多くなっています。「絶対大手企業に行きたい」という強い意志を持つ学生は、理系のほうが20ポイント近くも多くなっています。大手以外を志向する割合はわずか6%にとどまります。毎年、理系のほうが、大手志向が強い傾向にありますが、今年の就活生もその点には変化は見られないようです。![[図表8]希望する企業規模](https://img.hrpro.co.jp/images/tokushu/hr_tokushu_photo_4332_8_QTW741.png)