パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関「Job総研」は2026年4月6日、「2026年 新卒の給与に関する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2026年3月18日~23日で、社会人の男女302人から回答を得ている。新卒給与の引き上げが進む中、既存社員との給与逆転に対する意識や影響が明らかになっている。


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新卒給与の引き上げ進むも“給与逆転”に不満が87.5%。既存社員のモチベーション・転職意向に影響か

新卒給与引き上げは半数の企業で実施。やる気への影響は8割超

新卒採用市場の競争激化や物価上昇を背景に、初任給の引き上げが相次いでいる。企業にとっては人材確保のための重要な施策である一方、既存社員との給与バランスや納得感の確保が新たな課題として浮上しており、給与逆転が現場のモチベーションや定着に与えるケースもあるだろう。採用強化と組織の安定を両立するために、企業はどのような賃金設計を行うべきなのだろうか。

調査によると、勤務先での新卒給与の引き上げについては、「引き上がる」との回答が50%と半数を占めた。

また、新卒の方が自分より高給となった場合、「やる気に影響する」と回答した割合は82.7%に達しており、給与逆転が従業員のモチベーションに与える影響の大きさがうかがえる。
勤務先での新卒給与の引き上げがあるか

給与逆転に87.5%が不公平感…「経験年数の差」が主な理由に



新卒の方が高給である場合、「不公平を感じる」と回答した割合は87.5%と大多数に上った。

不公平を感じる理由としては、「経験年数が違う」(63.3%)が最多で、「自分達の給与が上がらない」(49.2%)、「会社への貢献度が違う」(47.7%)が続いた。評価や処遇への納得感が重要であることが浮き彫りとなっている。
新卒の方が高給である場合に不公平を感じるか

給与逆転で7割が転職検討。納得感は低水準か

新卒の方が自分より高給となった場合、「転職を検討する」と回答した割合は72.2%に達した。

一方で納得感については、「納得できない」(39.4%)、「あまり納得できない」(24.2%)が多数を占め、「納得できる」は10.6%にとどまった。給与逆転が離職リスクにつながる可能性が示されている。
新卒の方が自分より高給となった場合に転職を検討するか

許容できる差額は限定的。納得条件は「既存社員の賃上げ」

新卒との給与差については、「許容できない」が49.7%で最多となった。

一方で、「+1万円以内」(16.2%)、「+3万円以内」(13.6%)といった限定的な差であれば受け入れる層も見られた。さらに、納得条件としては「自分達の給与も上がる」(63.9%)が最多となり、既存社員の処遇改善がカギであることがうかがえる結果となっている。
新卒との給与差を許容できるか

新卒給与引き上げは78.2%が「必要」。人材確保と物価高が背景に

新卒給与の引き上げについては、「必要」と回答した割合が78.2%に達した。

理由としては、「人材確保に必要」(61.4%)、「物価が上がっているから」(53.4%)、「優秀な人材を集めるため」(41.9%)などが挙げられ、採用競争や経済環境が背景にあることがうかがえる。
新卒給与の引き上げが必要だと思うか

賛成は7割超も、中堅層では慎重な見方か

新卒給与の引き上げに「賛成」とする割合は73.5%と過半数を占めた。

ただし、勤続年数別では「16年以上」が84.9%と高い一方、「8~15年」は49%にとどまり、組織の中核を担う中堅層ほど慎重な姿勢が見られた。
新卒給与の引き上げに「賛成」とする割合
本調査から、新卒給与の引き上げは必要と認識されている一方で、給与逆転に対する不満や不公平感が強いことが明らかになった。特に、既存社員のモチベーション低下や転職意向への影響が顕著であり、企業には採用施策としての賃上げだけでなく、既存社員を含めた処遇全体のバランス設計が求められている。今後は、賃金水準の引き上げとともに、納得感のある評価制度や説明責任をどのように果たしていくかが、人的資本経営の観点からも重要なテーマとなりそうだ。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000275.000013597.html


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