ProFuture代表の寺澤です。
2025年12月15日、ロート製薬は、2027年4月入社の大学生・大学院生向け新卒採用において、これまでのエントリーシートによる書類選考を廃止し、全国8拠点での人事担当者との15分間の対話を採用プロセスの第一ステップとする「Entry Meet(エントリーミート)採用」を導入すると発表しました。同社では、従来エントリーシートによる書類選考を新卒採用の初期段階に実施してきたものの、近年の生成AIの普及により、エントリーシートの記載内容の均質化が進み、応募学生一人ひとりの個性を十分に捉えきれないとの課題を感じていたとのこと。生成AIだけでなく、合格者のエントリーシート内容を確認できる就活口コミサイトのサービスの普及も均質化の一因でしょう。

エントリーシートによる書類選考やAI面接なども採用選考の有効な手段ではあるものの、“通過しやすいエントリーシート”の型が存在しているため、その内容だけでは個性の本質を見極めることは困難です。学生と企業の相互理解が浅いまま選考が進み、結果として入社後のミスマッチにつながっているのではないかとの思いが、今回の選考方法変更の背景にあるようです。

同社では、12月15日からエントリーを開始し、採用マイページより2026年1月16日~2月8日に実施される「Entry Meet」枠の予約を受け付けています。エントリーシートによる書類選考に疑問を感じている企業や人事担当者は少なくないと思われますが、書類選考によるふるい落としをやめ、応募者全員との一次面接に踏み切れる企業はどれほどあるでしょうか。昨今の効率を重視する採用の在り方に一石を投じた、今回の同社の試みに賛同する企業が今後どれだけ現れるのか、注目していきたいと思います。

HR総研では、これからも価値ある情報をしっかりとお届けしていきます。本年も何とぞよろしくお願いいたします。
第178回 26卒採用計画の達成企業は4分の1以下。各社が悩む“内定充足が進まない要因”とは

採用計画達成企業は4分の1以下

今回は、HR総研が人事採用担当者を対象に実施した「2026年&2027年新卒採用動向調査」(調査期間:2025年11月26日~12月5日)の結果の中から、終盤に差し掛かった2026年卒採用の最新情報をお届けします。ぜひ参考にしてください。

※以下、同調査結果の割合(%)は、小数点以下を四捨五入して整数で表示しています。 そのため、合計が100%にならない場合があります。

まず、2026年4月入社の採用計画に対する2025年12月初旬時点での内定者充足率を見ると、全体では計画数を達成した「100%以上」を選択した割合は23%と、4分の1を下回る結果になりました[図表1]。これは前年同時期に実施した「2025年&2026年新卒採用動向調査」(以下、前回調査)と全く同じ割合です。「90~100%未満」(24%)と「80~90%未満」(15%)までを加えた「8割以上」の割合は、62%と6割を超えます。その一方で、「5割未満」(「30~50%未満」~「0%」の合計)の企業が18%と2割近くあるなど、内定者充足率において苦戦している企業も少なくありません。

従業員規模別で見ると、「8割以上」の割合は、1001名以上の大企業では75%となっており、前回調査の85%を10ポイントも下回っています。301~1000名の中堅企業、300名以下の中小企業では、それぞれ58%、57%と大企業を下回るものの、前回調査の50%、52%より増加しています。一方、「5割未満」で見ると、大企業ではわずか6%にとどまるのに対し、中堅企業で18%、中小企業では27%となっています。中でも、中小企業では「0%」が15%に上るなど、従業員規模が小さくなるほど採用活動に苦戦している様子がうかがえるものの、いずれも前回調査よりは改善した割合となっています。
[図表1]2026年4月入社の採用計画に対する内定者充足率
内定者充足率が「100%以上」以外の企業を対象に、内定者が充足していない主な理由を聞いたところ(複数回答)、最も多かったのは「選考応募者が予定より少なかった」で、59%の企業が選択しています[図表2]。次いで、「ターゲット層の選考応募者が予定より少なかった」が47%と半数近くとなっています。「内定辞退が予定より多かった」と「選考辞退が予定より多かった」はそれぞれ34%、19%となっており、応募後の“辞退”の多さよりも、そもそもの“応募”自体の少なさを理由に挙げる企業のほうが多くなっています。母集団形成の段階で苦戦している様子がうかがえます。
[図表2]2026年卒の採用計画に対して内定者が充足していない主な理由(複数回答)
では、“応募の少なさ”や“辞退の多さ”は何に起因しているのでしょうか。その要因を深掘りしてみたところ(複数回答)、「自社の知名度・ブランドが弱かった」が最多の39%、次いで「学生との接触機会(インターンシップ・面談・説明会)が不足していた」が34%で続き、この2項目が3割を超えました[図表3]。「採用広報が十分に届かなかった(ナビ・SNS等)」(26%)も比較的高い割合となっています。

興味深いのは、「選考・内定時期が遅すぎた」は18%と2割近くありましたが、「選考・内定時期が早すぎた」は全選択肢の中で唯一0%となっています。しかし、“早すぎる内定”を受諾する学生もいる一方で、いったん受諾しつつも、後に別の企業から内定を受けたことにより、結果的に先に受けていた内定を辞退してしまう学生も少なくないと思われます。企業と学生との相互理解がそれほど深化していない段階での内定出しについて、内定者充足率の未達要因の一つになっていないか、今一度考えてみてもいいのではないかと思っています。
[図表3]2026年卒の採用計画に対して内定者が充足していない要因(複数回答)

採用計画の2倍以上の内定を出さざるを得ない中堅企業

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