大企業では複数の部署や担当者が分担している人事の仕事を、中小企業では社長が本業の傍ら一人で抱えていることも少なくない。大手重工業グループの情報システム会社で10年間、秘書兼総務として働いた著者は、社会保険労務士として独立した後にその違いを実感したという。採用、労務、育成、評価は互いにつながっており、個別の対症療法ではなく、一つの「仕組み」として整える必要がある。本書は、生成AIを活用して、小さな会社に合った人事の仕組みをつくる方法を紹介する。

書籍で紹介される手順の要点は、AIに判断を委ねるのではなく、対話を通じて経営者の頭の中にある考えを言語化することだ。採用要件や面接質問、オンボーディング計画、評価基準などのたたき台を具体的なプロンプトとともに作成し、自社に合わせて修正していく。

文書を作って終わりにしないことも重要だ。具体的には、社内にルールを展開するための説明資料や従業員からの質問への回答例を用意し、業務手順を可視化するポイントもまとめられている。人事の知見を蓄積し、運用しながら継続的に改善するところまで視野に入れているのが特徴だ。成果に繋がりやすい視点の持ち方として、面接を「相互理解」へ、評価を「育成のツール」へと捉え直すといった実践的な要点も解説されている。なお、法的な最終確認や経営判断は人間が担うことを前提としている。

タイトルは小さな会社の人事のしくみとなっているものの、中堅・大企業の人事担当者にとっても示唆は大きい内容だ。担当者や管理職の経験に委ねられがちな判断基準・業務手順を言語化し、組織に知見を残すためのAI活用を考える手がかりとなるだろう。

▼こんな人におすすめ
•総務・人事の兼任担当者:給与計算や手続きに追われ、採用や育成の仕組みまで手が回らない方
•中堅企業の人事担当者:担当者の経験に頼る業務を言語化し、引き継げる形に整えたい方
•大企業の人事担当者:現場管理職の判断基準や運用ルールを、共有できる形にしたい方
•人事になったばかりの方:人事の5つの機能を整理し、生成AIと対話しながら実務を学びたい方
•中小企業の経営者:採用・育成・評価を一人で抱え、判断基準が自分の頭の中にしかない方

【書籍基本情報】
『生成AIでつくる小さな会社の人事のしくみ』
著者:長濵 かおり
出版社:日本能率協会マネジメントセンター
発売日:2026年10月26日
『生成AIでつくる小さな会社の人事のしくみ』長濵 かおり(著)(日本能率協会マネジメントセンター)

▼内容紹介

採用から育成、労務管理までを社長が担う小さな会社では、人事が場当たり的になり、人が辞めるたびに採用や教育をやり直す状況に陥りやすい。本書は、生成AIを活用し、採用・育成・定着のプロセスを「型」として社内に根づかせる方法を紹介する。
求人票の作成、面接設計、オンボーディング計画、育成面談の設計などを、具体的なプロンプト入力例とともに解説。高額なツールの導入ではなく、手元の生成AIを使って、人事の仕組みづくりを進める選択肢を示す。
人事専任者を置きにくい小規模企業の経営者や、総務と人事を兼任する担当者が、自社に合った採用・育成・労務管理の仕組みを整えるための実践ガイドである。
(版元ホームページの内容紹介をもとにHRプロ編)

▼目次

第1章 なぜ小さな会社こそ「生成AI×人事」なのか
第2章 労務管理を属人化から解放する
第3章 採用を“運任せ”から“再現可能な型”に変える
第4章 生成AIで新入社員の受け入れと定着の仕組みをつくる
第5章 評価・育成を社長の主観から組織の仕組みへ
第6章 生成AIで人事の仕組みを会社に定着させる
あとがき――道の途中から
本書を実践で活用するための読者特典:人事のしくみづくりプロンプト集

▼著者プロフィール

【長濵 かおり(ながはま かおり)】
社会保険労務士・キャリアコンサルタント・採用定着士®・行政書士。
大手重工業グループの情報システム会社に10年間勤務し、役員秘書兼総務として組織運営や人事・総務に携わる。
その後、社会保険労務士として独立し、労働基準監督署で総合労働相談員を務め、経営者及び労働者から数多くの相談に対応。中小企業の採用・定着、人事制度づくりを支援するほか、長崎県警「安全運転管理者と労務管理研修」、海上自衛隊「階層別キャリア研修」などの講師を務める。商工会議所、業界団体、医療・福祉関係団体等でも採用・定着をテーマとした研修講師として活動。現在は、生成AI を活用した中小企業の人事・労務の仕組み化にも取り組んでいる。


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