このような時期に27卒学生の就活動向の全体感を把握するため、HR総研と「就活会議」(就活会議株式会社)では、27卒学生を対象に2026年6月時点の「就職活動」や「就職への意識」に関するアンケートを実施した。本レポートでは、主に「就職への意識」に関する調査結果について報告する。なお、就職活動の実態については【就職活動編】にて報告している。
就職活動は文系の半数が「大変だった」、10ヵ月以上の長期戦が4~5割
まず、内定(内々定)を取得した学生の、就職活動への所感から見てみる。
「やや大変だった」と「かなり大変だった」を合わせた「大変だった」とする学生は、文系で50%、理系で47%と、文理ともに半数前後に上っている。中でも「かなり大変だった」は文系で24%と、理系(16%)を8ポイント上回っており、文系学生の方が就職活動をより厳しく受け止めている。一方、「楽だった」(「かなり楽だった」+「やや楽だった」)は文系29%、理系34%となっている。売り手市場といわれる状況にあっても、志望形成から面接までが長期間に及ぶ就職活動を、多くの学生は決して楽なものとは受け止めていないようだ(図表1-1)。
【図表1-1】文理別 就職活動への所感

就職活動の実施期間を大学区分別に見ると、「10~11カ月程度」と「1年以上」を合わせた「10ヵ月以上」の割合は、「上位国公立大」で54%、「その他国公立大」で51%と半数を超えるなど、いずれの大学区分でも4~5割を占めている。学部3年(修士1年)の春から就職活動を始め、そのまま1年近くを費やす長期戦が、大学区分を問わず標準になっているといえるだろう。これは企業側から見れば、インターンシップから内定者フォローまで、一人の学生との接点が1年以上に及ぶということでもある。限られた採用リソースをどの局面に厚く配分するか、接点全体を通した設計力が一層問われることになるだろう(図表1-2)。
【図表1-2】大学区分別 就職活動の実施期間

「最初から大手志望で一貫」は大学区分で大差、規模を問わない層も2割
次に、「志望企業の規模に関する意識の変遷」について大学区分別に見てみる。
「最初から大手志望で、最後まで変わらなかった」は、「早慶大クラス」で82%、「上位私立大」で78%、「旧帝大クラス」で75%に上る一方、「その他私立大」では34%にとどまり、大学区分によって大きな差がついている。逆に「企業規模は最初から問わなかった」は「その他私立大」41%、「その他国公立大」37%と4割前後を占めるのに対して、「旧帝大クラス」や「上位私立大」では8%にとどまっている。大手志向の強さは大学区分によって大きく異なっており、中堅・中小企業にとっての現実的なターゲットは、企業規模にこだわらない層と、就職活動の途中で志望が変わり得る層であるといえるだろう(図表2)。
【図表2】大学区分別 志望企業の規模に関する意識の変遷

内定承諾の決め手は「仕事内容」、理系の過半数は「ジョブ型」で承諾
では、学生は何を決め手に、内定を承諾する企業を選んでいるのだろうか。
内定承諾を決めた理由は、文系・理系ともに「仕事内容」が最多(文系64%、理系68%)で、次いで「給与・待遇」(同58%、67%)、「勤務地」(同46%、54%)が続いている。理系では「福利厚生」が50%で、「初任給」が49%となっており、いずれも40%である文系を大きく上回り、待遇面への納得感が承諾の条件になっている様子がうかがえる。一方、文系では「会社の雰囲気」(42%)が理系(33%)を上回り、「社員の対応・人柄」(文系25%、理系16%)や「人事の対応・人柄」(同22%、16%)も文系の方が高く、人や社風といった要素をより重視している。なお、決め手の上位に並ぶ仕事内容・給与・勤務地は、いずれも募集時点から開示できる項目である。選考終盤の口説き文句に頼るのではなく、募集段階からこれらを具体的に示せているかどうかが、内定承諾の土台を左右するといえるだろう(図表3-1)。
【図表3-1】文理別 入社予定の会社に内定承諾を決めた理由(上位15項目)

最大の決め手となった「仕事内容」の詳細については、文系・理系ともに「やりがいがある」(文系55%、理系46%)が最も多く、「成長できる仕事」(同38%、44%)、「社会に役立つ」(同42%、40%)が続いている。理系では「自分の強み・専門性が活かせる」(28%)や「専門性が高い」(27%)が文系(15%、16%)を上回り、専門性を軸に仕事内容を評価する傾向が明確である。一方、文系では「裁量が大きい」「チームで働ける」(ともに26%)や「長く続けられる」(23%)が理系より高くなっている(図表3-2)。
【図表3-2】文理別 内定承諾の決め手となった「仕事内容」の詳細(上位15項目)

内定承諾を決めた採用形式にも、文理の差が鮮明に表れている。理系では「ジョブ型採用(職種別またはコース別採用)」が55%と過半数を占め、「総合職採用」(42%)を上回った。一方、文系では「総合職採用」が64%を占め、「ジョブ型採用」は34%にとどまる。仕事内容を最大の決め手とし、専門性を活かせることを重視する理系学生にとって、入社後の職種を約束するジョブ型採用は、志望度を高める有効な選択肢となっているようだ(図表3-3)。
【図表3-3】文理別 内定承諾を決めた採用形式

決め手の上位には仕事内容や給与・待遇といった項目が並ぶが、企業への志望度そのものは、選考の過程でも動いている。選考を受ける中で志望度が上がったエピソードに関するフリーコメントについて、主なものを抜粋すると、「面接できちんと対話をしてくれたこと」「自分の意見を沢山聞いてくれる。逆質問の時間を長く取ってくれる」など、面接において一人の人間として向き合ってもらえた体験に関する記述が多かった。また、筆記試験やインターンシップでのフィードバックなど、選考の丁寧さや情報開示の誠実さを評価する声も目立つ(図表3-4)。
【図表3-4】選考の中で志望度が上がったエピソード
| 志望度が上がったエピソード | 大学区分 | 文理 |
|---|---|---|
| 面接できちんと対話をしてくれたこと | 旧帝大クラス | 文系 |
| 面接時に、私のことを親身に聞き出そうとしてくれているのを感じて、社風や社員さんの人柄に惹かれた | 旧帝大クラス | 文系 |
| 筆記試験があったが、その回答に対する講評を他社が行わない中で、志望する会社は講評が返ってきたこと | 旧帝大クラス | 文系 |
| インターンシップ内で自分の陰での頑張りが評価されたこと | 旧帝大クラス | 文系 |
| インターンでの業務で作成したデータが実際に売れた | 早慶大クラス | 文系 |
| 人事や面談で話した社員の方が覚えてくださったこと | 上位国公立大 | 文系 |
| 自身の中でやりたいことが固まった際に特にマッチしていることが企業研究の過程でよくわかった時 | 上位国公立大 | 文系 |
| 座談会が多くあることでより解像度が上がった | 上位私立大 | 文系 |
| 自分の意見を沢山聞いてくれる。逆質問の時間を長く取ってくれる | 上位私立大 | 文系 |
| 質問に対するメールが丁寧で誠実だったこと | その他国公立大 | 文系 |
| 自身のキャリアに親身に寄り添ってくれた | 旧帝大クラス | 理系 |
| インターンのメンターが中途入社の社員で、企業の良い点、悪い点を率直に話していただけた | 早慶大クラス | 理系 |
| インターンでの班員の雰囲気が良かった点 | 上位国公立大 | 理系 |
| 面接前に人事の方が緊張をほぐしに来てくれた | 上位国公立大 | 理系 |
| 面接時の逆質問で想像以上に幅広いキャリアを描かれている方が多いということを知れたことで、志望度が上がったことがあります | 上位国公立大 | 理系 |
| 面接の相談に乗ってくれるリクルーター・社員がいた企業は、軒並み志望度が上がった | 上位私立大 | 理系 |
| 家賃手当や福利厚生がいいとき | その他国公立大 | 理系 |
| インターンシップで社員の方とのコミュニケーションが取りやすく働く姿が想像できた | その他国公立大 | 理系 |
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【調査概要】
アンケート名称:【HR総研×就活会議】2027卒学生の就職活動状況に関するアンケート(6月)
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)、就活会議(就活会議株式会社)
調査期間:2026年6月2~12日
調査方法:WEBアンケート
調査対象: 2027年卒業予定の「就活会議」会員学生
有効回答:346件
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Eメール:souken@hrpro.co.jp
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