育成状況は企業規模によって差、候補人材不足と体制未整備が二大課題に
まず、次世代リーダー育成に関する企業の取り組み状況や取り組み方針について、企業規模別に見てみる。なお、本調査では、将来的に経営や事業・職能部門のトップを担う「次期経営幹部候補」のことを「次世代リーダー」と定義している。「次世代リーダーの育成・確保に関する取り組み状況」について、「安定的に取り組みを継続中」と「取り組みを開始した段階」を合わせた「既に取り組んでいる企業」の割合が、大企業では68%と7割に迫った。対して、301~1,000名の中堅企業では「既に取り組んでいる企業」は50%、300名以下の中小企業では33%となっており、企業規模が大きいほど取り組みが進んでいることが分かる(図表1-1)。
【図表1‐1】企業規模別 次世代リーダー育成に関する企業の取り組み状況・方針

次に、後継者育成計画(サクセッションプラン)の状況を見てみる。
サクセッションプランを「策定済み」の企業は、大企業で73%、中堅企業で57%、中小企業で42%となった。そのうち「計画的に運用している」と回答した企業は、大企業で47%、中堅企業で37%に対し、中小企業では11%にとどまっている。策定済みの割合だけを見ても企業規模による差があるが、実際に計画を運用できている企業の割合では、さらに大きな差が生じている。
一方、「現在策定中」まで含めると、大企業が88%、中堅企業が70%、中小企業が78%となった。策定・運用状況においては大企業・中堅企業と差があった中小企業も、策定中の企業を含めると8割近くが何らかの形で後継者計画に取り組もうとしていることが分かる。
この結果から、中小企業においても次世代リーダー育成や後継者計画への意識が低いとは言いきれず、「必要性を認識し策定しようとしているものの、計画的な運用までには至っていない」という状況がうかがえる。次世代リーダー育成をめぐる課題は、取り組みの必要性の認識よりも、それを継続的に運用するための体制や仕組みにあるといえそうだ(図表1-2)。
【図表1‐2】企業規模別 後継者計画(サクセッションプラン)の状況

では、次世代リーダーの育成・確保を進める上で、企業はどのような課題を抱えているのだろうか。
課題として最も多かったのは「社内に候補となる人材が乏しい」で42%、次いで「育成計画の企画・実施体制が整っていない」が41%となり、ともに4割を超えた。3位の「次世代リーダー育成に対する社内の意識が低い」は25%であり、上位2項目とは差が開いている(図表1-3)。
【図表1‐3】全体/企業規模別 次世代リーダー育成・確保の課題

企業規模別に見ると、「育成計画の企画・実施体制が整っていない」は大企業では32%であるのに対し、中堅企業で42%、中小企業で46%と、企業規模が小さくなるほど高くなっている。一方、「社内に候補となる人材が乏しい」は大企業が38%、中堅企業が44%、中小企業が45%となっており、企業規模を問わず4割前後が課題として挙げている。
ここまでの結果を合わせると、次世代リーダー育成には大きく2つの課題があることが分かる。一つは「誰を次世代リーダーとして育てるのか」という候補人材そのものの不足であり、もう一つは、候補者を見つけて育成し、継続的にフォローするための体制の未整備である。
特に中小企業では後者の課題が大きく、先述した後継者計画の運用状況の遅れの要因とも考えられる。そこで次章以降では、「体制」と「候補人材」という2つの課題に沿って、実際の取り組み状況を詳しく見ていく。
目標ポストは「部門長」65%、育成対象は「課長クラス」68%
次世代リーダーの育成において、具体的にどのようなポストを目指し、どのような層を育成対象としているのかについて見てみる。
まず、次世代リーダー育成のターゲットにしているポジションについては、「部門長」が65%で最も多く、次いで「事業責任者(執行役員)」が50%、「主要支社長・支店長」が25%となった。また、「その他CXO」が21%、「子会社社長」が19%、「社長・CEO・COO」が18%となっている(図表2-1)。
上位には部門長や事業責任者、主要支社長・支店長など、現場に近い実務責任者が並んでいる。一方、社長・CEO・COOなどの経営トップ層を直接的な育成ターゲットとしている企業は2割弱にとどまった。
【図表2‐1】次世代リーダー育成のターゲットにしているポジション

次に、次世代リーダー育成対象者の現在の役職を見ると、「課長クラス」が68%で最も多く、次いで「部長クラス」が59%、「係長クラス」が38%となった。また、「本部長・執行役員クラス」も28%となっている。
このように、次世代リーダー育成では課長・部長クラスを中心とする中間管理職層が主要な対象となっている。一方、「一般社員」は15%にとどまり、若手社員を早期から候補者として選抜・育成している企業は限定的である現状が分かる(図表2‐2)。
【図表2‐2】次世代リーダー育成対象者の現在の役職

経営層の関与や人事・事業部門の連携進むも、実務面の体制整備に課題
ここからは、次世代リーダー育成の課題の一つであった推進体制の現状を見ていく。
まず、主な推進主体について企業規模別に確認すると、「専任の部署・組織」、もしくは「人事部門内の専任担当者」が推進主体となっている企業は、大企業で62%だったのに対し、中堅企業では43%、中小企業では16%にとどまった。企業規模が小さくなるほど、次世代リーダー育成を専任で担う体制の構築が難しい状況が見てとれる。
一方、「経営層が直接主導」は、大企業が6%、中堅企業が27%、中小企業が36%となり、中小企業で最も高い割合となった。中小企業では専任部署や担当者を置く代わりに、経営層自身が次世代リーダー育成を主導している企業も少なくないことがうかがえる(図表3-1)。
【図表3‐1】企業規模別 次世代リーダー育成の主な推進主体

次に、育成計画の企画・実施に向けて、どのような体制整備が行われているのかを見てみる。最も多かったのは「経営層が育成方針や候補者選定に関与」で58%、次いで「人事部門と事業部門で連携した育成計画策定」が42%となった。経営層や人事、事業部門を巻き込んだ体制づくりは、一定程度進んでいることが分かる。
一方、「育成成果を評価する指標(KPI)の設定」は18%、「タレントマネジメントシステムの活用」は15%、「外部機関・専門家の活用」は10%にとどまった。また、「特に体制整備は行っていない」も11%となっている(図表3-2)。
この結果から、次世代リーダー育成では経営層や現場部門を巻き込むという「体制の方向性」は整いつつあるものの、育成状況を継続的に把握・管理するKPIやシステムといった実務面の整備はまだ十分ではないことがうかがえる。
【図表3‐2】育成計画の企画・実施のための体制整備

候補人材プール形成に向けた施策は「選抜型育成」・「早期発掘」などが3割超
次に、もう一つの課題であった候補人材プールの現状について確認する。
まず、次世代リーダーの人材像の定義については、「具体的な行動・成果レベルまで定義し、選抜・育成に活用」が9%、「必要なスキル・能力を明文化し、経営層・人事部門で共有」が27%で、これらを合わせた「明文化まで進んでいる企業」は36%となった。また、「抽象的な人材像を言語化し、経営層・人事部門で共有」は29%で、明文化まで進んでいる企業と合わせると65%となる。
一方、「経営層・人事部門で共通認識はあるが、明文化されていない」は16%、「社長や一部幹部の考えはあるが、組織として共有されていない」は12%、「設定していない」は6%となった(図表4-1)。
なお、昨年の調査では、明文化まで進んでいる企業が26%、人材像を言語化している企業まで含めた3区分の合計59%であった。比較すると、人材像の定義は進展しており、明文化まで進んでいる企業も増えている。候補者を安定的に発掘するための土台として、「どのような人材を候補とするのか」を言語化する取り組みが一定程度広がっていることがうかがえる。
【図表4‐1】次世代リーダーの人材像の定義

候補人材の層を厚くするための施策を見ると、最も多かったのは「若手・中堅向け選抜育成プログラム」で35%、次いで「ハイポテンシャル人材の早期発掘」が32%、「ジョブローテーションによる幅広い経験の付与」と「アセスメントの実施」がともに30%となった。また、「候補者プールの整備・定期更新」は25%、「社内公募・手挙げ制度」は24%となっている。一方、「特に取り組んでいる施策はない」は9%にとどまり、9割の企業が何らかの施策を実施している(図表4-2)。
若手・中堅層の発掘・育成に関する施策が上位に並ぶ一方、特定の施策が突出しているわけではなく、いずれも3割台にとどまっている。1社あたりの実施施策数は平均2施策程度であり、多くの施策を組み合わせて候補人材を発掘・育成している企業は多くない。また、「候補者プールの整備・定期更新」は25%と、候補者をプールとして管理している企業も4社に1社にとどまる。
候補人材不足を解消するには、将来性のある人材を早い段階から見つけ、継続的に育成していく仕組みが必要になる。個々の施策に取り組む企業は多いものの、それらを候補者プールの形成につなげている企業はまだ限られているといえる。
【図表4‐2】候補人材の層を厚くするための施策

選抜・育成を開始する年齢では、「30代前半」が27%、「30代後半」が31%となり、合計58%と30代が最も多い結果となった。一方、20代(「20代前半」と「20代後半」の合計)のうちから候補者を選抜している企業は11%と1割程度にとどまっており、【図表2‐2】で見たように、一般社員を育成対象としている企業も15%にとどまっている(図表4-3)。
次世代リーダー候補の選抜は、一定の実務経験を積んだ30代以降に開始するのが主流であり、20代や一般社員の段階から候補者を広く発掘する取り組みは、まだ限定的であることがうかがえる。
【図表4‐3】選抜・育成を開始する年齢

候補者を選抜した後、その人材のスキル情報を把握し、育成計画につなげられているかも重要である。そこで、社内人材のスキル情報の把握、および育成計画の策定状況について見ていく。
まず、「社内人材のスキル把握」は「できている」が16%、「ややできている」が46%で、把握している企業の合計は62%となった。また、「育成計画の策定」についても、「できている」が13%、「ややできている」が48%で、合計61%となった(図表4-4)。
いずれも6割を超えており、候補者のスキル情報把握や育成計画の策定に取り組む企業は一定数存在することが分かる。一方、「できている」と明確に回答した企業はいずれも2割未満で、「ややできている」が中心となっている。このことから、候補者のスキルを把握し、育成計画を策定するという土台は一定程度整いつつあるものの、企業全体として確度の高い仕組みとして定着しているとはまだ言い切れない状況が見てとれる。
【図表4‐4】社内人材のスキル情報の把握・候補者の育成計画の策定

「戦略的思考力」を求める企業が5割、一方で経営視点を育てる仕組みは道半ば
ここまで、次世代リーダー育成のターゲットや候補人材の発掘・育成の仕組みを見てきた。では、実際に選抜した候補者に対して、企業はどのような能力を求め、どのような経験を積ませているのだろうか。
次世代リーダー候補者に重視するスキル・特性では、「リーダーシップ・影響力」が68%で最も高く、次いで「コミュニケーション能力」が61%、「戦略的思考力・ビジョン構築力」が50%、「組織・人材マネジメント」が47%となっている(図表5-1)。
対人能力や組織を動かす力とともに、「戦略的思考力・ビジョン構築力」が半数の企業から挙げられていることから、次世代リーダーには目の前の業務を管理するだけでなく、組織や事業を俯瞰し、将来の方向性を描く力が求められていることが分かる。
一方、「財務・会計の知識」は20%にとどまっており、経営に必要なハードスキルを重視する企業は相対的に少ない。次世代リーダーに求められているのは、個別の専門知識だけではなく、それらを踏まえて全体を捉え、判断する能力であると考えられる。
【図表5‐1】次世代リーダー候補者に重視するスキル・特性

次世代リーダー育成・確保の施策として最も重視することを聞いたところ、「挑戦的な任務・プロジェクトへのアサイン」が35%で最も多く、次いで「体系的な研修プログラム」が31%、「育成対象者に対するキャリア支援」が17%となった(図表5-2)。
なお、昨年調査では「体系的な研修プログラム」が最多だったのに対し、今年は「挑戦的な任務・プロジェクトへのアサイン」が上回った。次世代リーダー育成において、研修による知識・スキルの習得だけでなく、実務を通じてリーダーとしての経験を積ませることを重視する方向へ変化していることがうかがえる。
【図表5‐2】次世代リーダー育成・確保の施策として最も重視すること

続いて、候補者に経験を積ませるための意図的なアサインメントについて見ていくと、最も多かったのは「部門を横断したプロジェクトへの参画」で51%、次いで「全社的な変革プロジェクトのリーダー」が31%、「新規事業の立ち上げ」が28%、「重要顧客・大型案件のリーダー」と「国内関連会社・子会社への出向」がともに26%となった(図表5-3)。
上位には、単一の部署や既存業務の範囲を超えた経験を積ませる施策が並んでいる。特に部門横断プロジェクトへの参画は半数を超えており、次世代リーダー候補に対して、複数部門を俯瞰し、立場の異なるメンバーをまとめる経験を付与している企業が多いことが分かる。
一方、「意図的なアサインメントは行っていない」も17%となっている。実践経験を重視する企業が増える中で、候補者にどのような経験を積ませるのかを意図的に設計することは、引き続き課題と言える。
【図表5‐3】経験を積ませるための意図的なアサインメント

選抜型研修の内容では、「リーダーシップ研修」が61%で最も多く、「組織・人材マネジメントに関する研修」が36%で続いた。リーダーシップや組織・人材マネジメントなど、管理職として人を動かすための能力を扱う研修が中心となっているようだ。
一方、「経営戦略・事業戦略の立案に関する研修」は27%、「財務・会計に関する研修」は19%にとどまり、経営に直結する知識・視点を体系的に学ぶ研修は3割未満にとどまっている(図表5-4)。
【図表5‐4】選抜型研修の内容

続いて、若手・中堅が「経営視点」を持つための仕組み・機会について見ていく。「経営指標の開示・共有」が最多で35%、次いで「経営計画等の策定プロセスへの参画」が34%、「経営会議への陪席・議事共有」が32%、「経営層への事業提案・提言の機会」が25%などとなっている。一方、「特に行っていない」は17%であり、8割以上の企業が何らかの仕組み・機会を設けている(図表5-5)。
ただし、個々の仕組みの実施率はいずれも3割台にとどまり、1社あたりの実施数は平均2項目程度である。経営指標を知る、中期経営計画の策定に関わる、経営会議の情報に触れるといった「経営の現場に近づく機会」は一定程度設けられているものの、複数の機会や仕組みを組み合わせて経営視点を計画的に育てている企業は限られていることがうかがえる。
【図表5‐5】若手・中堅が「経営視点」を持つための仕組み・機会

【図表5-1】の次世代リーダー候補者に重視するスキル・特性で、「戦略的思考力・ビジョン構築力」を重視する企業が半数に達していたことを踏まえると、求める能力に対して、それを育てる機会の設計は道半ばといえる。次世代リーダーに経営視点を求めながら、その視点を身につけるための機会をどのように設計するかが、今後の育成における重要なテーマとなりそうだ。
そこで次章では、実際に成果が出ている企業では、こうした「経営視点の醸成」や候補者の育成にどのような特徴があるのかを見ていく。
6割が「能力・スキル向上」の成果実感、経営視点の醸成や候補者への計画的な経験付与が成果と関連
ここからは、次世代リーダー育成の成果を見ていく。各成果項目について、「成果が出ている」と「やや成果が出ている」の合計割合を見ると、「能力・スキル向上」が60%で最も高く、次いで「経営視点の強化」が55%、「期待ポストへの就任」が54%、「部門間連携の強化」が53%、「パフォーマンス向上」が52%、「エンゲージメント向上」が51%となった。また、「新事業・変革の推進」は44%となっている(図表6-1)。
全体として、各項目で成果を実感している企業は5割前後となっている。ただし、「成果が出ている」と明確に回答した企業はいずれも1割程度であり、「やや成果が出ている」が成果実感を押し上げた結果だ。
【図表6‐1】次世代リーダー育成の成果

次に、次世代リーダー育成の最終成果である「期待ポストへの就任」と、その前段となる「経営視点の強化」の2指標について、具体的な取り組みとの関係を分析していく。
まず、「経営視点の強化」に関する成果別に、経営視点を持つための仕組み・機会を見ると、「経営指標の開示・共有」は成果が出ている企業では45%、それ以外では22%となり、23ポイントの差が開いた。また「経営計画等の策定プロセスへの参画」も、成果が出ている企業の42%に対し、それ以外では24%となり、18ポイントの差となった。また、「特に行っていない」は成果が出ている企業の5%に対して、それ以外では31%となった。
一方で「経営会議への陪席・議事共有」は、成果が出ている企業の34%に対して、それ以外では29%と差が比較的小さくなっている(図表6-2)。
この結果から、経営指標の開示・共有や経営計画の策定プロセスへの参画といった、候補者自身が経営情報を扱い、意思決定に関わる機会を設けている企業ほど成果を実感していることがうかがえる。
【図表6‐2】「経営視点の強化」成果別 経営視点を持つための仕組み・機会

次に、「経営視点の強化」に関する成果別に、意図的なアサインメントの実施状況を比較する。「全社的な変革プロジェクトのリーダー」は、成果が出ている企業の42%に対し、それ以外では18%と24ポイントの差が開いた。そのほか、「新規事業の立ち上げ」も35%に対して20%、「重要顧客・大型案件のリーダー」も32%に対して18%となっている。また、「部門を横断したプロジェクトへの参画」も58%に対して43%と、全社視点を必要とする挑戦的なアサインメントは、いずれも成果が出ている企業の方が、実施率が高くなっている(図表6-3)。
【図表5-2】では「挑戦的な任務・プロジェクトへのアサイン」が育成施策のトップとなり、昨年から変化が見られたが、その傾向が「経営視点の強化」に関する成果の面からも裏付けられる結果となった。
【図表6‐3】「経営視点の強化」成果別 意図的なアサインメント

続いて、より直接的な成果である「期待ポストへの就任」と、候補人材の層を厚くするための施策との関係を見てみる。「ハイポテンシャル人材の早期発掘」は、成果が出ている企業では48%だったのに対し、それ以外では13%となり、35ポイントもの差が開いた。また「社内公募・手挙げ制度」も、成果が出ている企業が28%、それ以外では19%となっている。一方、「特に取り組んでいる施策はない」は成果が出ている企業の2%に対し、それ以外では17%となった(図表6-4)。
【図表4-3】では、実際の選抜・育成開始年齢は「30代」が58%で中心となっており、20代からの選抜は11%にとどまっていた。しかし、期待ポストへの就任という成果が出ている企業では、ハイポテンシャル人材を早期から発掘している割合が非常に高くなっていることが分かる。このことから、リーダーポストに就く人材を必要になってから探すのではなく、若手・中堅の段階から将来性のある人材を見つけ、候補者として育成しておくことが、次世代リーダー育成の成果に大きく影響する可能性がうかがえる。
【図表6‐4】「期待ポストへの就任」成果別 候補人材の層を厚くするための施策

また、「期待ポストへの就任」の成果別に、候補者を選抜した後の育成計画に着目すると、成果が出ている企業では「できている」、「ややできている」の合計が79%となった。一方、それ以外の企業では40%にとどまり、約2倍の差が開いた(図表6-5)。
候補者を発掘・選抜したのち、実際のポスト就任につなげるためにどのような能力を伸ばすのか、どのような研修や配置を経験させるのかを候補者ごとに計画し、実行していくことが重要であると見てとれる。
【図表 6‐5】「期待ポストへの就任」成果別 候補者の育成計画の策定

「期待ポストへの就任」の成果別に経営層の関与との関係についても見てみる。
「経営層が方針・候補者選定に関与している」について、「できている」と「ややできている」を合わせると、成果が出ている企業では90%に達した。一方、それ以外の企業では55%となり、35ポイントの差が開いている(図表6-6)。
次世代リーダー育成を進めていく上で、その最終的な登用判断に関わる経営層が候補者の選定や育成方針に継続的に関与することが、期待ポストへの就任という成果につながっていることがうかがえる。
なお、【図表3-1】で見たように、中小企業では専任部署を置く代わりに「経営層が直接主導」する企業が36%となっていた。経営層の関与は、体制面で制約のある企業にとっては必ずしも弱みになるのではなく、次世代リーダー育成を前に進めるための強みにもなり得ると考えられる。
【図表6-6】「期待ポストへの就任」成果別 経営層の関与

「次世代リーダー育成」に関する自由意見
最後に、「次世代リーダー育成」に関する意見のフリーコメントから代表的なものを抜粋し以下に紹介する(図表7)。
【図表7】「次世代リーダー育成」に関する自由意見(一部抜粋)
| 「次世代リーダーの育成」に関する自由意見 | 従業員規模 | 業種 |
|---|---|---|
| 新卒、中途採用いずれもリーダー候補として同様に扱っているが、なかなかうまくいかないのが現状である | 1,001名以上 | サービス |
| 育成を考える前提にリーダー候補となるべき人材がいない | 1,001名以上 | 情報・通信 |
| テクノロジーの進化が速い現代において、リーダーにはデジタルリテラシーに加え、周囲を巻き込む推進力が求められていると感じます。外部の専門的な研修や、他社との交流などを通じて、社内の固定観念にとらわれない柔軟な思考を養う機会を増やしてほしいです | 1,001名以上 | 運輸・不動産・エネルギー |
| 行き当たりばったりで任命しているところがあるので、きちんと仕組み化し、能力がある人材を育成していきたい | 1,001名以上 | 情報・通信 |
| 経営トップからの推薦、指名により、対象者を絞り込んで育成していく方法が一般的かと考えます | 301~1,000名 | 商社・流通 |
| 新規採用、若手のキヤリア採用による母集団形成と突き上げが大事 | 301~1,000名 | メーカー |
| 現在は抜擢する側のリテラシーに問題があり、次世代リーダーと目される人材の抜擢は営業偏重かつ大口顧客の担当営業が多い。社業に大きく貢献できる人材を抜擢するには全ての部門の正確な貢献者と貢献度合いを見極める必要がある。それがないと社内での納得を得ることができず、正常な組織運営に支障をきたす事態を懸念する | 301~1,000名 | サービス |
| 現場のマネジメントは若いうちから関連部署の経験を挙げて横異動させようとしているが、専門性を磨いて見える世界を広げた方が、後々のキャリアの拡大に結び付くように思われる | 301~1,000名 | 情報・通信 |
| キーポジションの前にAI等の先端技術の使用を平行に考えて、CXOが企業の目指すべき方向性・キーポジションを示さないと画に描いた餅になる。現場と連動した意識改革が必要 | 301~1,000名 | メーカー |
| 採用が継続的ではなく、年代差が大きいことの改善が先決 | 300名以下 | サービス |
| 社員がやる気を感じられる機会を与えるのが会社の責務 | 300名以下 | メーカー |
| 中小企業だと、本人の意思というより会社の意思や思惑で事が進んでしまう。新しい意見を入れるというより、グループの理念を引き継いでくれる人が自ずと選ばれる | 300名以下 | 金融 |
| 経験学習を通じて成長する前提で育成方針を検討しているため、現場任せになりやすい | 300名以下 | メーカー |
| 会社が継続して成長するためには重要な取り組みであり、特に、管理職へのなり手が減少しており、計画的な育成が必要になっている | 300名以下 | メーカー |
| 昭和のたたき上げでの育成には限界があることを、上層部(特にたたき上げで育ってき50代以上)がまずはマインドチェンジする必要がある | 300名以下 | サービス |
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【調査概要】
アンケート名称:【HR総研】次世代リーダーの育成に関するアンケート
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2026年7月13~19日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者・担当者
有効回答:238件
※HR総研では、人事の皆様の業務改善や経営に貢献する調査を実施しております。本レポート内容は、会員の皆様の活動に役立てるために引用、参照いただけます。その場合、下記要項にてお願いいたします。
1)出典の明記:「ProFuture株式会社/HR総研」
2)当調査のURL記載、またはリンク設定
3)HR総研へのご連絡
・会社名、部署・役職、氏名、連絡先
・引用元名称(調査レポートURL) と引用項目(図表No)
・目的
Eメール:souken@hrpro.co.jp
※HR総研では、当調査に関わる集計データのご提供(有償)を行っております。
詳細につきましては、上記メールアドレスまでお問合せください。
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