「年齢の高い社員をどのように勤務させるべきか」。昨今の企業が抱える重要な経営課題のひとつである。しかしながら、このテーマに十分な対応ができている企業ばかりではない。そこで、今回から3回にわたり、企業における「シニア人材の活用」について整理をしたい。果たして、企業は社員の高齢化とどのように向き合えばよいのか。高齢社員の積極活用を行う企業の事例を踏まえながら、シニア人材に対する企業のあるべき取り組み姿勢を考察してみよう。
【シニア雇用の課題とメリット:1】なぜ企業には「シニア人材」が必要か

人材確保の困難化に繋がる人口減少

現在、人手不足に頭を抱える企業は数多い。最大の理由は、わが国の人口減少が著しいことにある。

日本の出生数は第1次ベビーブーム中の1949年に2,696,638人でピークを迎え、その後に低下が始まった(令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況/厚生労働省)。近年でも低下傾向には歯止めがかからず、2024年には686,173人にまで減少している(同概況)。実にピーク時の4分の1程度にまで下がった計算だ。


「出生数」のピーク時から現在までの推移
出生数の減少は労働力人口(15歳以上の人口のうち就業者と完全失業者の合計)の減少に直結する。そのため、企業規模の大小などにかかわらず、若年層の新規採用は年々困難化を極めているようだ。

新卒採用者の早期離職で人手不足に

人手不足感が強い原因には、若年人材の早期離職が顕著な点も上げられる。

学卒新入社員が入社3年以内に離職する割合は、最終学歴の相違にかかわらずかなり以前から高い傾向にあった(学歴別就職後3年以内離職率の推移/厚生労働省)。この傾向は近年も継続しており、一貫して3割以上の若者が入社から3年以内に勤務継続を断念している(同推移)。
近年の「就業後3年以内の離職率」の推移
以上のように、人口減少による採用の困難化や若年者の早期離職傾向などに起因し、企業の人材確保は厳しさを増している。このような問題に対応する手法のひとつとして、高齢社員の活用が挙げられるであろう。

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