「食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。」を理念として掲げるハウス食品グループ。110年の歴史ある同グループは、国内シェア1位を誇るルウカレーなどの香辛・調味加工食品事業を筆頭に、健康食品事業、海外食品事業、外食事業など、食に関わる幅広い事業を展開しています。

食を取り巻くビジネス環境の変化に伴い、ハウス食品グループでは「お客様への責任」「社員とその家族への責任」「社会への責任」の3つの責任全てにおいて自ら新しい価値創出をできるクオリティ企業への変革を掲げて様々な取り組みを進めています。その中で「社員とその家族への責任」として掲げているのがダイバーシティの実現です。多彩な人材が個性を発揮して活躍できるように、制度や仕組みの整備を大胆に行っています。その一環として力を入れているのが、「適性開発」の取り組みです。

今回、ハウス食品グループ本社株式会社 人材戦略部長 福島宏行氏と人材戦略部 学習機会開発課長 新見拓平氏、そして越境学習プログラムを担当する特定非営利活動法人 二枚目の名刺 白石和彦氏に、株式会社マネジメントサービスセンター(MSC)の町田圭が、ハウス食品グループのダイバーシティ推進の背景にある経営戦略や理念、「多様性」の捉え方、「適性開発」の考え方、具体的な取り組みである「越境学習」の内容と成果について、お話しを伺いました。(以下敬称略)


プロフィール


  •  福島宏行 氏

    ハウス食品グループ本社株式会社 人材戦略部長
    福島宏行 氏

    大学卒業後、1989年にハウス食品株式会社に入社。入社以来27年間人事業務に従事した後、2016年からハウス食品グループ本社監査部長、2019年から㈱ヴォークス・トレーディング取締役管理本部長を経て、2021年ハウス食品取締役管理本部長に就任。2023年からはハウス食品グループ本社人材戦略部長も兼務。社員およびグループの成長に向けたダイバーシティを実現すべく、組織・人事変革に邁進している。

  • 新見拓平 氏

    ハウス食品グループ本社株式会社人材戦略部 学習機会開発課長
    新見拓平 氏

    大学卒業後、2006年にハウス食品株式会社へ入社。家庭用製品の営業を担当した後、ハウス食品人事部(当時名称)へ異動。採用、人事企画、労務業務を経験し、2019年にハウスビジネスパートナーズ㈱へ出向のうえ、人事ユニットマネージャーを務める。2022年より現職にて、ハウス食品グループ全体の人材育成方針の策定、学習機会の企画・運営を担当している。

  • 白石和彦 氏

    特定非営利活動法人 二枚目の名刺 サポートプロジェクト 事務局
    白石和彦 氏

    1987年花王㈱入社、主に販売部門のマーケティング部門で衣料用洗剤「アタック」等のブランド販売戦略立案と実行の業務にあたる。50才の時のキャリア研修で内省。今後の人生のテーマを「感謝と恩返し」とし、2014年NPO団体への中間支援を行う「NPO法人 二枚目の名刺」へ参画。2020年早期定年退職し、現在に至る。事務局担当としてサポートプロジェクトの計画立案・運営を行う。

  • 町田圭

    株式会社マネジメントサービスセンター 営業本部 大阪営業部 マネジャー
    町田圭

    大学卒業後、総合人材サービス会社を経て、2007年に株式会社マネジメントサービスセンター入社。製造業を中心にクライアントが抱える組織問題の解決に従事する。その傍ら、2018年に国内ビジネススクールにてMBA取得。その後も越境活動の一環として、2021年からNPO法人二枚目の名刺に参画。また、子どもたちのキャリア教育を社会課題として活動するNPO法人xTReeE(クロスツリー)では常務理事として法人経営に携わっている。

町田様・新見様・福島様・白石様

「クオリティ企業への変革」に向け、ダイバーシティを推進

町田:まずは、貴社のビジネスや経営戦略についてお聞かせください。

福島:ハウス食品グループは、2023年に創業110周年となります。1963年に発売されたバーモントカレーが大ヒットして以降、ラーメンやシチュー、スナック、デザートなど様々なカテゴリーに事業を展開し、総合食品メーカーとして成長をしてきました。

やがて市場が成熟化する中で、2003年より3カ年の中期経営計画を導入しました。第四次計画までは、膨れ上がったカテゴリーの選択と集中という戦略を取りましたが、2011年に起こった東日本大震災を契機に食の外部化が進み、内食を中心とした既存事業の持続性に懸念を抱きました。そのため、これまでの考え方や中期計画を転換する必要が出てきたのです。そこで第五次からは「クオリティ企業への変革」をグループ方針として掲げ、マーケティングとイノベーションの強化を進めてきました。

また、第五次からメーカー中心の発想だけではなく、バリューチェーン全体に目を向けた戦略を推進してきました。その流れで、直近の第七次では、4つのバリューチェーン(スパイス系、機能性素材系、大豆系、付加価値野菜系)視点で成長戦略を打ち出しています。
福島様
町田:貴社では理念体系もとても大切にされている印象です。ぜひお聞かせください。

福島:グループ理念と「ハウスの意(こころ)」が、大きな理念体系です。まずグループ理念として、「食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。」と掲げています。ハウス食品グループ全体が、この理念のもと活動しています。

そして「ハウスの意(こころ)」は、社是「誠意 創意 熱意を持とう」とハウス十論から構成され、この理念が私たちの拠り所であり、道しるべとなっています。

町田:人材戦略も、経営戦略の転換に連動して変化してきたのでしょうか。

福島:その通りです。人材戦略部として、新しい価値を創出することができる人材の獲得や育成に力を入れ始めました。当社には、真面目な社員が多く、ある程度決まった方針の中で計画を立て、着実に物事を進めるのは得意です。それ自体は悪いことではありませんが、一方で大胆な変革や、ゼロイチの発想は経験がないこともあり不得手です。そこで事業戦略と連動して第五次中期計画から、ダイバーシティの実現を主軸に様々な施策を検討・実行しています。




この後、下記のトピックが続きます。
続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。
●創業110年を迎える歴史ある企業が目指すダイバーシティ推進
●多様性を高める3つの切り口がもたらす、人材育成の変革
●「4つの適性分類」からみえた、人材育成で強化すべき照準とは
●越境学習体験プログラムの参加を通じて変わった、社員の価値観
●多様性の捉え方をグループ全体に浸透させ、より良い人材育成を目指す

提供:株式会社マネジメントサービスセンター
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