テレワーク時のコミュニケーションをスムーズにする5つのポイント

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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの企業がテレワークの導入を始めた。非常事態宣言の解除後も、引き続き在宅勤務を続けている企業も少なくない。テレワークは業務効率が上がるメリットがある一方で、コミュニケーションの面で課題も多い。非常事態宣言下に組織学会とHR総研が実施した調査によると、およそ半数の企業が「従業員への意思伝達が難しくなった」、「従業員同士の意思疎通が難しくなった」、「部門間の連携が難しくなった」と回答している。テレワーク時でも問題なくコミュニケーションを取るうえで、どのような点に気をつけなければいけないのか。課題やポイントをいくつか紹介する。

(1)テレワーク時のチャットは相手への配慮がポイント

メールには文頭の挨拶や定型的な締めの文章などを記載するマナーがある。チャットツールでは、そのようなかしこまった挨拶は不要。普段の会話のような調子で分からないことを聞けるのがチャットツールの長所だ。

スムーズなコミュニケーションには、できるだけ早く、端的にやり取りするのがポイントだが、決してそうはいかない場合がある。これこそが、テレワーク時に「コミュニケーションが円滑に進まない」と感じる大きな理由のひとつ。

例えば、業務で何か分からないことがあるとき、オフィスで働いている際は声を上げるだけで誰かがすぐに答えてくれる。チャットツールはオフィス内での立ち話のような近距離でのコミュニケーションを代替するものだが、オフィスで働いているときのように、チャットをすれば誰かがすぐにそれに応えてくれるかというと、そうとは限らない。

受け取る側からすれば、リアルな会話と違ってチャットの書き込みに「すぐ気がつかない」ことがある。チャットでのやり取りは、「すぐに返信できない場合がある」という点を改めて意識し、何かを聞くときは「そのうち返信があるだろう」というくらいの気持ちでいる方がよい。そのほうが焦らず仕事を進めていくことができる。

また、「作業に集中していて、すぐには返信できない」ケースもあるだろう。この場合、「少し待って欲しい」といった一言を返すようにしたい。相手も、メッセージを確認していることを把握でき、やきもきしながら待たなくて済む。このような、お互いが見えないからこその配慮が、コミュニケーションを円滑にするポイントだ。

(2)部下は分かりやすく、上司は素早くチャットせよ

チャットによる部下と上司のコミュニケーションではどうだろうか。例えば、部下が分からない点を上司に聞く際は、何が分からないかを整理して、読みやすくわかりやすい文章にまとめるという工夫をした方がよい。いくら、かしこまらなくてよいからと、五月雨式でとりとめのない話をしても、「何を言っているのか分からない」と思われ、送ったチャットの返信を後回しにされてしまう可能性がある。要点を冒頭に持っていき、自分が聞きたいことを整理してチャットを送らなければ、上司はあなたが抱えている問題をすぐには理解できないだろう。

一方、上司は部署のメンバーが何かを聞きたいと思ってチャットに書き込みをしていたら、率先して回答して、指導するべきだろう。テレワークの環境では、上司は自身が抱えている業務を可能な限り部下に割り振って、サポート役に徹するべきだ。オフィスで働いていたときのように、いつでも部下からの相談に応じられる上司をテレワークで実践することで、部下のコミュニケーションに対するストレスも緩和されるだろう。

(3)ビデオ会議は映像をオンに

テレワークでは、チャット以外にもWeb経由の映像と音声で会話を行う「ビデオ会議」によるコミュニケーションが欠かせない。映像や音声をオフにして参加できるが、できる限りオンにして、お互いの表情を確認しながら会話するようにしよう。

チャットよりも一体感やチームワークを感じながら、コミュニケーションを取ることができる。また、お互いの体調やメンタルヘルスを確認できるというメリットもある。

(4)見えないからこそ、進捗状況の共有と予定表をこまめにチェック

テレワーク時は、姿が見えないという不安も付きまとう。だからこそ、自分の業務内容をこまめに上司や部署内に共有することで、お互い安心感を持った状態で仕事を進めることができるだろう。また、誰かに相談したい際は、チャットに書き込む前に相手の予定表をオンラインで確認しよう。相手が会議中や作業中の場合は、空いている時間を確認し、その時間に聞くようにすれば、ストレスを感じることなく短時間で答えを得られる。

そして、自分自身の予定をオンライン上の予定表にすべて書き込んでおくことも忘れてはいけない。一人で作業している時間でも、何も予定を入れないでいると、会議や打ち合わせの予定が入り、業務効率の低下を招く可能性もある。

(5)雑談も大事なコミュニケーション

テレワークでは自宅の居心地の良い場所で仕事ができ、電話もかかってこないので、オフィスで仕事をするよりも効率が上がる場合も多い。夕方に振り返ってみると、自分でも驚くほどの量の仕事をこなしていたということもあるだろう。効率が上がることは良いことだが、業務に長い時間集中することには気をつけた方が良い。

同じ姿勢でディスプレイを見ながら手を動かし続けていると、肩や腰に大きな負担がかかる。集中している間は気にならないが、仕事が終わったときにどっと疲れを感じるはずだ。そして、そのような状態が続くと、ストレスが溜まり、体調に異変をきたすこともある。テレワークに慣れてきたら、1時間ごとに休憩を取るなど、働き過ぎに注意した方がよい。

テレワークは体だけでなく、孤独での仕事を強いられるため精神的な負担がかかる場合も多い。隣に同僚がいないため、社員同士の会話も、出社時と比べて減少していることは想像に難くない。心の不安を取り除くためにも、少し時間を見つけ、同僚とチャットやビデオ会議で意図的に雑談することも、テレワーク時のコミュニケーションのポイントと言える。

冒頭で述べたように、新型コロナウイルスの感染拡大が終息したとしても、テレワークを基本的な働き方とする企業は少なくないだろう。オフィスには週1回、あるいは月に数回顔を出すだけという形になる可能性もある。中には、テレワークを「コロナウイルスが終息するまでの間に合わせ」と考えている企業もいるかもしれない。しかし、テレワークには業務効率の向上やコスト削減など様々なメリットもある。テレワークにはコミュニケーションにおける課題もあるが、今回紹介した相手に配慮した行動を取ることで、円滑にコミュニケーションを図れ、テレワークならではの生産性の高い仕事を実現できるだろう。

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HRプロ編集部

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