2024年12月時点で文系3割、理系2割が既に内定承諾

ここからは、2024年12月時点の内定(内々定)の取得状況を見てみましょう。既に内定を受けた社数を聞いたところ、「0社」と回答したのは文系で73%、理系で65%でした[図表9]。つまり、残りの文系27%、理系35%は既に内定を受けているということになります。内定取得のペースは理系のほうがやや上回るものの、文系でも内定率は3割近くになっています。最も多い内定社数は「1社」で、文系18%、理系20%といずれも2割程度となっています。理系では「3社」が「2社」(8%)と同程度の7%もいるほか、文系では「4~6社」「7~9社」も1%とわずかながらもいることに驚きます。企業の内定出しのタイミングは確実に早まっています。
[図表9]既に内定を受けた社数(2024年12月時点)
内定保有者のうち、インターンシップ経由での内定状況を確認しました。インターンシップ経由での内定が「0社」だと回答したのは、文系で21%、理系で19%とどちらも約2割となっており、残りの約8割はインターンシップ経由で内定を受けていることになります[図表10]。最も多いのは、文系・理系ともに「1社」で、それぞれ50%、59%と5~6割を占めています。文系では、「4~6社」「7~9社」がそれぞれ4%となっており、前記[図表9]で「4~6社」「7~9社」を選択した人はすべてインターンシップ経由での内定だったことが分かります。早期内定に占めるインターンシップ経由の割合は、きわめて高いことがうかがえます。
[図表10]内定保有者におけるインターンシップ経由の内定社数(2024年12月時点)
企業の内定出しが前倒し傾向にありますが、学生は早期に内定を受けて、就職活動を終了するものなのでしょうか。内定保有者を対象に、受けた内定に対しての承諾状況を確認したところ、「まだ決めかねており、就職活動を続ける」とする学生が最も多く、文系で57%、理系で59%といずれも6割近くになっています[図表11]。ただ、残りの約4割の学生は就職活動を終了したということになりますので、企業が内定出しを急ぐ理由は確かにありそうです。

就職活動を終了した学生の中では「内定承諾した」が最も多く、文系29%、理系19%と文系のほうが10ポイント高くなっています。かつては、卒業研究・実験等で多忙な理系学生のほうが、就職活動を早く終わらせたいとの思いが強く、早期内定に対する承諾率も高くなりがちでしたが、今回の調査では文系が理系を上回り、その傾向が異なってきているようです。
[図表11]内定承諾状況(2024年12月時点)

理系学生の8割が自身の専門性と仕事内容の親和性を重視

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