超早期化のはざまで揺れる学生のリアル
デジタル化が進む一方で、長期化・過酷化する選考プロセスそのものが学生の心身や生活に落とす影も無視できません。選考の節目で生じる心の機微や、早期化に伴う葛藤を捉えた【佳作】2作品も見ていきましょう。御社から 我が社に変わる 照れくささ(群馬県 ゆうちゃんさん)
長い選考プロセスを突破して内定を獲得し、最終的な承諾に至る節目において、敬称であり心理的距離があった「御社」という呼称が、帰属意識の芽生えとともに当事者としての「我が社」へと移行する瞬間の心の機微を捉えた一句です。呼称の変化という具体的な現象に着目することで、学生という身分の終焉(しゅうえん)と、1人の社会人として組織に帰属する責任と誇らしさを丁寧に描写しています。多くの就活生が経験する普遍的な成長のプロセスと心情の移り変わりがみずみずしく表現されており、誰もが深く共感できる普遍性を備えています。
早期化で 秋より先に 飽きが来る(東京都 夢は定年退職さん)
実質的な初期選考として機能するインターンシップがさらに前倒しされ、1年以上にわたる就職活動の長期化・通年化が常態化したことの弊害を、「秋」と「飽き」という掛詞(かけことば)を用いて表現した一句です。サマーインターンシップが真っ盛りの大学3年の「夏」が過ぎるころには、長期に及ぶ過度なプレッシャーと情報戦にさらされることで、学生側のモチベーションや精神的なキャパシティーが限界に達してしまう実態を風刺しています。過酷な就職戦線のゆがみが生み出す深刻な精神的疲労を、軽快な語感の中に的確かつ客観的にまとめています。
「2027年卒 就活川柳・短歌」の入選作品に通底するのは、「AI」や「早期化」といった急激なトレンドや変化に対して、客観的かつ合理的に自らをアジャストさせようとする学生たちのたくましさです。しかし、彼らの冷静な風刺やユーモアの裏には、効率性を追求するほど「生身の自分」が不透明になっていく不条理や、通年採用の長期化による精神的消耗が隠されています。
![[図表2]就活生による「2027年卒 就活川柳・短歌」入選作品](https://img.hrpro.co.jp/images/tokushu/hr_tokushu_photo_4786_6_6F57BW.jpg)
■HR総研 「2027年卒 採用川柳・短歌/就活川柳・短歌」オフィシャルページ
こちらからご覧ください ⇒ https://hr-souken.jp/senryu2027/
