自律的なキャリア形成の重要性が高まる一方、自身の将来像を具体的に描けている社員は必ずしも多くない。株式会社NTTドコモの社内調査でも、自律的にキャリアを描けていると回答した社員は5割弱にとどまった。そこで同社は、人事AIレコメンド基盤「Job-Voyage」上に、現状の棚卸し、目指す姿の明確化、行動提案をそれぞれ担う複数のAIエージェントを構築。社員は前田義晃社長のアバターと対話しながら、自身のキャリアを整理する。人事データを参照した個別の対話支援を、約2万5,000人のグループ社員に提供する取り組みだ。第11回HRテクノロジー大賞「人事システム部門優秀賞」を受賞した本施策について、プロジェクトを人事や開発の面から主導した郡氏、藤村氏、田中氏、實成氏に、取り組みの概要や経緯のほか、社員のキャリア自律を促すポイントや会社の方針と社員の希望をつなぐ仕掛けなどを伺った。

第11回 HRテクノロジー大賞『人事システム部門優秀賞』

株式会社NTTドコモ

マルチAIエージェントによる大規模な自律的キャリア開発支援プラットフォームの構築

AIが対話形式で社員の自律的なキャリア形成を支援するプラットフォームを構築。人事AI基盤『Job-Voyage』上に複数の役割特化型AIを搭載し、現状の可視化から目標設定、行動提案までを伴走。グループ社員約2万5千名に対して社長をモチーフとしたアバターとの音声対話機能により気軽に相談できる環境を提供。社内研修の行動提案を受けた対象者の半数以上が実際の学習に移るなど、社員のキャリア自律を促し組織全体の適材適所と事業成長の好循環を支える優れた取り組みであると高く評価されました。

プロフィール

  • 郡 康之 氏

    郡 康之 氏

    株式会社NTTドコモ
    総務人事部
    人事戦略 担当部長

    株式会社NTTドコモに新卒で入社。人事運用、人事制度、給与制度など本社、地域支社の各人事セクションを経験し、2025年7月より 総務人事部 人事戦略担当部長に着任。AIファーストの人事業務に向けたHRシステム改革をリードし、人的資本経営の推進に取り組む。

  • 藤村 卓朗 氏

    藤村 卓朗 氏

    株式会社NTTドコモ
    総務人事部
    人事戦略 HRtech担当課長

    2012年にNTTドコモに新卒で入社。インフラエンジニアとして長くドコモのコアネットワーク建設/運用業務に従事し、東北支社 経営企画を経て2025年7月より現職。ドコモグループのデータドリブンな人事の実現に向け、HR×テクノロジー領域で多様なプロジェクトを推進している。

  • 田中 宏昌 氏

    田中 宏昌 氏

    株式会社NTTドコモ
    総務人事部
    人事戦略 HRtech担当

    2018年にNTTドコモの先進技術研究所に新卒で入社し、AIや機械学習に関する様々なプロジェクトに参画。業務の傍ら組織論の工学的アプローチからの研究で博士号を取得。現在はその専門性を活かしてHR領域でのAIを用いたプロダクト開発をリード。

  • 實成 優馬 氏

    實成 優馬 氏

    株式会社NTTドコモ(取材当時)
    クロステック開発部

    2019年にNTTドコモの先進技術研究所に新卒で入社。データサイエンティストとして画像認識・テキスト解析等のAIを活用したプロジェクトを推進。現在はLLMやマルチエージェントを導入した新規サービス開発を、企画立ち上げから導入・検証まで一貫して主導。

NTTドコモグループ約2万5,000人のキャリア形成を支援するAIを活用した社長アバターとの対話――「自律を促す対話」や「会社と社員をつなぐ」仕掛けとは

AIを活用したキャリア開発はいかにして始まったのか

――まずは、今回受賞された「マルチAIエージェントによる大規模な自律的キャリア開発支援プラットフォームの構築」の取り組み概要を教えてください。

藤村氏:
当社が独自に開発した人事AIレコメンド基盤「Job-Voyage」に、複数のAIエージェントが連携するキャリア開発支援機能を構築しました。社員の人事データを活用しながら対話を進め、現状を示す「As Is」と、目指す姿を示す「To Be」を整理し、そのギャップを埋める行動を提案する仕組みです。
NTTドコモグループ約2万5,000人のキャリア形成を支援するAIを活用した社長アバターとの対話――「自律を促す対話」や「会社と社員をつなぐ」仕掛けとは

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