ターゲット層獲得にも苦戦する中堅企業

新卒の採用活動では、過去の採用実績や今後の事業展開を基にして、大学層や専攻、資格・保有スキル、志向・性格タイプなどでターゲット層を設定することが通例です。当初設定したターゲット層が現在の内定者の中で占める割合を確認したところ、全体では、「100%」と「90~100%未満」がともに20%で最も多く、次いで「80~90%未満」「70~80%未満」「50~70%未満」がそれぞれ17%、18%、16%で拮抗(きっこう)する結果となりました[図表6]。内定者に占めるターゲット層の割合が「8割以上」(「100%」~「80~90%未満」の合計)の企業が57%と6割近くになっています。

従業員規模別では、「100%」の割合は大企業12%に対して、中堅企業20%、中小企業27%と、意外にも規模が小さい企業ほど高い割合となっています。ただ、大企業は内定者数自体が多いことを踏まえ、「8割以上」で比較してみると、大企業が69%と約7割に上るのに対して、中堅企業53%、中小企業52%と5割超にとどまります。ここでは大企業のほうが他の企業規模よりも高い割合となっており、採用力の違いが垣間見えます。

一方、「70%未満」(「50~70%未満」~「0~30%未満」の合計)の割合で比較してみると、大企業の15%が最も低く、次いで中小企業24%、中堅企業では33%と3社に1社の割合となっています。中堅企業は、内定辞退率で苦戦を強いられているだけでなく、内定者に占めるターゲット層の割合においても苦しい状況となっていることが分かります。もはやターゲット層であるかどうかを厳格な判定基準に据えて内定を出す余裕はなく、とにかく採用計画で設定した数の内定者を集めることに苦心している様子がうかがえます。
[図表6]内定者に占める当初設定したターゲット層の割合
では、ターゲット層を募集・採用するために実施している施策の効果について、定量的に把握できているかを確認したところ、全体では、「一部の施策ごとに定量的に把握している」が27%で最も多く、次いで「施策ごとでなく全体的に定量的に把握している」(23%)となっており、「全ての施策ごとに定量的に把握している」は17%にとどまります[図表7]。「定量的には把握していない」(「定性的(感覚的)に把握している」と「取り組み効果は把握していない」の合計)は33%と3社に1社の割合となっています。

従業員規模別では、大企業と中堅企業では「一部の施策ごとに定量的に把握している」がそれぞれ42%、30%で最も多く、次いで「全ての施策ごとに定量的に把握している」が多くなっています(大企業では「全ての施策ごとに定量的に把握している」と「施策ごとでなく全体的に定量的に把握している」がともに18%)。一方、中小企業では「一部の施策ごとに定量的に把握している」は15%にとどまり、最多は「施策ごとでなく全体的に定量的に把握している」と「定性的(感覚的)に把握している」で、ともに29%となっています。また、「定量的には把握していない」の割合では、大企業の21%に対して、中小企業は48%と半数近くを占めます。中小企業では、何らかの施策を実施しても、その効果について定量的には把握していない企業が圧倒的に多くなっています。
[図表7]ターゲット層採用の施策ごとの取り組み効果の定量的把握状況

大企業の採用活動終了時期は「2025年6月」が最多

2025年12月初旬現在で、2026年卒の採用活動を継続している企業の割合はどうなっているのでしょうか。採用活動の継続状況を確認したところ、全体では「継続している」49%、「終了した」51%と、ほぼ半々になりました[図表8]。従業員規模別で見ても、「継続している」の割合は大企業52%、中堅企業50%、中小企業46%と、大きな差異は見られません。[図表1]の内定者充足率「9割以上」(「100%以上」と「90~100%未満」の合計)の割合が66%と最も高かった大企業が、採用活動の継続率においても僅差とはいえ最も高くなっていることには驚きます。中堅企業と中小企業では、内定者充足率「9割以上」が4割程度(中堅企業43%、中小企業38%)にもかかわらず、採用活動の継続率は5割または5割を下回っていることなります。2026年卒採用を諦め、キャリア採用に舵(かじ)を切ったのか、次の2027年卒採用に軸足を移したのか気になるところですが、採用計画達成が必達目標とは捉えられていない企業が少なくなさそうです。
[図表8]2026年卒採用の活動継続状況
次に、2026年卒の採用活動を「終了した」企業を対象に、終了時期を確認した結果が[図表9]です。全体で最も多かったのは前回調査と同様に「2025年9月」で、26%と4分の1以上を占めます。次いで「2025年6月」(15%)、「2025年10月」(13%)が続きます。採用活動の早期化が叫ばれているものの、「2025年4月まで」(「2024年12月以前」~「2025年3~4月」の合計)に終了した企業は11%にとどまります。採用活動を終了した企業が半数程度であることを考えると、決して多くはありません。採用活動の“早期化”だけでなく、同時に“長期化”が進行していることを表しているといえるでしょう。

従業員規模別に見ると、大企業では「2025年6月」が44%と顕著に高くなっており、「2025年4月まで」に終了した企業が19%と2割近くになっています。中堅企業では「2025年9月」が40%で最多となっており、「2025年4月まで」に終了した企業は大企業よりも4ポイント少ない15%となっています。一方、中小企業では顕著に高い月は存在せず、最も高い「2025年9月」と「2025年10月」でも19%にとどまるとともに、「2025年4月まで」に終了した割合もわずか4%となるなど、他の規模とは異なる傾向を見せています。2026年卒採用でも、前年までと同様に大企業が採用・選考活動を先行し、中堅・中小企業が追いかける構図は変わっていないようです。
[図表9]2026年卒の採用活動終了時期

内定者フォロー施策として増えた「資格取得支援」

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