28卒の採用戦略を練り始めているなら、まず27卒の実績データに目を通してほしい。理系人材の獲得競争、AI活用による人材配置の見直し、採用ターゲット層の再定義——27卒で大企業が何を変え、何を変えなかったのかを検証することが、28卒の戦略の精度を左右する。
HR総研(ProFuture株式会社)は、2026年6月1日~9日に実施した「2027年&2028年新卒採用動向調査(6月)」(有効回答277件)の結果を発表した。学生側も働き方や成長機会、企業との価値観の一致を重視する傾向を強めており、企業にはより柔軟な採用対応が求められる状況が続いている。多くの人事担当者が28卒の採用計画を練り始めている今だからこそ、27卒でどんな変化が起きていたのかを正確に把握しておく必要がある。数字を読み違えれば、28卒での判断が半年、1年遅れることになりかねない。
本記事では、27卒で見えてきた大企業の動き、それが28卒にどうつながっていくのかを読み解いていく。詳細データと考察はHRプロ本編レポートにて公開中、無料会員登録で全文閲覧が可能だ。

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HR総研:2027年&2028年新卒採用動向調査(6月) 結果レポート
【28卒の前に必読】27卒データが示す予兆。大企業の理系増員とAI採用、なぜ今振り返るべきか/HR総研調査ダイジェスト版

理系採用計画数、大企業の3社に1社が「増やす」方針【図表1-2】

大企業の理系採用計画数は「前年並み」が4割前後で最多を占めるものの、「増やす」が34%に達し、「減らす」(わずか3%)を31ポイントも上回る結果となった。文系では「減らす」が「増やす」をわずかに上回る傾向にあるのとは対照的で、専門性を持つ理系人材への需要の高さが数字にはっきりと表れている。他社調査でも、AI活用を見据えた採用規模の見直しに動く大手企業が増えており、理系・専門人材へのシフトは27卒に限った現象ではなく、28卒以降も続く構造変化と見た方がよさそうだ。自社の採用計画数を「前年並み」で組もうとしている担当者は、この理系シフトの流れに取り残されないか確認しておきたい。文系・理系それぞれの詳細な内訳や中堅・中小企業との比較データは、本調査レポートの図表1-1・1-2で確認できる。

【図表1-2】2027年4月入社の大卒(大学院含む)採用計画数 理系

【図表1-2】2027年4月入社の大卒(大学院含む)採用計画数 理系

内定者充足率、大企業でも7割は「まだ採用継続中」【図表1-3】

2026年6月時点の内定者充足率を見ると、大企業では「既に80%以上を確保」した企業が43%、「60%以上確保」まで含めると70%に達している。裏を返せば、この時点でまだ3割の企業が充足率60%未満にとどまっており、27卒採用が「現在進行中」の企業が多数派であることがうかがえる。この「早期化しても長期化する」という状況は、28卒でさらに顕著になる可能性がある。すでに28卒学生向けインターンシップは大企業で2026年8〜9月にピークが来る予定で、選考スタートの前倒しはより一段進むと見られているからだ。自社の27卒採用がどの段階で足踏みしたのか、充足率の段階別データ(120%以上〜まだ内定を出していない、まで)を本調査レポートの図表1-3で振り返り、28卒の採用スケジュールに反映させたい。

【図表1-3】2027年4月入社の採用計画に対する現時点での内定者充足率

【図表1-3】2027年4月入社の採用計画に対する現時点での内定者充足率

AI活用による人材の増強・削減、大企業の72%が「あり」【図表2-1】

採用計画数を「増やす」または「減らす」とした大企業のうち、72%が「AI活用による特定業務・部門での人材の増強・削減がある」と回答した。これは中堅企業(23%)、中小企業(11%)と比べて圧倒的に高く、大企業ではAIの進展・普及を踏まえた人材配置の検討が実務レベルで先行していることを示している。他調査でも、AI活用を組織的に推進する企業の約9割が新卒採用戦略を再検討し、約6割が実際に採用規模を縮小したとの結果が出ており、この流れは28卒でさらに顕在化する可能性が高い。実際、28卒採用でも大企業の56%が「AIを導入・活用する採用業務が拡大していく」と予測している。自社の28卒採用計画に、どの業務・部門をAI前提で組み立てるかの検討軸をまだ持っていない場合、本調査レポートの図表2-1にある業務別の増強・削減データが設計の参考になるはずだ。

【図表2-1】27卒採用で、AI活用による特定業務・部門での必要な人材の増強・削減の有無

【図表2-1】27卒採用で、AI活用による特定業務・部門での必要な人材の増強・削減の有無

ターゲット層見直し、大企業の70%が前向き姿勢【図表2-2】

AI活用を踏まえた新卒採用ターゲット層の見直しについて、大企業では「既に見直した」とする企業が合計44%に上り、「2028年新卒採用以降で見直す予定」の26%まで含めると、見直しに前向きな姿勢を持つ企業は70%に達した。つまり、大企業の4社に1社は、まさにこれから始まる28卒採用のタイミングで初めてターゲット層の見直しに着手する計算だ。中堅企業でも前向きな割合は45%と半数近くに上っており、企業規模を問わずAI時代の採用ターゲット再定義が「27卒はまだ様子見、28卒で本腰」というフェーズに入りつつあることがうかがえる。
【図表2-1】27卒採用で、AI活用による特定業務・部門での必要な人材の増強・削減の有無
自社はすでに見直しに着手しているのか、それともこれから初めて手を付けるフェーズなのか——その位置づけを把握することが、28卒の採用戦略設計の出発点になる。詳細な時期別の内訳や、見直し後にどのような人材像(変化適応力、自律的な学びなど)が新たに重視されるようになったのかについては、本調査レポートの図表2-2・2-3で詳しく報告されている。28卒の採用方針を最終決定する前に、自社の立ち位置と照らし合わせてほしい。

【調査概要】
調査名称:【HR総研】2027年&2028年新卒採用動向調査(6月)
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2026年6月1〜9日
調査方法:WEBアンケート
有効回答:277件

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