希少価値が薄れてきた逆求人サイトのオファー
次に、逆求人サイトを利用している学生を対象に、企業からのオファー(スカウトメール)が届いた社数について確認したところ、1通も受け取っていない「0社」と回答した学生は文系で5%、理系で9%にとどまり、残りの9割以上の学生は何らかのオファーを受けた経験があることが分かりました[図表2]。受け取った社数で、最も多かったのは「21社以上」で、文系では64%と6割を優に超え、理系でも52%と半数を超えています。次いで「6~10社」が文系15%、理系20%と多く、“5社以内”(「1~3社」と「4~5社」の合計)は文系8%、理系7%と、ともに1割にも届かない状況です。これまでは逆求人サイトごとに、1社あたりが発信できるオファー数に制限が設けられるなど、オファーの乱発につながらないように調整されていましたが、利用企業が増えたことと合わせて、1社あたりのオファー発信数も増加傾向にあることがうかがえます。次回の調査からは、選択肢の最大値の変更(細分化)を考える必要がありそうです。ただ、一人の学生に届くオファーの数が大きく増加するということは、オファー1通の価値の希少性を下げることにもつながっており、利用する企業にとってはオファーの効果の面で目減りしていく懸念が拭えません。逆求人サイト提供会社にとっては、サービス利用企業に対して、いかに従来までの効果価値を維持できるかが問われる時期に来ていると言えそうです。
![[図表2]逆求人サイトを通じてのオファーの社数](https://img.hrpro.co.jp/images/tokushu/hr_tokushu_photo_4300_4_739ZTM.png)
・自分のプロフィールに着目し、会社とのマッチングポイントを提示してくれたオファー。きちんと目を通してくれていることが伝わってきて、印象が良かった(文系、上智大学)
・プロフィールに書いた内容をしっかりと会社に合っている理由と併せて羅列してくれているメール(理系、福島大学)
・自身のPRを読んでくれたことが伝わるようなオファー理由が明確に書かれていること(理系、熊本大学)
・写真やサブの文章に言及して、社風や経営理念と合っているとおっしゃっていただけたオファー。隅々までプロフィールを読んでくださっていると感じた(文系、新潟大学)
・就活が優位に進むため、優遇選考を受けられるといった内容が良かった(理系、神奈川大学)
・なぜ送ったのか、プロフィールのどこに魅力を感じたのかがかなり細かく書かれていた(理系、明治大学)
・インターンシップ参加の際のエントリーシート免除。時間のかかる作業を省略して,インターンシップに臨めたため(理系、新潟大学)
・早期選考の面接案内。そこまで志望度が高くないところでも、早期に行われるのなら練習になると思い、参加したくなる(理系、大阪大学大学院)
・1次選考免除の案内(文系、亜細亜大学)
・1次面接をスキップできること。早期採用にもつながり、早い段階で内定を獲得できる可能性を示してもらえたことがうれしかった(理系、山口大学大学院)
・人事とのカジュアル面談。企業理解をより深められるから(文系、関西学院大学)
・特別説明会へのご案内で、日程がたくさんあって調整しやすかった(文系、明治学院大学)
・「実際のプロジェクトに参加し、現場の課題解決に取り組んでもらいます」「チームでの協力を通じてビジネススキルを高めることが期待されます」など、インターンシップの具体的な活動内容や期待される役割が明確に記載されていたもの。自分がそのインターンシップを通じて何を学び、どのように成長できるかがはっきりとイメージできた(理系、同志社大学大学院)