Professional Studio株式会社は2026年4月21日、中小企業に勤める正社員を対象に実施した「人事評価の納得感」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2026年3月3日~10日で、正社員数10~100名未満の中小企業に勤める20歳~59歳の正社員267人から回答を得ている。調査結果から、現在の人事評価や処遇に対する納得度や、納得感に大きく影響する要因などが明らかになった。

HRプロ会員なら、会員限定の記事や『HR総研』調査報告/そのほか多数のコンテンツが無料で利用可能!
<<メールアドレスだけの無料会員登録をする>>
【人事評価の納得感調査】中小正社員の4割超が人事評価に不満。納得感を左右するのは「金額」より“評価プロセス”か

中小企業正社員の41.4%が人事評価・処遇に「納得していない」

企業において人材定着や生産性向上が課題となる中、社員が納得感を持って働ける組織づくりの重要性が高まっている。では、人事評価に対する納得感は何によって左右されるのだろうか。

Professional Studioの調査によると、直近1年間に評価や処遇決定の機会があった中小企業の正社員のうち、現在の評価や処遇に「納得している」と回答した人は52.1%だった。一方、「納得していない」と回答した人も41.4%にのぼった。

内訳を見ると、「やや納得している」が37.5%、「非常に納得している」が14.6%で、過半数は一定の納得感を示していた。一方で、「あまり納得していない」が29%、「全く納得していない」が12.4%となっており、評価や処遇に不満を抱える層も一定数存在していることがわかる結果となっている。
現在の評価・処遇に対する納得感

目標設定の有無で納得率に40ポイント超の差



評価に対する納得感については、評価プロセスの入口にあたる「目標設定」の有無によって大きく差が見られた。

目標設定を「行った」層では、評価に「納得している」と回答した割合は70.1%だったのに対し、「行っていない」層では28.3%にとどまった。一方で、「行っていない」層の「納得していない」割合は60.2%に達しており、目標設定の有無によって納得と不満の構図が大きく分かれる結果となった。

調査では、評価基準を事前にすり合わせるプロセスが、評価への納得感形成に影響していることが示されている。
現在の評価・処遇に対する納得感(目標設定の有無別)

「評価通知」と「面談」の有無で納得感に差

評価結果の伝え方についても、納得感に差が見られた。

納得率が最も高かったのは「書面等で評価を通知」した層で78.3%、次いで「評価通知と面談を実施」した層が74.7%となった。これに対し、「給与・賞与額のみを通知」した層では45.8%、「連絡は何もなし」では27.3%にとどまった。

また、「非常に納得している」と回答した割合は、「評価通知と面談を実施」した層が31%で最も高く、「書面等で評価を通知」した層の23.9%を上回った。評価結果の通知に加え、面談による対話の有無が納得感の深さに影響していることがうかがえる。
現在の評価・処遇に対する納得感(評価通知の有無別)

不満の理由は「金額」が最多。「反映ルールの不明瞭さ」も上位に

評価に「納得していない」と回答した層に理由を尋ねたところ、最も多かったのは「給与・賞与の金額そのものが低いから」(44.3%)だった。以下、「評価結果がどう給与・賞与に反映されたかのルールが不明瞭だから」(37.1%)、「成果や頑張りが正当に評価されていないと感じるから」(30.8%)、「評価の基準が明確にされていないから」(30%)が続いている。

なお、金額面への不満が最多ではあるものの、評価基準や反映ルールの不透明さに関する回答も3~4割を占めていた。処遇そのものだけでなく、評価の透明性も納得感に影響しているようだ。
評価に納得していない理由

20~30代では「正当に評価されていない」が最多

20~30代に絞って「納得できない理由」を見ると、全体とは異なる傾向も見られた。

若手・中堅層では、「成果や頑張りが正当に評価されていないと感じるから」が37.7%で最多となり、全体比で6.9ポイント上昇した。一方、全体で最多だった「給与・賞与の金額そのものが低いから」は10.7ポイント低下している。

若年層では、金額そのものよりも、自身の成果や取り組みが適切に評価されているかどうかが、納得感により強く影響していることがうかがえる。
評価に納得していない理由(20~30代)
本調査から、中小企業において人事評価への不満が一定数存在する一方、その納得感は報酬水準だけでなく、評価プロセスの設計によって大きく左右されることが示された。特に、目標設定や評価通知、面談といったプロセスの有無が納得率に大きな差を生んでおり、評価制度そのものの透明性や説明責任が、社員の受け止め方を左右している実態がうかがえる。人材の定着や主体的な行動を促すうえでも、評価制度は「何を評価するか」だけでなく、「どう伝え、どう納得してもらうか」が問われる局面に入っていると言えそうだ。

出典:https://first-hr.jp/media/research-report002


HRプロ会員なら、会員限定の記事や『HR総研』調査報告/そのほか多数のコンテンツが無料で利用可能!
<<メールアドレスだけの無料会員登録をする>>

この記事にリアクションをお願いします!