出雲市と日鉄ソリューションズ株式会社、株式会社e-Grid、株式会社島根情報処理センター、和幸情報システム株式会社は2023年7月24日、「高度ITエンジニアの育成及び新規事業創出に関する連携協定」を締結したと発表した。本協定により、地方に拠点をおくIT企業同士の連携を促すことで、出雲市内の高度ITエンジニアの育成と市内における雇用機会創出を推進する考えだ。
出雲市と日鉄ソリューションズらが「高度ITエンジニアの育成及び新規事業創出に関する連携協定」を締結。雇用の活性化を目指す

連携協定により、出雲市を“TECH人材の集積地”へ

出雲市と日鉄ソリューションズら4社は、島根県および出雲市在住の高度ITエンジニアの育成や出雲市内の雇用創出を目的として、「高度ITエンジニア育成及び新規事業創出に関する連携協定」を締結した。本協定により、出雲市在住のITエンジニアに向け、首都圏における大規模な新規事業案件に関わる機会を創出し、実務を通じたスキル獲得を支援するという。併せて、企業のフィードバックをもとに、実案件に即したITエンジニアの育成評価サイクルを整備していくとのことだ。

また、本協定に基づき、地方に拠点を置くIT企業同士の連携を促進するコミュニティとして、インキュベーションラボ「GRID BOX」を設立した。同ラボは、ITエンジニアを一定の評価指標に基づいてデータベース化し、新規事業に取り組む首都圏の企業とのマッチングの支援を行う。データベースの評価指標は、マッチングした案件における人材要件や、アサインされたエンジニアの評価をもとにアップデートされるという。そのため、活用が進むほどデータベース内の評価指標が実務に適した観点へと絞られ、マッチングの精度が高まる仕組みになっているとのことだ。

これにより、地方のITエンジニアは同ラボを活用することで、地方に生活拠点を構えながら首都圏における実践的で多様多種な案件に挑戦する機会が獲得できる。また、ビジネスの現場感覚が反映された評価指標が明示されることにより、自身のスキル獲得やキャリア形成につなげることも可能になるという。

日鉄ソリューションズでは、今後も同社の「ともに未来を考え社会の新たな可能性をテクノロジーと情報で切り拓く」というパーパスのもと、島根県/出雲市の次世代を担うIT人材の育成および市内における雇用機会創出の推進を図るという。さらには、Uターン/Iターン者を含む、出雲とつながりのある高度IT人材に対して、“DXによる地域課題の解決”といった活躍の場を生み出すことで、出雲市を「TECH人材の集積地」とすることを目指す考えだ。

本協定は、高度なスキルを持ったITエンジニアが地方にいながらスキル向上やキャリアアップを目指せる、好事例と言えるだろう。IT人材の育成を目指す企業では、こうした官民との連携協定を参考に、自社における人材の育成方法や地域雇用を活性化する方法を模索してみてはいかがだろうか。

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