リ・カレント株式会社は2022年9月27日、「2022年度最新若手意識調査」の結果を発表した。調査を実施したのは2022年5月で、20代の若手社員1,300名から回答を得た。これにより、若手社員の仕事観やキャリア観といった価値観の有無、新しい環境での仕事のスタイルなどが明らかとなった。
多くの20代若手社員は“仕事観・キャリア観”を持っていない? 「そもそもよくわからない」、「考える機会がない」との声も

半数近くが“自分の職業観・仕事観”などの価値観を持っている

20代の若手社員は、自身が「どのように働くか(自分の働く目的・譲れないもの・価値観)」という“職業観”や“仕事観”、「どのように働き続けるか(中・長期的継続性を持った目的・譲れないもの・価値観)」という“キャリア観”など、自身の価値観を持っているのだろうか。はじめに、リ・カレントが「自分の仕事観を持っているか」を質問した。すると、「誰かに語れる明確な形で持っている」が11.2%、「語れるほどではないが持っている」が36%で、合計47.2%が仕事観を持っていることがわかった。他方で、「考えたことはあるが固まっていない」が28%、「持っていない」が24.9%となった。
自分の仕事観を持っているか
また、同社が「仕事観を持っている」とした回答者に対して「その内容」を聞くと、「報酬(金銭)を得るため」が67.8%で最多だった。以下、「自分が成長するため」が47.3%、「社会に貢献するため」が34.6%、「お客様・ユーザーを幸せにするため」が23.1%で続いた。
仕事観の内訳

「仕事観とは何かよくわからない」との声が4割超に

続いて、「仕事観を持っていない/固まっていない」とした回答者に「その理由」を尋ねると、「仕事観とは何かそもそもよくわからない」が44.8%で4割を占めた。以下、「考える必要を感じていない/なかった」が28.1%、「自身にとっての仕事観を考えていない/なかった」が20.2%、「周囲に、仕事観を持って働いているロールモデルがいない/いなかった」が19.9%だった。
仕事観を持っていない・固まっていない理由

“新しい環境での仕事のスタイル”は「失敗は気になるがやりながら学ぶ」が最多

次に、「新しい環境(入社・転職・転勤・部署異動など)で業務を行う状況において、自身の仕事のスタイルとして最も近しいもの」を同社が尋ねた。すると、「失敗は気になるがやりながら学ぶ」が42.8%、「失敗しないよう基本的には周囲や上司に確認しながら業務を行う」が31.8%、「まずは何事も上司・先輩の支持のもとで動く」が11.6%だった。一方で、「失敗は気にせずまずやってみる」は13.8%にとどまり、失敗を恐れずに挑戦しようとする人よりも、リスク回避を重要視する人のほうが多いことがうかがえる。
新しい環境での仕事のスタイル

“失敗が気になる理由”は「業務に支障をきたしてしまうから」など

続いて、「失敗が気になる」または「上司の指示に従う」とした回答者に、「その理由」を聞いたところ、「業務に支障をきたしてしまうから」が23.7%で最も多かった。その他、「自分で自分の失敗にがっかりし、傷つくから」(19.9%)、「失敗はそもそも避けるべきものだから」(15.2%)、「上司や周囲にがっかりされるから」(11.7%)といった回答があった。
仕事に追手リスク回避する理由

6割が「“自分のキャリア観”を持っていない・固まっていない」と回答

次に、同社が「自分のキャリア観を持っているか」を尋ねると、「誰かに語れる明確な形で持っている」が9.1%、「語れるほどではないが持っている」が30.8%で、合計39.9%が「持っている」と回答した。他方で、「考えたことはあるが固まっていない」が31.9%、「持っていない」が28.1%で、合計60%がキャリア観を持っていない・固まっていないことがわかった。
自分のキャリア観を持っているか
また、「自分のキャリア観を持っていない・固まっていない」とした回答者に、「その理由」を聞くと、「キャリアとは何かそもそもよくわからない」が40.2%で最も多かった。以下、「自身にとってのキャリア観を考える機会がない/なかった」が26.7%、「環境がすぐに変わるため、中・長期的なキャリア観を考えることに意味がない」が23.4%、「周囲に理想のキャリアを体現しているロールモデルがいない/いなかった」が21.4%で続いた。
キャリア観を持っていない・固まっていない理由
本調査より、自分の仕事観・キャリア観について「持っていない・固まっていない」とする20代の若手社員が多いことがわかった。「そもそも仕事観やキャリア観がよくわからない」、「考える機会がない」という人もいることから、企業としても従業員が仕事観などについて知る・考えることができる機会を設け、自分なりの目的を持って仕事に臨むことを促してみてはいかがだろうか。

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