「人事異動で、拠点の中のごく一部の人が変わっただけで、拠点全体の業績が数ヶ月で大幅に向上することがある。一体何が起きているのか」

本書は、この問いにデータ科学で挑んだ。著者・矢野和男氏は、日立製作所で長年ピープル・アナリティクスを牽引してきた人事・組織分野の第一人者であり、21年にわたり膨大な職場データを解析し、「三角形が多い集団は幸せで生産的になりやすい」という驚くべき法則を導き出した。「三角形」とは、自分の知り合い同士もつながっている3者関係のこと。これが多い職場では、信頼関係と情報共有が自然に深まり、メンバーのアイデアやモチベーションが高まる。逆に、関係が断たれた「V字」型では、分断や不調和が生まれやすく、生産性も幸福度も低下するという。個々の能力だけでなく、人と人のつながりの形こそが組織を動かす。幸福と成果を同時に叶える新しい組織デザインの視点を提示する一冊だ。

【こんな人におすすめ】
○ 経営者・経営企画
~組織変革や業績向上を「勘と根性」でなく、データと科学的な再現性で進めたい人

○人事・HRBP・組織開発担当
~エンゲージメント施策や配置・人事異動の効果を、ネットワーク構造や幸福度などの指標で捉えて実務に落とし込みたい人

○働き方・ウェルビーイングに関心のあるビジネスパーソン
~「幸せだから生産性が上がる」という直感を、腰の据わった研究と事例で確認したい人

【書籍基本情報】
書籍名:トリニティ組織――人が幸せになり、生産性が上がる「三角形の法則」
著者:矢野 和男/平岡さつき 協力
出版社:草思社
書籍発売日:2025年7月8日
トリニティ組織

▼内容紹介

エビデンスに基づいた、画期的組織理論
「幸せ」と「生産性」という永遠の問いに、データ科学が明快な答えを示した!
著者の矢野和男氏(日立製作所フェロー)が率いる研究チームは、企業の職場環境で従業員の会話データや行動量、幸福感アンケート、生産性指標などを21年間にわたり収集・解析し、両者に共通する法則を発見した。その鍵は、職場の人間関係ネットワークに存在する「三角形」、すなわち「自分の知り合い2人同士も知り合いである関係」にあった。三角形が多い組織ほど、従業員の幸福感が高く、生産性や受注率、問題解決力、学習能力も向上する。一方、つながりが断絶した「V字」構造では、幸福度も生産性も低下する。上司同士が話し合わず矛盾した指示を出すような状況は典型例だ。本書は、なぜ三角形が幸福と成果をもたらすのか、そしてそれをどう増やせるのかを科学的に解き明かし、私たちの働き方や人間関係を根本から見直す視点を提示する。
(出版社ホームページより/HRプロ編)

▼目次

第1章 孤立社会は誰がつくったのか?
第2章 幸せに法則性はあるのか?
第3章 身体の動きは何を物語っているのか?
第4章 「よい人間関係」とは何なのか?
第5章 「トリニティ」とは何なのか?
第6章 幸せと生産性は共存できるのか?
第7章 私たちはどうすれば幸せになれるのか?
第8章 どうやってトリニティをつくるのか?
第9章 格差社会はどこからはじまったのか?
第10章 GDPからGDTへ

▼著者プロフィール

【矢野 和男(やの かずお)】
株式会社日立製作所フェロー。株式会社ハピネスプラネット代表取締役CEO。1959年山形県酒田市生まれ。1984年早稲田大学物理修士卒。日立製作所入社。1993年に単一電子メモリの室温動作に世界で初めて成功し、ナノデバイスの室温動作に道を拓く。その後、データを活用した人間や組織研究とそのためのウエアラブル技術のパイオニアとして論文被引用件数は4500件、特許出願350件を越える。米「ハーバードビジネスレビュー」誌に、開発したウエアラブルセンサが「歴史に残るウエアラブルデバイス」として紹介される。産業分野へのAI活用を牽引し、開発した多目的AI「H」は、物流、金融、流通、鉄道などの幅広い分野に適用された。組織、生産性、心理学、人工知能からナノテクまでの専門性の広さと深さで知られる。著書『データの見えざる手』が、BookVinegar社の2014年ビジネス書ベスト10に選ばれ、2021年には『予測不能の時代』を上梓。2020年に株式会社ハピネスプラネットを、日立からスピンアウトして設立し、代表取締役CEOに就任。

【平岡さつき(ひらおか さつき)】
株式会社インフォバーン サービスデザイナー兼エディター。成安造形大学 情報デザイン領域 非常勤講師。雑誌や書籍の編集、企業や自治体などのwebメディア構築・コンテンツ企画・制作等を経て、現在は企業の新規事業開発やブランディング戦略立案、体験デザイン等に従事。筆力を活かして、知的探求やビジョン策定のアウトプット化の支援も行う。2023年3月から矢野氏とウエルビーイング・シンキングの共同開発に携わる。
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