「ミドル」を切り口に、様々な組織でチャレンジしているビジネスパーソンに、ミドル層の役割やあるべき姿、課題などに焦点を当てながらお話を伺い、組織づくりのヒントをお届けしていく本連載(※)。第1回目は、Webメディア『kufura』の編集長として活躍している株式会社小学館の佐藤 明美氏にインタビューを行った。佐藤氏は、女性ファッション誌の編集を長く担当したのち、近年は紙からWebメディアへ舞台を移し、これまでと畑の違う分野に挑んでいる。本記事では、その過程の中にあるミドルならではの葛藤や課題、チャレンジすることで得た気づきなどを中心にお届けしていく。

※HRプロとタッグを組み、本連載のインタビュアーを務めるオイシックス・ラ・大地株式会社 経営企画本部 三浦 孝文氏に、連載に込めた想いについて話を伺いました。その模様は、特別編のエピソード0として連載に先駆けて公開しています。ぜひそちらもご覧ください。
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プロフィール

  • 佐藤 明美 氏

    佐藤 明美 氏

    株式会社小学館
    『kufura』編集長

    千葉大学看護学部卒。看護師と保健師の資格を持ち、医療看護系出版社の編集者を経て、1995年に小学館入社。女性メディア局で『CanCam』『美的』『Oggi』等のファッション・美容雑誌を担当し、2015年に『AneCan』編集長に。2018年『kufura』の本格ローンチに合わせ、編集長に就任。

  • 三浦 孝文 氏

    三浦 孝文 氏

    オイシックス・ラ・大地株式会社
    経営企画本部 経営企画部 部長

    大分県別府市出身。関西学院大学を卒業後、(株)D2C、クックパッド(株)での人事経験を経て、2017年1月より現職入社。HR本部人材企画室の責任者を経て、現在は経営企画本部内にて全社の中期経営計画や各部門の年度戦略の策定支援、経営にひもづく会議体の事務局など、マネジメントシステムの進化・仕組みづくりを担当。社外では兼業で(株)GlocalKの組織経営アドバイザリー、人事コミュニティ「人事ごった煮会」の発起人。

EP.1:リスキリングのヒントとなる、異分野に挑む先にある成長の楽しさ

小学館に転職後、雑誌やWebメディアの編集長として活躍

EP.1:リスキリングのヒントとなる、異分野に挑む先にある成長の楽しさ
三浦氏:本日はよろしくお願いします。まずは、佐藤さんのキャリアについてお伺いしたいのですが、これまでどのような経歴を積まれてきたのでしょうか。

佐藤氏:私は小さい頃からマザー・テレサやナイチンゲールの本を読んだり、と看護職に興味があって、千葉大学の看護学部で看護師と保健師の国家資格を取りました。ただ、在学中は看護師になろうと思っていた訳ではなかったんです。手に職がつくことを学びたいと思って大学を選んだので、就職活動では新卒しか応募できない会社を受けてみようと思いました。もともと本が好きだったので出版業界に絞り、当時小学館も応募したんですが落ちてしまい、色々応募するなかで、最終的に看護や医療専門書の出版社から内定をもらい入社しました。

その出版社の中では当時、国家資格を持っている社員は私一人だったんです。なので、オリジナリティのある仕事ができました。看護師国家試験の勉強対策ノートをムック本にして売ったらヒットしたなんてこともあり、楽しかったですね。入社してから3年ほど経験を積んでいくなかで、専門分野ではなく、もう少し広い海に漕ぎ出そうと思い、社会人3年目に再び小学館に応募して、今度は無事入社できました。

三浦氏:小学館に転職後は、これまでどのようなお仕事をされてきたのでしょうか。

佐藤氏:小学館では女性雑誌を担当し、『CanCam』『美的』『Oggi』を経験した後、『AneCan』で編集長をやっていました。その後、『小学館女性インサイト研究所』で半年間、雑誌の読者モデルや読者登録をしている人たちのインサイトをまとめ、企業に情報発信していた時期もありました。今は、子育て世代を対象にした暮らしのくふうを支える『kufura(クフラ)』という Webメディアの編集長をやっています。

三浦氏:これまでいくつもの立場を経験されていますが、その中でも、佐藤さんが特に印象に残っている仕事はありますか。

佐藤氏:「編集者」と「社員」、二つの立場で印象に残っている仕事があります。編集者としては、雑誌の仕事をやりながら単行本も作ることができた、ということですね。『Oggi』という雑誌を担当していた時、とても魅力的なファッションエディターの方とご一緒していました。その方の本をつくって14万部くらい売れ、非常に大きな成果を出せたことは、編集者として嬉しかったですね。単行本は、自分と著者の関係性でつくっていくので、チームでつくる雑誌とは違ったやりがいがあるんです。

三浦氏:雑誌の編集だけでなく、個人として単行本もつくられているんですね。

佐藤氏:雑誌の仕事にそこそこ慣れて、スキル的にも少し余裕が出てきたこともあって、自分の担当するコンテンツを、1ヶ月で販売が終わってしまう雑誌だけにしたくないなあ、と思うようになりました。コンテンツを作る上で、雑誌という「チームでの仕事」だけでなく、単行本で「個人の仕事」を両立させながらキャリアを重ねられたことは、大きかったですね。

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