高い生産性より、自分で考える力や人間同士の対話を重視

就職活動で学生がAIを活用することについて、前述のように企業は選考方法の見直しを迫られるなどの苦労はあるものの、今後はビジネスにおいてもAI活用はますます進展することは明白であり、AIを活用できる能力は社会人として評価されるべきものであるという側面もあります。それを踏まえ、学生の就職活動へのAI活用に対する企業としての考え方を改めて聞いてみました。

その結果を企業規模別に見ると、「積極的に活用してほしい」という非常に肯定的な意見は、どの企業規模でも5~7%にとどまりました[図表7]。ただし、「AIを活用できることも重要な能力である」は大企業では33%で最も多く、中堅企業(24%)と中小企業(17%)でも2番目に多くなっています。また、「使用自体は問題ない」も大企業では25%で2位、中堅企業(29%)と中小企業(39%)ではともに最多となるなど、これらの3項目を合わせた“肯定派”はいずれの企業規模でも6割程度を占めています。企業の考え方としては、AIを活用するスキルは入社後もビジネスにおいて有益なスキル・能力であり、就職活動でのAIの活用には肯定的な見方が大半となっています。

ただ、「一定の制限は必要」とするやや慎重的な意見は、中小企業では7%と少ない一方、大企業と中堅企業では23%、21%と2割程度見られます。
[図表7]学生の就職活動へのAI活用に対する企業の考え方
最後に、ビジネスにおいてもAI活用が急速に進む中で、今後、若手社員の育成方針をどうしていく予定なのかを聞いてみました[図表8]。新入社員教育や内定者教育にも関係してくることですので、参考にしてください。

企業規模別に見ると、大企業で最も多かったのは「AIを活用しつつ、自分で考える力や個性も重視して育成したい」で、45%に達しています。中堅企業でも最多ながら、34%と大企業より10ポイント以上低くなっています。代わりに、大企業では14%だった「AIに頼りすぎず、人間同士の対話や経験を重視して育成したい」が24%と、大企業比で10ポイント高くなっています。一方、中小企業では、「AIに頼りすぎず、人間同士の対話や経験を重視して育成したい」が最多で、中堅企業よりも5ポイント高い29%となっています。「AIを活用しつつ、自分で考える力や個性も重視して育成したい」も27%と比較的高いものの、他の規模よりは低い割合となっています。

「AIを活用しつつ、自分で考える力や個性も重視して育成したい」と考える企業は規模が大きいほど多く、逆に「AIに頼りすぎず、人間同士の対話や経験を重視して育成したい」と考える企業は規模が小さいほど多くなっています。AIを活用しすぎるとそれに頼ってしまい自分で考えなくなるといわれる中、「自分で考える力や個性」を重視したいと考える大企業、AIとの対話ではなく「人間同士の対話や経験」を重視したいと考える中小企業という構図になっていることがうかがえます。

また、「AIを積極活用し、高い生産性を発揮できる人材を育成したい」と考える企業は、いずれの企業規模でも10~14%と少数派のようです。
[図表8]AI活用を考慮した今後の若手社員の育成方針
次回は、HR総研が「就活会議」と共催する「2027年卒 採用川柳・短歌」と「2027年卒 就活川柳・短歌」の入選作品をお届けします。

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