“対面回帰”の傾向がさらに加速

ここからはインターンシップについて取り上げます。まずは、2027年卒採用向けインターンシップの実施状況を尋ねたところ、全体では「未定・検討中」が22%あるものの、61%が「実施する」(「前年は実施していないが、今年は実施する」と「前年同様に実施する」の合計)と回答しています[図表4]
[図表4]2027年卒採用向けインターンシップの実施状況
従業員規模別で「実施する」割合を比較してみると、大企業85%、中堅企業61%、中小企業47%と、大企業では大半の企業で実施しているのに対して、中小企業での実施率は5割を下回っています。中小企業では、「未定・検討中」が31%と3割を超えているなど、採用活動の計画開始自体が遅れている感が否めません。前回調査との「実施する」割合比較では、大企業では3ポイント増、中小企業では2ポイント減にとどまっているのに対して、中堅企業では前回の84%から61%へと23ポイントも減少しています。中堅企業のこの大きな落差は気になるところです。一方で「未定・検討中」の割合が10ポイント近く増えており、中小企業と同様に採用活動の計画開始の遅れがうかがえます。

次に、2025年12月までに実施したインターンシップの形式について尋ねました。全体では、「全て対面形式で実施」が40%と前回の51%から11ポイント減少しています[図表5]。その代わり、「対面形式とオンライン形式を混合して実施」が54%と前回の43%からちょうど11ポイント増えていますので、両者を合わせた「対面形式を一部でも実施」した割合は前回と全く同じ94%となっています。「全てオンライン形式で実施」は今回もわずか6%にとどまっています。
[図表5]2025年12月までに実施したインターンシップの形式
従業員規模別に見ると、「全て対面形式で実施」は中堅企業が最も少なく26%、大企業は38%、中小企業では55%と半数を超えています。「対面形式とオンライン形式を混合して実施」と合わせると、大企業で93%、中小企業では90%といずれも9割を超えており、中堅企業に至っては100%となっています。「全てオンライン形式で実施」は極めて少数派となってきており、“対面回帰”が大きく進行しています。

インターンシップを有効活用できていない中堅企業

次に、インターンシップの開催ピークである2025年8~9月に対面形式で実施したインターンシップの日数タイプ(複数回答)を尋ねたところ、全体で最も多かったのは「1週間程度」(40%)で、次いで「半日程度」(29%)、「2~3日程度」(25%)、「1日程度」(24%)と続きます[図表6]。前回調査と比較すると、「半日程度」が前回の17%よりも12ポイント増加し、その半面、「1日程度」は前回の44%から20ポイントも減少しており、前回の1位から4位に後退しています。
[図表6]2025年8~9月に対面形式で実施したインターンシップの日数タイプ(複数回答)
従業員規模別に見ると、大企業では「1週間程度」が50%と前回の42%から大きく増加し、中堅企業の38%、中小企業の31%と比較して顕著に多くなっています。また、前回調査で回答が多かった、オープン・カンパニー[注]に当たる「半日程度」はわずか6%(前回17%)にとどまり、「1日程度」も前回の50%から28%へと20ポイント以上も減少しています。三省合意によりインターンシップは「5日間以上」と定義されたことを受けた結果といえるでしょう。「1週間程度」だけでなく、「2週間程度」11%(前回0%)、「3週間~1カ月程度」11%(同8%)、「1カ月以上」6%(同0%)と、長期インターンシップの実施割合も軒並み増えています。

[注]オープン・カンパニー:2022年6月改正の「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(三省合意)により整理された、“学生のキャリア形成支援の取り組み”の4類型の一つ。参加期間が非常に短く(単日)、実際の就業体験がないものを指す。

一方、中堅企業と中小企業では、「1日程度」がそれぞれ前回44%→29%、同39%→13%へと減少した代わりに、それよりお手軽な「半日程度」が同17%→33%、同17%→50%へと大きく増加しています。「1週間程度」を実施する割合は、どの従業員規模も前回・今回ともに3割台で大きくは変動していません。

インターンシップと採用選考との連動状況について聞いたところ、全体では半数以上の52%が「選考と結び付ける」と回答し、「選考とは結び付けないが、優秀な学生においては考慮する」も22%となっており、両者を合わせた「選考と少しは結び付ける」企業が74%と、全体の4分の3程度を占めています[図表7]。「選考とは一切関係ない」とする企業がいまだに6%あることに驚きます。
[図表7]2027年卒採用のインターンシップと採用選考の連動状況
従業員規模別に見ると、「選考と結び付ける」と回答した割合が最も多かったのが大企業の55%で、次いで中堅企業52%、中小企業48%と、従業員規模が大きい企業ほど、選考と結び付けていることが分かります。大企業では、「選考とは結び付けないが、優秀な学生においては考慮する」も31%あり、「選考と結び付ける」と合わせた「選考と少しは結び付ける」割合は86%と、8割を優に超えています。「選考と少しは結び付ける」割合は、中小企業は72%と7割を超えているのに対して、中堅企業では63%にとどまっている一方、中堅企業の「参加学生には採用情報を知らせる程度」の割合は33%にも上っています。インターンシップを有効活用できていないことが、中堅企業で新卒採用に苦戦している企業の割合が高い要因の一つかもしれません。

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