日本アイ・ビー・エム株式会社は、パーパスやビジョンの実現に向けて、マネージャー起点の人材育成・活躍支援に力を入れている。その取り組みにおけるキーワードは「自律とデジタル」。マネージャーとの対話やコミュニケーションをベースとしながらも、主役はあくまで社員であり、一人ひとりの自律的な学びや挑戦を重視している。また、そこにIBMの最新のテクノロジーも組み合わせ、取り組みの効率化やスピードアップも実現させている。そこで今回、同社執行役員 人事担当 中村拓氏に、具体的にどのような取り組みなのか、どのような成果が得られたのかなどお話を伺った。

プロフィール

  • 中村 拓 氏

    中村 拓 氏

    日本アイ・ビー・エム株式会社
    執行役員 人事担当

    一橋大学卒業後、日系IT企業にて人事を担当。本社および英国と米国拠点の人事戦略企画と実行に従事した後、2019年に日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。コンサルティング事業部門の人材採用の加速、スキル変革、社員のキャリア向上、人事制度変革等を主導。2024年9月より現職。

IBM流「マネージャー起点」の人材育成・活躍支援――キーワードは「自律」と「デジタル」

「マネージャーを起点」に人材を育て活躍させる4つのステップ

――貴社は今、マネージャー起点の人材育成・活躍支援に取り組んでおられますが、そもそもどのような背景や課題のもと始められたのでしょうか?

私たちIBMは「世界をより良く変えていく“カタリスト(触媒)”になる」というパーパスを掲げています。これはつまり、「お客様や社会のデジタル変革をリードする存在でありたい」という思いであり、それを実現するためには、人と組織のさらなる強化が必要不可欠です。とりわけ社員一人ひとりの“個”を強くし、それを結集して組織力の向上に繋げていくという考えが、人材戦略のベースとなっています。そこで鍵を握るのがマネージャーの存在です。もともと当社には各ラインのマネージャーがオーナーシップを持って人材育成を推進するという文化が根づいておりましたが、それをさらに強化・発展させるべく、マネージャーとの対話を通じた人材育成・活躍支援の仕組みを整備いたしました。

――その具体的な取り組み内容についてお聞かせください。

本取り組みでは「キャリアの選択肢を知る」「気づき・考える」「チャレンジする」「変化を実感する」という4つのステップを用意し、これらを1つのサイクルとして循環させながら、社員のモチベーション維持・向上に繋げております。それぞれのステップは一貫してマネージャーとの対話を通じて行われ、マネージャーが従業員一人ひとりと定期的に密なコミュニケーションを取ることで、各個人のキャリア構築の糧となるアサインやフィードバックを行うことが可能です。
IBM流「マネージャー起点」の人材育成・活躍支援――キーワードは「自律」と「デジタル」

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