株式会社インフォマートは2024年5月9日、建設業従事者を対象に実施した、2024年4月開始の「残業上限規制」および日々の業務に関する調査の結果を発表した。調査期間は2024年2月23日~27日で、現在建設業に従事している20代~60代の会社員328名より回答を得ている。調査結果より、「残業時間の上限規制」に取り組めている企業の割合や、平均残業時間の実態、現状の課題などが明らかになった。
【建設業の2024年問題】「上限規制」を受け、残業時間は減少傾向に。勤務時間や休日の実態は良化する中、残る課題とは?

約半数が「残業時間の上限規制に取り組めている」と回答

2024年4月より開始となった、「働き方改革関連法」のうちの1つ、「残業時間の上限規制」。社会的な人手不足は建設業界においても例外はなく、労働力が決して十分でない中で、残業時間を減少させるという、厳しいミッションが各経営者に降りかかっている。そうした中、建設業における“残業”の実情はどうなっているのだろうか。

インフォマートは、「残業時間の上限規制」に関して、「勤務先での取り組み状況」を尋ねた。すると、およそ半数の47%が「取り組めている」と回答(しっかりと取り組めている:12.7%、取り組めている:34.3%の合計)し、昨年同調査の42.6%と比較すると、微増していた。
「残業時間の上限規制」への取り組み状況

平均残業時間は「10時間未満」が最多。昨年と比べて良化傾向に

次に同社は、「1ヵ月の平均的な残業時間」を尋ねた。すると、「10時間未満」との回答が58.2%で最多となり、昨年同調査の52.8と比べておよそ5ポイント増加する結果だった。この結果から同社は、「ペーパーレス化やその他の業務の電子化が推進され、残業時間も減少傾向にある」と推測している。
1ヵ月の平均的な残業時間

「デジタル化」や「給料」、「高齢化」に課題も、“勤務時間・休日”は改善

続いて同社は、「勤め先の課題」について聞いた。すると、上位となったのは「デジタル化が遅れている」(23.2%)、「仕事が大変な割に、給料が低い」(22.6%)、「高齢化が進み、人材育成がうまくいかない」(20.4%)などで、昨年同調査における上位回答と同様となっていた。

一方で、下位回答である「勤務時間が長い」(8.2%)および「休日が少ない」(9.8%)については、ともに昨年同調査(勤務時間が長い:13.8%、休日が少ない:16%)と比べて減少しており、働き方改革が進められていることがうかがえる結果となった。
勤め先の課題
本調査結果から、建設業においては、ペーパーレス化や電子化などによる業務効率化、それにともなう残業時間の減少といった働き方の改善といった面が、昨年と比較して良化傾向にあることがわかった。一方で、デジタル化の推進や給与面の改善、従事者の高齢化などといった課題も浮き彫りになった。人手不足が特に深刻化する建設業においては、今後もあらゆる方面での改善が求められる苦しい状況が続きそうだ。

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